表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
記憶を無くした空の騎士姫と太陽王子  作者: 桜月雪


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/36

32.出発前夜と出発

お読みくださり有難うございます。


今回はノギのお話がメインです。

 

「テスこれあいつに渡しといてくれ」

「これ2人で食べろ」


 このやりとりが幾度となく繰り返され、自室に辿り着いた頃には、両手で抱えなければ持てないくらい紙袋が膨らんでいた。なんとかして扉を開けると、漂う芳しい香りとは対照的にどんよりとした背中が視界に入る。


「美味そうなものを作ってくれるのは嬉しいが、その拗ねた顔はどうにかならないのか?……ノギ」

「テス……」


 膨れっ面をしたノギが鍋をかき混ぜている。いい具合に温まってはいるので、ノギの手から匙を取り上げて、火を消した。


「早朝に戻ったと聞いたが、しっかり休んだのか?」

「用意終わらせてから少し……」

「とりあえず食事にしてから話を聞いてやる。後土産を大量に渡されたぞ」


 紙袋の中身は、夕飯のおかずだったり、酒以外のつまみだったり、後は携帯食だ。


「なんか多くない?」

「お前が拗ねてるだろうってみんな言ってたぞ」


 それを聞くとノギはそっぽを向く。普段は飄々としているが、この子供ぽい表情を見せるのはテスの前だけだ。まぁテスと同じくらいノギを見ていた近衛達からすれば、表情を見なくても考えてる事はなんとなくわかるというもの特にヤナギが絡むと非常に分かりやすいとも言えるが……


 ***


 ノギを保護した当初、気にかかってはいたのだが、どう接して良いのか分からず、テスは様子を見ていただけだったが、ヤナギが毒で倒れた時に、その考えが変わった。血の気が失せた顔でただ呆然としているノギを抱きかかえヤナギの心臓に手を当てさせた。


「生きてる……」


 保護してから初めて見たノギの涙に、我慢をさせていたのだなと、テスはノギの頭を静かに撫でながら言った。


「辛い事を思い出させてすまないな。無理はしなくていい。心配かけたぶん後でヤナ坊を怒ってやれ」

「テス、奥の部屋を……」

「殿下何かありましたらお呼び下さい」


 ノギを抱え、近衛が医務室で使う休憩用の小部屋に入る。そのまま目の前にある机にノギを座らせ、目線が合うように屈んだ。


「ノギくん。俺の名前は、テス・エールって言うんだ」

「グスっう……うん」


 泣いているので嗚咽まじりなのだが、唐突な自己紹介にノギはテスを見た。テスも真っ直ぐにノギを見つめかえし言った。


「俺と家族にならないか?」

「ふへぇ?」


 驚きで涙が止まったノギに苦笑しつつ、濡れたタオルを用意して、目元を冷やすようにと言った。


「ノギくん甘いものは好きか?」

「……好きです」


 紅茶に蜂蜜を多めに入れて手渡すと、軽く香りを嗅いで恐る恐ると言ったように口にした途端ノギの顔がふわりと綻ぶ


「美味しい」

「それは良かった。俺が家族なってくれと言ったのは、俺も君と同じで1人なんだ」

「お兄さんも1人なの?」

「あぁ……あれは10年くらい前かな。俺の故郷は国境近くでな。隣国の敵軍が突然攻めてきたんだ。その時俺の両親は絶対に出るなと俺を納戸に隠したんだが、その後直ぐに入ってきた敵軍に殺された……俺は恐怖で動けなくて、両親が殺されるのを納戸の隙間から見てるしか無かった」


 話していたテスの手をノギは痛みを耐えるような顔をして握っている。近衛では冷静な方だと自負している。だから普段こんな風に話を切り出す事も無い。だが今この子には取り繕った言葉より、思った事を隠さず言わなければという思いの方が強かった。テスは空いた手でノギの頭を優しく撫でる。


「敵軍の進軍を聞いて、大将が――大将って言うのは、さっき倒れてたヤナ坊の爺さんなんだが、俺に気づいて助けてくれた。まぁ見つけてもらえなかったら俺もあのまま死んでた。俺はその後、大将に頼んで軍に入ったんだ。「復讐心で入りたいと願うなら許可しない」って言われたが、故郷がさ、見るも無惨な姿になってるのを見て、復讐心よりももうこんな事はたくさんだって気持ちが大きかった。自己満足かもしれないが、それでも闇に堕ちずに踏みとどまれたんだ。まぁ後は大将達の存在が大きいかな。あ、これは内緒にしてくれ」

「ふふ、うん」

「ノギくん辛いかもしれないが、君の事も教えてくれないか?」


 まだ誰もノギから詳しくは聞いていない。いや聞けない方が正しいのだろう。だからテスは己の過去を話した。同情でもなく対等になるように。ノギはぽつぽつと自身の村のことやあの日に起こった事を話す。その間2人の手はずっと離さず握ったままだった。


「そうか……ノギくんはこれからどうしたい?」

「僕は……あの子の助けになりたい」

「ヤナ坊の事か?」

「うん。弟に似てるんだ。それに僕を助けてくれた。僕も助けたい。どうやったら強くなれる?」

「そうだなぁ〜俺は大将から色々教わったが、一応ノギくんが何に向いてるか見てからで良いか?それと俺と家族になるって話なんだが……」

「さっきも言ってたけど、どうして僕なの?」

「俺は全部失ってからもう大切なものは作りたく無いって思ってたんだが、君をみて変わった。俺たちは少し似てる。家族ってさ色んな形があるだろ?ノギくんとはさ辛いなら辛い、楽しいなら楽しいと、色々共有したいと思ってさ、お互いの前では嘘も隠し事も要らない本音をぶつけるそんな相手がいたら楽しいかなと……どちらにせよノギくんには、成人するまで保護者となる人が必要となる。見ず知らずの人に今日から君は私の子だと言われても困るだろ?俺ならその心配はない。君の1番の家族は、両親や弟妹、村の人たちだろ?俺にとっても家族といえば先に両親たちが出て来る。俺の事は一番近くにいて、なんかあったら甘えて良い人くらいの認識で構わないのだが、どうだろうか?」


 色んな理由を無理にこじつけてる自覚はあるが、テスは自身が寄り添ってもらった時のように側で、ノギを見守りたかった。黙って聞いていたノギは、小声で笑い出す。


「テスさんって変な人」

「それは流石に傷つくぞ」

「ごめんなさい。……ねぇ、先に居なくなったりしない?」


 テスの方が10歳以上歳が離れてる。その答えが否なのは分かりきっているのだろう。不安げな瞳で見上げるノギを見たテスは彼の頭をあやすよう撫でる。


「年齢的に先に逝くなと言われても答えてやれんかもしれないが、お互いが爺さんになるくらいまで長生きできるよう努力するよ。だからノギくんも自身を粗末に扱わないでくれ」


 今言える最大限の気持ちだった。だがノギの顔が少しムッとしているので、何か気に触ることでも言ったのかと心配したのだが……


「ノギって呼んでほしい。ノギくんはなんかやだ」

「はは、じゃあ俺のこともテスと呼んでくれ!さて行くか!」

「何処に?」


 可愛いお願いに笑いが止まらないが、ノギをヒョイと腕に抱える。首を傾げる少年に、テスは笑顔を受けて言った。


「陛下達に、ノギをノギ・エールにして貰う許可を貰わないとな」


 反対の声はあったにはあった。テスはまだ若く世間一般では、結婚適年齢だ。それが養子を取るとなると難しくなる。けれどもテスは、それなら結婚しませんとまで言い切った。もとより1人でいようとしていた身なのだから――そうして2人は家族となった。


 他の城勤めと違い、王の有事の際、直属の近衛が直ぐに動けるよう東の宮殿直ぐ横に寮があるのだが、ノギを向かい入れた際に何故か東の宮内にある2人部屋を渡された。ノギが、ユリオ付きになった時に、元いた場所に戻ろうとしたのだが、「ノギの実家としてそのままにしてやれ」と今もこの部屋に住んでいる。まぁノギ自身の休暇前日や任務前日、村の命日、あとは何かあれば頻繁にここへ帰って来ているあたりそのままにしておいて正解なのだろう。巣立ちかと思い少し寂しく思っていたテスからすれば、内心嬉しかったのは、ノギには内緒だ。


「なぁテス」

「どうした?」

「早く良い人見つけなよ」


 セリフとは裏腹にノギの表情は寂しそうだ。思っている事と口に出している内容が違うとはこの事を指すのだろう。


「今が気楽だからなぁ……お前こそ見つけたらどうだ?」

「俺の優先がユリオやヤナギ達にテスだよ?他に〜が想像出来ないんだよね〜ってなんか嬉しいことでもあった?」

「いや、別にほら早く食べろ」


 自分の名が入っていた事が、テスは素直に嬉しかった。

 たわいもない会話をした後、明日早朝に出るノギに寝ろと言えば、テスのベットに入ってくる。


「お前いつになれば自分の部屋を使うんだ?」

「本読む時とかに使ってるじゃん?後ここが落ち着くし、まだ話終わってない」


 ここは2つ部屋がある大きめの部屋だ。もちろん一つはノギのなのだが、その部屋にはノギがいた村に残っていた村人達の絵姿やテスの両親やテスが生まれた頃に描かれた絵姿、そして本来こちらにあった大きな本棚が向こうに置いてある。向こうの部屋にある寝具はすでに本を読む時にしか使われなくなっており、何故かノギはいつもここで寝ている。そして今も服の端っこを何かに耐えるように握っているのだ。

 そんな様子のノギに忘れさせたと思っていたのに、まだ拗ねているのかと、テスはノギが幼い頃してやったように頭を撫でた。


「ノギとヤナ坊が側にいないとなるとキョウくんが1人で抱え込むことになるのは分かっているだろ?ユリオ殿下もシンくんも置いて良いのか?それにアイリス姫は妹に似てるって言ってなかったか?」


 諭すように言うと、小さな灯りに照らされたノギの膨れっ面が見える。


「分かってるけど、なんかモヤモヤする」

「ポールもいるし、レイス達だって居るんだ。大体ヤナ坊が簡単にやられるわけがない。ノギが一番信じてやらなくてどうするんだ」

「俺が居るとこで決めて欲しかった。居ないとこで決まるのはやだ」

「他には?」


 ノギが眠るまで、ノギの不満を聞き続ける。テスにとって何もかも無くしたあの頃は、ただ足元が不安定だった。ノギを迎え入れて、共に過ごしていくうちに地に足がやっと着いたのだ。だが、ノギはまだ不安と隣り合わせなのだろう。どれだけ周りに人が増えても全てを失ったあの頃の傷は簡単に消えるものではない。

 吐き出すだけ吐き出して、静かに寝息をたてているノギを見ながらテスはただ願う。


「お前といい、ヤナ坊といい幸せになってほしいものだなぁ……」



 ***


 王城の東側、王の庭園がある一角で、ひっそりとそして迅速に旅立ちの準備を進めているのをユリオは眺めていた。


「アイリス怪我には気をつけてね。私はここで帰りを待ってるから」

「うん。有難うカレン」


 寝ずにずっと作業をしていたのだろう。カレンは、目にクマがあるのも気にせず、アイリスにいざという時の備えという名の治療セットを渡している。その隣でキョウはまだ眠そうなシンに問いかけていた。


「シン大丈夫か?ちゃんと寝たのか?」

「解毒薬が出来てノース殿に預けた後、寝ろって言われて寝たよ。片付けとかはカレン達がやってくれたから」

「もしまだ辛いなら俺が支えてるし馬の上で寝てくれても構わない。いざという時にシンが頼りだしな」

「それ言うならキョウ達が無茶しなきゃ良いんだよ」


 キョウは苦笑するしない。出来るなら穏便に全てが進めば良いが、そう簡単にいくのかどうかは誰にも分からないのだ。それにユリオを含めキョウにとっても初めての外交だ。不安要素しかない。


「シンくん」

「大先生」


 大先生とは、ルドベキアの事である。スノードの師が彼で、シンにとっては2人とも師なのだが、「スノード殿下と同じ呼び名は畏れ多い」と言うので、大先生と呼んでいる。

 彼は木箱に入った物をシンの手に握らせた。


「これを……有事の際は必ず使いなさい。躊躇ってはいけないよ。君の優先順位は何か分かっているね?」


 その言葉で、木箱の中身は毒物の一種という事が分かる。


「戦闘になれば、身の安全を確保する事。医者が倒れたら救える者も救えなくなる」

「よろしい。もう一つは、相手は毒を複数使う。解毒薬が直ぐに調合出来ない場合も想定して、比較的見つけやすい薬草で作る調合方法を書いておいたよ。ただしこれはあくまで応急処置だと言う事を忘れずに」

「はい。有難う御座います」

「あ!これみんな中にあるもの幾つか持ってね」


 思い出したかのように、カレンが籠を持ち上げる。

 後で黙って周りを見ていたユリオが、歩み寄り籠を覗き込んだ。


「なんだ?」

「ヤナギに頼まれたの。いざという時の気付け薬。刺激で目が覚めるわ」

「……毒か?」

「どうしてそうなるのよ」


 刺激物で毒と判断するユリオに、カレンは呆れている。


「まぁ薬や毒で意識が朦朧としたりすると、手短な武器を使って意識戻すよりかはリスク少ないかな」

「それノギが、利き手と逆の手に自分の短剣刺した時の事かな?」

「お前そんな事したのか?」


 あり得る危険性を説いたノギに対して、シンのこの発言。流石のユリオも問わずにはいられなかった。ノギはカラカラと笑いながら


「いやぁ〜幾つか任務を取り始めた当初ですよ。シンとスノード様にしこたま怒られたあと、師匠に反省点を混々と述べられて、テスにも怒られるって思って身構えてたらめっちゃ心配されたんだよね〜挙句、手の傷ふさがまるで、献身的な介護を受けたんだよ。怒られた方が数倍マシだった」


 後半遠い目をしたノギに、「心配かけなければ良いのでは?」とユリオは思った。


「テスって?」


 アイリスが、ノギに問うとノギは向こう側を指し示す。向こうには、シオンと会話をしているアスペルにシュロやケイジュを含めた護衛数名いる。


「そういやお嬢としっかり会ってないかもね。陛下と大将の背後で控えてるのがテスだよ。俺のエールはテスの家名なんだ。俺の家族だよ」


 アイリスは、テスの方を見たかと思うと何故か首が左右何度か往復する。


「ケイジュ様に似てる?2人の背が大きいからそう見えるのかも?」

「当たりー背格好似すぎてて、後テスは戦闘の仕方も大将から教わったらしいから少し細めの第二の大将って言われてるよ。後これはレイスさんから聞いたんだけど、2人とも過去に夜扉前で護衛してたら何も知らない文官とかが、そびえ立つ大男に驚いて腰抜かすって事が何件も起きて、色んなところから抗議が合ったからあの2人夜の任務から外されたんだって」

「そうだったのか?」

「あれユーくん知らなかったの?」

「聞いてないなその話」


 文官も自国の王子に知られたくはないのだろう。話が耳に入らないのは仕方が無いのである。大人の名誉の為ともいえよう


「まぁテスが居たから俺はまともな人として此処に今居られるんだ。帰る場所をくれた人って感じかな」

「テスさん聞いたら喜ぶだろな」


 笑いながら近づいてきたヤナギは、テスの方を見ると手を振る。テスはそれに気がついたのだが、任務中なので、小さく手で何かを伝えている。


「えっと「どうかしたのか?任務気をつけて」か、えっと……」

「テスには絶対言わないでよ!確実に喜ぶから」


 ヤナギが返答しようとしていると、ノギがヤナギの手を掴んで止めた。喜ぶのなら良いのでは?と思うのだが、ノギが照れくさいだけなのだろう。ノギが大きく手を振りなんでも無い事を伝えている。ノギの慌て振りは、まぁ珍しいので見ていて大分面白いものだ。


「そう言えば、ヤナギ部下達は良いのか?」

「指示は出したからもう先に移動して貰う。俺たちは、あちらの2人(アスペル達)が揃ったら出発する。で、ユリオ、アイリス昨日から言っている事を絶対に忘れるなよ」


 ヤナギが昨日から2人と顔を合わす度に、絶対に前に出るな。自身の命が最優先を繰り返し言うのだが、それに関してアイリスはやや不満そうだ。「私だって側近なのに」が主な理由だが、「記憶が無かろうが、一国の姫君って自覚をもて、お前に何かあれば敵の思うツボだ」とヤナギが混々とアイリスに言い聞かせていたので、それの確認と言うことだろう。国境付近までは共に行くがそのあとは別行動となる。


「最速で向かうので、絶対に無茶禁止ですからねユリオ殿下」

「最速で来る事自体ヤナギの方が無茶してないか?」


 ユリオのこの問いに、アイリスも首を縦に振る


「奇襲を掛ける側の方が有利だからな。各方面からの情報を見ても手練れはいないようだし……」

「ヤナギ〜俺のこと置いていかないでね」


 会話が聞こえてのだろう。ポールがヤナギの肩を掴み


「最速って、お前が本気の最速出されるとついていけないんだけど?ヤナギくん?目を逸らさないで欲しいな〜」


 とヤナギを揺さぶりながら抗議している。


「ヤナギの本気の最速って、そもそも視認出来るのか?」


 ユリオのこの問いに答えられるものがいなかった。まず自分達では無理だと自覚はしている。


「ヤナギ総隊長、終わりました」

「分かった。ゼラこちらは任せた」

「隊長の武功を間近で見れないのは残念ですが、王城で皆様の帰還お待ちしております」


 最高位の敬礼をしたゼラに習うかのように後ろで控えている王城待機組が敬礼した。


「本当にみんな気をつけてね?此処で留守番の私達を心配させる事はしないで下さいね?特にユリオ殿下」

「カレン何故俺限定なんだ?」

「王妃様からの伝言です!」


 カレンのその一言に、皆思わず笑いそうになるのを堪えた。いつもの執務室ならまだしも場が悪い。ノギに至っては、後ろを向いて肩を振るわせてる時点でダメだと思うが……ユリオは一つため息をついて


「カレン、母上に伝えてくれ。余計なお世話ですって」

「自分で帰ってから伝えてくださいな」

「はぁ〜俺たちよりもカレンとロランも充分注意してくれ」


 カレンはユリオの言葉に目元を優しく綻ばせた。


「分かっているわ。留守番組は結束が固いのよ!筆頭はヤグルだけど」

「アイツがいれば、その辺心配要らなそうだな。武力は全く無いが……」

「殿下そこは我々が居ますよ!殿下の近衛筆頭部隊として留守の護り任せて下さい」

「頼りにしてる。向こうの話も終わったようだな」


 ユリオがシラン達を確認した後、心配そうにアイリスを見た


「アイリスいけるか?」

「大丈夫。行こう」


 この数ヶ月ずっと思い出せない事にアイリスは不安を感じていたが――


「みんながいる」


 記憶無くした根源である地に向かうアイリスの目にもう不安は無かった。


 

少しでも面白いなと思っていただけましたら応援よろしくお願いいたします。

励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ