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現代が天界、魔界と繋がった世界  作者: マーラッシュ
第一章 結成バハムート
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第14話 真実の眼

偽りを見抜く目。ほしいです。


 銀行強盗はコト姉を人質に取りながら、俺達の方を牽制して外に出ようとする。

 くそっ! このままコト姉も連れていくつもりか。

 だが犯人は、入口付近でコト姉を突き飛ばして逃げ始めた。


「きゃっ!」


 コト姉が連れていかれるという最悪なシナリオは回避されたが、コト姉を人質に取った報いを受けてもらう。ぜってえ捕まえてやるからな。


「ユウト! コト姉を頼む」

「わかった。()()()()()


 俺は銀行強盗を追いかけるため外に向かって走る。

 銀行の裏手の道路には車が止まっており、犯人達はその車に飛び乗っていく。

 車内には逃走要員役の運転手がいる。これで銀行強盗犯は4人、逃がすものか。


 俺は地面に落ちている石を拾い、運転手目掛けておもいっきり投げる。


 ガシャッ!

 ガシャッ!

 ガシャッ!


「ぐわっ!」

「何だ! どこからだ!」

「銃撃か? 魔法か?」

「いや、た、ただの石だ」


 石の一つが運転手にあたり気絶する。

 これで運転手が邪魔で、車の発進が簡単にはできなくなったはずだ。

 運転手が倒れ、車が動かせなくなったことによって銀行強盗に焦りが生じてくる。


「おい! 早くこいつをどかして車を発進させろ!」

「は、はい」


 助手席の男が気絶した運転手と位置を交換しようとするが、上手く代わることができない。


「何をもたもたしてる! 早くしないと警察がくるぞ」


 後部座席の銀行強盗から怒号が飛ぶ。

 残念だがそんな狭い車内で代わることなんてできないぞ。

 助手席の男もそのことに気づいたのか、一度車から降りて運転手の男と交換しようとするが、ドアを開けて外に出た瞬間、俺は顔面に飛び蹴りを食らわす。


「げふっ!」


 飛び蹴りを受けた銀行強盗はそのまま気絶する。

 これで後二人だ。

 後部座席にいた二人は、前に乗っていた二人がやられたため、車の外に出てくる。


「こんなガキに二人もやられたのか」

「油断するなよ。ひょっとしたら異能を持っているかもしれん」


 俺は二人の銀行強盗犯と対峙した。


 ユウトside


「コトネ姉さん」


 僕は銀行強盗に突き飛ばされたコトネ姉さんの元へ向かう。


「ユウトちゃん」

「大丈夫? 怪我はない?」


 僕は地面に座っているコトネ姉さんに手を差し伸べる。


「大丈夫だよ」


 コトネ姉さんは僕の手を取り立ち上がる。


「ごめんね。お姉ちゃんのせいでとんでもないことに巻き込まれちゃったね」

「コトネ姉さんが兄さんに言っていたことが当たっちゃったね。だけどコトネ姉さんが悪いわけわけじゃないよ。それに1人だけで銀行に行かせなくて良かった」

「そう言ってくれるとお姉ちゃんも助かるよ」


 ジリリリリリッ!


 銀行員が防犯ブザーを鳴らしたみたいだ。

 銀行内はけたたましい音が鳴り響く。

 そして別の銀行員は警察に連絡をしている。

 さて、僕もやるべきことをやらないと。


「コトネ姉さん。実はまだ銀行強盗の仲間がここにいるんだ」

「ええっ!」

「しー。静かにして」

「僕はこれからその二人を捕まえるから、念のため受付の向こうに隠れててくれないかな」


 コトネ姉さんはコクンと頷く。

 姉さんが受付の向こう側に移動したのを確認して、僕は銀行強盗が来た時に、従うように言っていた二人の所へと向かう。

 二人は外に出ようとしていたので声をかけて止める。


「どちらに行かれるのですか?」


 男達がこちらに振り向く。


「もう銀行強盗は出ていったんだろ」

「俺達はここにいる必要はないんじゃないか」

「この後警察が来て、事情聴取があるから外には出ない方がいいですよ」


 警察と言う言葉に二人はピクリと反応する。


「警察に何も言わないで出て行ってしまうと、銀行強盗の仲間だと勘違されてしまう可能性があるから、協力した方がいいと思います」

「仲間だと思われるのは困るな」

「それなら警察がくるまで待つか。俺達は関係ないしな」


 僕は二人が答えるときに、異能の「真実の眼」を発動させる。

 左目が青く輝き、二人の体の中心部を見ると魂の色が見える。色調は⋯⋯赤だ。

 この二人は嘘をついてる。


「お、お前なんだその眼は」

「まさか異能か」

「あなた達銀行強盗の仲間ですね。拘束させていただきます」


 僕は二人が動くより先に背後へと周り、頚椎に手刀を打ち込む。

 男達は声を上げることもできず意識を失ったので、地面に頭をぶつけないよう抱き止めて、優しく地面へと下ろす。


「警察です! 皆さん大丈夫ですか?」


 タイミング良く警察が来たので、気絶した二人を引き渡す。

 警察に話をした時、初めは僕を疑いの目で見ていたが、猿飛先生の名前を出したら態度が一変し、こちらの言うことを信じてくれるようになった。

 猿飛先生のネームバリューはすごいな。

 余計な手間をかけずに済んで助かりました。


「ユウトちゃんお疲れ様」


 受付の向こう側に隠れていたコトネ姉さんが、こちらに向かってくる。


「さすがユウトちゃん、甲賀寺で鍛練してるだけのことはあるね」

「相手は特に武術の心得がなかったから僕でも何とかなったよ」

「またまた、ユウトちゃんは謙遜しちゃって。悪い癖だよ。普通の男の子はこうチョンってやって相手を気絶させることなんてできないからね」

「わかった。気をつけるよ」


 とりあえず銀行内は怪我人もなく収束して良かった。


「そういえばヒロトちゃんはどうしたの?」

「兄さんは銀行強盗を追いかけて行ったよ」

「大丈夫かな」

「大丈夫だよ。兄さんが負けるなんてありえないから」


 兄さん後は任せたからね。

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