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現代が天界、魔界と繋がった世界  作者: マーラッシュ
第一章 結成バハムート
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第13話 予期せぬ来訪者

昔に比べて銀行強盗は減った気がします。

 俺とユウトはコト姉の願い通り、銀行へ向かうため、家の外に出た。

俺は三人が外に出た後、財布から鍵を出してドアを施錠する。


「ヒロトちゃん何か落ちたよ」


コト姉は落ちたものを拾って、俺に渡してくれた。


「これはバッチ? 竜の形をしていてカッコいいね」

「猿飛先生にもらったんだ。それより早く行こうぜ」


そういえばこのバッチって、結局何だったんだろう。

猿飛先生のことだから嫌な予感しかしないけど。


「三人でお出掛けするの久しぶりだね」

「去年の冬以来かな。後はサクラが入れば良かったんだけど」

「俺がいたらサクラは来ないって」

「そういえばサクラはどこに行ったの?」

「今日はアルメリア学園の楓先生の所に行くって言ってたよ」


 あのアダルティーな先生の所か。


「異能のことが気になるみたい」


 サクラの異能か。

 どんな能力だろう。

 必ずしも当てはまらないが、一般的に異能は本人の願望が反映されることが多いらしい。

 そうなるとサクラの願望って俺を殺すことだから、それにあった異能を覚えたらまずいじゃないか。

 頼むから願望以外の異能に目覚めてくれよ。


「お姉ちゃんも楓先生に教わったんだけど、最新の研究では異能が使える人が近くにいると異能が使えるようになる人が多いらしいよ」

「そうなるとサクラが異能を使えるようになったのは()()の影響が大きいかもしれない」

「そうだね。だからアルメリア学園に入学してから異能が使えるようになる人が多いって楓先生は言ってたよ」


 アルメリア学園は異能が使える人も多いが、それ以上に使えない人の方が多い。もしこの話が本当だったら入学希望者がさらに増えそうだな。


「けどどういう理屈で使えるようになるんだ」

「お姉ちゃんも詳しくはわからないけど、異能を使える人のNBW波を異能が使えない人が感じとって強くなるらしいよ」


 弱毒のウイルスを体内に入れて耐性をつくるワクチンみたいなものか。

 今は異能を使える割合が1,000人に1人だがいずれ500人に1人、100人に1人と減ってくるかもしれないな。


 三人で話している内に瑞葉銀行に到着する。


「お姉ちゃん窓口に行ってくるから座って待っててね」


 俺達は待ち合いの所で座って待っていると、突然覆面をつけた三人組が銀行に乱入してきた。


「動くな!」

「全員手を上げろ! 銀行員は机の下に手を伸ばすな! 警察がきた瞬間この娘を撃ち殺すぞ!」


 銀行強盗だと!

 しかも手には拳銃を持っていてコト姉が人質に取られてしまった。


「キャー!」


 銀行内が騒然とする。


「うるせえ!」


 パンパン!


 銀行強盗犯は天井に向けて2発拳銃を放ち俺達を威嚇する。


「皆犯人の言うことを聞いた方がいい」

「下手に逆らうと何をされるかわからないぞ」


 男性二人が、犯人の言うことを聞くよう促す。


「お前ら全員こっちの角に寄れ」


 銃口をこちらに向けられた状態で俺達は移動する。


 くそ! 俺とユウトの二人だけだったらどうとでもなるが、コト姉が人質に取られ、人がこんなにいる状況では、銀行強盗に立ち向かって行けば犠牲者が出る可能性が高い。

 そして残念ながら()使()()()()()()()()()()()()()


 コト姉は人質になっているが大丈夫だろうか。

 銃口を向けられているんだ、恐怖感は半端ないだろう。

 視線をコト姉の顔に向けるが、コト姉は以外にも冷静な表情をしている。

 この状態で落ち着いていられるとは、すごいなコト姉は。


 銀行強盗の1人が奥の扉へと向かっていく。

 ん? 今気づいたが全員こちらに集めてどうやって金庫を開けるんだ?

 銀行強盗は今だに金庫の鍵や番号を要求してきていない。

 まさか異能か? 鍵を開ける異能やどんな扉も開けることができる異能があればわざわざ銀行員に聞く必要がない。

 そんなことを考えていたらユウトが小声で話しかけてきた。


「兄さん。さっき犯人の言うことを聞くよう促した人がいると思うけど、あの二人は嘘をついている」

()()()()

「うん」


 ユウトの異能、「真実の眼」は相手が本当のことを言っているか嘘をついているか色でわかるらしい。

 ユウト曰く、真実を述べていると体の中心部分が青く、嘘をついていると赤く見えると言っていた。

 ということはさっきの二人は銀行強盗の仲間で、何か想定外のことが起きた時に対処する遊撃犯か。

 どうする。

 だがコト姉が人質に取られている限り、手を出すことは難しい。


「ユウト。犯人達が外に出た時にコト姉を解放していたら討って出る」

「わかった」

「俺が銀行強盗の三人を、お前は嘘をついていた二人を頼む」

「コトネ姉さんを解放しなかったら?」

「その時は二人で追いかけるぞ」


 ユウトは頷く。


「おいそこ! ごちゃごちゃと何をやってる!」


 チッ! 気づかれたか。


「す、すみません。け、拳銃を初めてみて、怖くて⋯⋯」

「もう終わるから静かにしてろ!」

「は、はい」


 ふぅ。危なかった。

 ユウトが視線で「さすが名演技だね」って言ってくる。

 ほっとけ。


 奥から大きなバックを持った男が現れる。

 やはり異能を使って金庫の鍵を開けたようだな。


「よし。よくやった。逃げるぞ」


 逃がしてたまるかよ。


 さあ、銀行強盗逮捕の時間だ。

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