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春の終わりに

作者: 猫らぶ

初めてで仕組みがよく分かりませんが、かなりいい出来になったと思うので、ぜひ最後まで読んでくれると嬉しいです。


茶色の瞳、サラサラな髪。


6月の終わりの朝、

昨日から彼女との思い出が、頭の中でループしている。


高校2年の春、僕と彼女は恋人になった。


特に衝撃的な出来事があったわけではない、

自然とそうゆう流れになったのだ。


デートも何回かしてお互いのことをだんだん理解してきた頃


彼女が亡くなった。


交通事故だった。


僕は彼女のことを本当に好きだったのだろうか?


そんなことを考えながら、僕はただ無心で春の終わりの生暖かい風にあたりながら

静かに泣いた。


それからは、誰とも接することなく、

1年たった頃、

顔を忘れてしまった。

高校卒業時には、彼女の存在が記憶から完全に消えた。


そんな記憶がよみがえったのも

きっとこの前の出来事が原因だろう。


1ヶ月前、1匹の猫を拾った。

僕が住んでるアパートの前で出会った。

オレンジ色のカーテンがかかったような春の夕暮れだった。

特に飼いたかったわけではない。

なんとなく家に入れてしまったのだ。


誰とも関わりがなかった僕だったが、家族が1人増えた。

その猫は毎日、何もせずに僕をただずっと見つめている。


僕も無心で、猫と見つめあっている時間が続いた。


必要最低限しか外に行くことがなかった僕が、毎日猫と向き合っているうちに

だんだん外に出るようになっていった。 

なぜだかその瞳を見ると、今の自分が嫌いになっていったのだ。


誰とも関わりがなかった僕だったが、友達ができた。


落とし物を一緒に探してあげただけだが、以前の僕なら絶対にやらなかっただろう。

色んな人とかかわっているうちに、ふと気づいた。


僕は1人じゃなくなっていた。


これはあの猫のおかげなのだろうか?

そんなことを考えながら僕はゆっくりと眠りについた。


その日、不思議な夢を見た。


花が地面いっぱいに咲いているその場所に彼女は立っていた。

僕は頭に電流が走ったような痛みとともに思い出した。


「彼女だ!」

「なんで今まで忘れていたんだ!」


頭がごちゃごちゃになり僕は頭を抱えうずくまった。

すると温かい感覚が僕を包んだ、

そして雲のような優しい声が僕にささやく


「無理しなくていいんだよ、君はもう十分悩んだ」

「自分の感情をころさなくていいんだよ」


その瞬間、何かがはじけた音がした。

気が付いたら僕の目に涙があふれていた。


いま気づいた


「僕は君のことが好きだったんだ!」


「君と一緒に夏を過ごしたかった!」 


「ずっと一緒にいたかった!」


僕は泣きながら叫んだ。


優しい顔をして彼女は静かに言った…


「ありがとう」 …と



目が覚めたら猫がいなくなっていた。


その日から僕に様々な変化が起きた。

前よりも感情が豊かになったのだ、

一番驚いたのが、笑うことができるようになったことだ。


僕はきっと彼女を失ったことを認めれずに

自分の感情と一緒に彼女の記憶を、無理やり押し殺していたんだ。


夏が来る、

春の終わりにふさわしい

少し冷たい風が吹いた


彼女との思い出、感情と向き合いながら

僕は生きていく


少し笑いながらゆっくりと歩いていく


夏に向かって歩いていく








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猫らぶです。

初めて小説を書きましたが、とても楽しくかけました。

ありきたりなお話かもしれませんが一生懸命考えて書きました。

感想を聞かせてください。

お願いします。




感想お待ちしています。

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