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1人だけ誤転移で召喚された勇者  作者: ホットパイ
2/3

勇者達

―――王宮―――


「「ようこそ!勇者様方!!!」」

目の前には長い金髪と真珠の様な綺麗な肌を持つ美少女。

また、その隣には、美少女と同じ髪色を短くした長身のイケメンの男性がいた。


これがあの綺麗な色で光っていた玉を通して女神がしゃべっていた勇者召喚またの名を異世界転移か!


ウヒォー!!!


俺は目の前の光景を見てテンションMAXになっていた。


しかし、目の前にいる美少女とイケメンは俺の方だけでなく俺の横の方にも視線配っているみたいで、俺も2人が見ていた方向を見てみると、自分の隣には俺とは別に3人の高校生がいた。


何故、高校生と分かったと言うと俺を含めた全員が制服を着ていたからである。

学ランの俺とブレザー着た優男風のイケメン野郎で、女子の2人はどちらともブレザーで1人は赤のリボンでもう1人は青のネクタイのタイプ違う制服をされぞれ着ていた。







「はじめして、勇者様方、私はこの国の第一王子のサマエル・ウォン・カーデルです。どうぞ今度ともよろしくお願いします。」


「そして、私が第一王女のアリス・ウォン・カーデルです。よろしくお願いします。」

2人の美男美女が俺達に頭を下げてくる。


「勇者様、早速で悪いのですが国王に会ってもらうために王座に向かってもらっても構わないでしょうか?」


正直、知らない世界に召喚された現状、情報収取の一環として彼らに言っていることに従う方が良いだろう。

他の三人も俺と考えが同じなのか、全員が反対の声が上がらず、頷くことで反応した。



こうして、連れられてやってきた場所は先ほどよりもはるかにきらびやかな部屋であった。



「ようこそ勇者様!!!我はこのマーリン王国13代国王のダリス・ウォン・カーデルでです。この度は我らの召喚に答えてくださりありがとうございます。」

そう言って40代ぐらいの国王が深々と頭を下げた。


「・・・・・・・」


俺は国王の姿を見てどう反応するのか悩んだ。

漫画やラノベの定番では大抵召喚した国はろくでもない。


しかし、この国はトップが深々と頭を下げた。

正直、好感は持てる。国のトップが頭を下げると言うのはそんなに簡単のことではないと思う。


しかし、だからと言って簡単に信じていいわけではない。


まだ、俺達はこの国のことや、俺達を召喚した理由などはまだ一切話されていない。

この状況ではまだこの国を信頼していいのか分からない上に、仮にもこっちは半ば誘拐みたいな感じ召喚されたのだ。

何も知らない状態で頼まれ「はい、そうですか。」みたいに簡単な話ではない。

だから、今はより多くの情報を得なくてはならない。

それぐらいの権利はあると思う。



だからと言って、王が頭を下げた状況でこのまま無言で居続けることは出来ないな・・・と思っていると、俺の隣のいたさわやかイケメンが口を開いた。


「王様、どうぞ顔を上げてください。」

「うむ。」

イケメン野郎の言葉通りに国王は顔を上げる。


「まず、国王に聞きたい。私達は何故ここに呼ばれたのか?そして、元いた世界に帰ることは出来るのでしょうか?」


「うむ。当たり前の質問じゃな。」

イケメン野郎の言うことに国王はひげを触りながら頷く。


「まず、我々が勇者様方をお呼びした理由は魔王を倒してもらうためです。」


魔王だと!

漫画やアニメやラノベにとって、魔王とは異世界物にとって欠かせない重要なポジションではないか。

ときにラスボスとして、ときにメインヒロインとして。

こういったふうに異世界の勇者召喚と魔王は切っても切れない関係だろう。

やっぱりこの異世界には魔王がいたんだな~~~


俺はただでさえ異世界転移で胸を躍らせていたが、これからの生活により高く胸を躍らせることになった。



しかし、俺とは違い隣のイケメンは「魔王ですか・・・・」と呟き、何か考え込んでいるような顔になった。


「そうじゃ。魔王は自分たちの種族の魔族以外の者達をこの世界から排除しようと計画していのじゃ。だからこそ、わしらはそれに対抗しようと勇者召喚を行い。勇者様方にも生活があっただろうが我々の勝手な事情で無理やり呼んでしまったことは本当に申し訳ない・・・・・」


そう言って、また国王は大きく頭を下げた。


「わかりま「それより元の世界に帰る方法を教えてください!!!」」

イケメン勇者が答える最中で今まで無言であった黒髪の少女が口を開いた。


「すまない。今の我々の力では勇者様方を元いた世界に返すことは出来ない。」


「どうしてですか!!」


「すまない、勇者様、帰還の方法は知らないのじゃ。我々の書物には召喚方法は書いてあっても帰還方法は書いてなかったのじゃ。」

国王は苦虫をかみしめたような顔で答えた。

「そんな勝手な・・・・・」


黒髪の少女は口に手を当てながらショックでその場に崩れた。


「ちょっと、(みどり)、大丈夫!!」

その横の茶髪の少女が慌てて崩れる黒髪少女を支えた。


あの2人知り合いだったんだな・・・・

てっきり制服が違うから他人だと思っていたが、もしかしたら中学生の頃の友達かなんかだろうか。



そんな彼女達を見ていたイケメン勇者は顔を国王の方に向き直し

「我々は戦いとは無縁の世界でこれまで生活を送ってきました。それなのに急に魔王を倒してくれと言われても到底無理な話です。」


「勇者様がおっしゃることも確かです。しかし、代々勇者には他の者とは違ってステータスが強いと聞いています。」


「ステータス?」


「はい、そうです。一般的にステータスを見ることは「鑑定」持ちの者しかできません。しかし、この石を使ってください。」

国王はそう言って王座の端に立っているメイドたちに視線を配るとそれに反応してメイドたちが勇者たちが野球ボールくらいの大きさの緑色の石が配られた。


「どうぞ、その石を持って「鑑定」と言ってください。」

国王の言った通りに「鑑定」と言う。



名前 斉藤(さいとう) 修二(しゅうじ)

種族 勇者

クラス ウォーリア

職業 ―――

レベル 1


クラススキル

剛力 LV1

危険察知 LV1

加速 LV1


魔法スキル

火魔法 LV1

黒魔法 LV1


種族スキル

ポテンシャルアップ LV1

不老

試練


ユニークスキル

野生の嗅覚



「この石の「鑑定」は自分のステータスしか見ることが出来ません。」

この部屋から入ってからしゃべらなくなった王子が説明をする。


「まず、この世界にはLVと言うものがあります。LVには本人のLVとスキルLVの2つがあります。

前者の方のLVは簡単には上がらずに冒険をしないといけないです。」


「冒険?」

疑問に思ったことがそのまま口に出た。


「はい、そうです。この場合で言う「冒険」とは格上の者戦い生き残ることや勝つことそう言った自分の命を懸けた戦いをすることを指します。

「冒険」することで自分の生命力が上がり、結果として本人のLVが上がると言う魂の昇華が起きます。

だからこそ、本人のLVを上げることは非常に難しいことになります。

また、本人のLVは自然に上がるのではなく教会で祈らなくてはどれだけ格上の者を倒しても本人のLVは上がることはありません。

ここまでのところで質問はありませんか?」


俺は手を上げる。

「参考まで聞くが、この世界者たちは大体どれくらいのLVが普通なんだ?」


「はい、そうですね。一般時の者達は大概LV1です。そして、冒険者の者や騎士団の者になると2~5と言ったところです。そして、その中でも卓越した者がLV6の頂にたどり着きます。今までのこの国で最高のLVの者はLV8と言う者がいたと言う文献が残っています。ちなみに、私はLV2です。」


そうか、この世界は漫画やラノベのように簡単にLVがバンバン上がるものではないのか・・・・


「他に質問はありませんか?」

俺は続けて手を上げる。


「えっと、じゃあ、この種族スキルの「試練」ってあれか本人のレベルが上がりにくいってことでいいのか?」


「はい。そうです。勇者は他の種族よりもポテンシャルが高いです。その代わりの枷があると考えてください。」


マジか・・・勇者っていえば逆にレベルに補正があって簡単に上がるもんじゃないんだな。


「他には、ありませんか?」

俺の隣のイケメンの野郎が手を挙げた。


「この「不老」って言うスキルは本当なのですか?」


「はい、そうです。しかし、不老と言っても年を取らないだけで不死ではありません。どうぞ、そこのところは気を付けてくださいませ。」


「そうか・・・分かりました。」


「他には、ありませんか?」

もう質問が無いのか誰も手を上げない。


「では、引き続き説明に移ります。次にスキルのLVについて話をさしてもらいます。

 本人のレベルとは違ってスキルLVは戦いや日常生活でも勝手にLVが上がります。

 いわゆるスキルの熟練度と言ったものです。

 それに本人のレベルよりも比較的に簡単にLVが上がりますがLV10を超えたあたりから上がりにくくなりLV30の頃には本人のLVを上げるのと遜色ないほど難しくなります。

ここまで質問はありますか?」


「おのう~ユニークスキルの欄やところどころにLVが書いていない場所があるのですがこれはおかしなことなんですか?」

茶髪の女子高校生が質問する。


「おお~さすが勇者様ですね。LV1の段階でユニークスキルを持ってらっしゃるとは。

まず、ユニークスキルにはLVがございません。

そして、ユニークスキルは他のスキルとは比べて非常に強力です。

ユニークスキルは本人のLVが上がる際にごくまれに手に入るときがありますがほとんどの場合は一人1つ持っていればいい方です。

このユニークスキルがあるかないかでは雲伝の差になり、戦いの際はユニークスキルが勝負の鍵になります。

ここまで分かりましたか?」


「はい大丈夫です。ありがとうございます。」

茶髪の女子高校生は丁寧に頭を下げる。


「ゴホン」

国王が一度で咳をして話を戻す。


「勇者様がおしゃっていた戦うとは無縁の生活のことも考慮して無理やりこちらの要望の魔王を倒して欲しいとはもう言いわせん。

ですがこの世界にはたくさんの危険があるその中で自分を守るのはやはり自分です。

自衛をことを含めてこちらの王国騎士団長のマルフェスと王国魔術師のルーリを教官とした訓練には参加してもらってはいかかぜすかな?」


国王はそう言って、左右の列に並んでいた短い茶髪で金色と白色が混ざった明らかに高そうな鎧を着た体形の良い男性と白色の大きな帽子をかぶっている長く綺麗な水色の髪をしてこちらも金と白を中心をした高そうなローブを着た女性の2人を指した。


「分かりました。」

イケメン野郎が答えると国王は満足そうに頷き、「では、ではマルフェスとルーリよ、頼んだぞ。」


「「はっ!」」



「勇者様方も疲れただろう。今日はもう部屋で休んでくれ。」

国王がそう言った途端、部屋の端にいたメイドたちが俺達を部屋を案内しようと前に出てくる。




――――――――――――――――



部屋に案内してもらうと、部屋は一人一部屋ずつ用意されていた。

部屋の中に入ると、ます、部屋の大きさに驚いた。40畳ほどの部屋に天井上付き大きなベッドや大きなタンスやクローゼットが2つずつあり、正直1人にはもったいない過ぎる部屋だ。


それから俺は部屋の中を確認しながら1時間経過したところでドアからノックの音の聞こえた。

「はい、どうぞ。」


「失礼します。勇者様、お食事の用意が出来ましたのでお呼びさせていただきました。」

綺麗なメイドさんのゆっくりドアを開け、報告してくる。


「分かりました。すぐに行きます。」


俺は綺麗なメイドさんに連れられて5分。


「ここが、今回のお食事をする場所でございます。」

そう言ってメイドさんは扉を開く。


そこには大きな長方形の形をしたテーブルがあった。

テーブルには様々な料理がすでに並んでおり、どれも豪華であった。


席は4つあり、俺以外はすでに全員そろっていたようで残りは自分の席であった。


「勇者様、どうぞお入りください。」

俺が部屋の前で止まっていたらしくメイドさんに言われ我に返る。


「うん、ごめん・・・」

俺は空いている窓側の奥の席に座った。


俺が座ると隣にいたイケメン野郎が立ち上がり口を開いた。

「自己紹介をしよう!」


(えっ・・・)

確かに自己紹介は必要であるが急に知らない奴に「自己紹介をしよう」なんて言われるとどうしても驚いてしまう。


「俺たちは不幸にもこの世界に召喚させられた。帰る手段もわからなくて、俺たちがいた世界とは何もかも違う。そんな右も左もわからないこの世界で俺たちは生きていかないといけない。不安ばかりが積もると思う。だからこそ、今は俺たちが協力し合わなくてはならないと思うんだ!」


俺も協力し合うことは大事なことであると思う。

しかし、「不幸にもこの世界に召喚させられた。」か。

俺はよく漫画やアニメやラノベを見ていたのでこの異世界召喚に対して不幸なんて思っていない。むしろ幸運だと思っている。

だから、こいつが言う。不幸って言葉がしっくりこない。

まぁ、人の価値観なんてものはそれぞれだ。別に気にする必要なんてない。

修二はそう思い会話に集中する。


「ちなみに俺は長蔵高校2年の足立(あだち) 正輝(まさき)だ。部活はサッカー部だった。

この世界を救ってから元の世界に戻りたいと思っている。

ステータスのクラスは「セイバー」だ。これからよろしく!」


やっぱりこいつがセイバーか・・・だと思ったよ、こいつなんか主人公ぽい雰囲気をかもし出しているもんな・・・・


実際、この正輝と言う奴の自己紹介で前の2人や部屋の隅にいるメイドさんまでもが顔を赤くしている。

やっぱり、イケメンってずるいよな・・・


「じゃあ、次は佐藤(さとう) 修二(しゅうじ)君お願いできるかな?」

そう言って、正輝は俺の右肩に手を置いた。


「なんでお前、俺の名前を知っているんだよ?」

俺は正輝を睨む。


「悪い、悪い。俺は「鑑定」持ちなんだよ。」


こいつ「鑑定」持ちなのかよ。

「鑑定」と言ったら異世界ものの主人公の必須スキルと言ってもいいレベルのもんだぞ。

くそ!俺が欲しかった!!!!


後から分かったことだが「鑑定」のスキルはユニークスキルではなくて比較的に簡単に習得が出来るらしくて、俺を含めた全員の勇者が覚えることが出来た。


しかし、この時の俺は知らなかったのですごく嫉妬した。


まぁ、その話は置いて置き、次は俺が自己紹介する番になった。


「えっと、斉藤 修二です。高校二年生です。クラスは「ウォーリア」です。こういった状況に陥ってしまいましたがお互い協力し合いましょう。」



実はさっきの正輝の自己紹介の最中で「長蔵高校2年」の部分を聞いたときに初めて聞く高校だったので彼女たち2人に聞いても知らなかったので正輝にどこの高校だと聞いてみればとは自分が住んでいた場所と全然違う県の高校だった。

また、彼女2人にも住んでいた場所を聞いてみたがそれぞれ違う県であったため、これからの自己紹介では高校名は省くことになった。




「次は私が言わせてもらうね。私も高校2年生の工藤(くどう) (あい)()です。

クラスは「キャスター」です。隣の佐々木 翠は同中であったこともあり親友です。これからよろしくね!」


「はい。愛梨ちゃんと同じで高校2年の佐々(ささき) (みどり)です。クラスは「ヒーラー」です。

愛梨ちゃんとは親の都合で引っ越した結果違う高校に入ることになりました。これからお願いします。」

翠ちゃんは頭を深く下げてお辞儀をした。



それから、雑談をしながら食事をした俺達。

その結果として、勇者たちの互いの緊張もなくなり全員自然な方とで話すことが出来るようになった。


全員の食事が終わると正輝の口から提案が出る。


「俺達の仲も深まったし、本題の入ろう。」


俺達はこの情事会を通して苗字呼びではなくなり名前を呼び合うことになっていた。


「本題って?」

正輝の提案にいまいち理解が追いついてない愛梨が首を傾げる。


「愛梨ちゃん、あれだよ。魔王を倒しに行くか。行かないかの話だよ。」


「ああ、あれね~」

やっと、理解した愛梨は翠の方を向きながら深く頷いている。


「俺はここでみんなの意見をまとめた方がいいと思うんだ。」


「確かにそうだな。」

正輝の言葉に同意する修二。


「俺の意見としては、まずこの世界のことが何も知らない状況で決断するのは早いと思うんだ。

だから、一度この国の状況を生で見ないとダメだと思う。

幸いにも、俺達に訓練をしてくれるっていているんだからその間に見極めようと思う。

他にみんなはどうかな?」


正輝は他の3人の見渡す。


「俺もその意見に賛成だな。何かを決めるには情報が少な過ぎる。」


「私も賛成。翠は?」


「私も皆さんに賛成です。」


「よし、では今から1か月後にまたこうして4人で集まって決めようか!

それまで俺達は協力してこの世界を生きていこう!」


正輝のこの言葉を最後に勇者達の食事会は終わった。


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