作戦会議2
「迎撃ですかー」
「そ、どこから狙っているのか分からないし、それを調べる人手もない。となれば、ゴール地点で待ち構えるのが分かりやすいでしょう? 異世界遊びの缶蹴りの要領で」
とはいえ、ミサイルの速度に私の反射神経が対応できるか分からない。
缶蹴りはほぼほぼ等速で行うからこそ、遊びとしての成り立つのだ。
子ども達に混じって、車両や航空機が来たらなす術がない。
しかし、調査や捜査をしている暇もないのも事実だ。
「あの、私の反射神経で対応出来るでしょうか?」
「そうね、出来る限りの対策はしましょう。まずはどうやったら気付けるか、からね」
レポートパッドとペンを魔力行使で事もなげに引き寄せるマリさん。
こういう何でもありの一面がマリさんたる所以。
「さっき言っていた転移だったら、空間振動かな?」
アレックスも会話に入ってくる。
それを受けて、ペンを走らせメモを取っていくマリさん。
「そうね、そこは検知できそうね」
「物を小さくしてしたのを戻すとするなら、スペースは重要ですね。後は発射に必要な装置や機材も、人員も必要だと思います」
「レミリア、インフラの面はどうだい? 電力だって必要だろ? ただっぴろいスペースだけでも成り立たないよね?」
「電力自体を持ち運べるなら、ちょっと分からないですけどね。そもそも、ミサイルを撃つにしても、どれだけの規模の施設、インフラが必要なのか分からないっていうのもありますが」
「電力の話だけで言えば、そこまで必要ないはずよ。制御する端末も、近距離であればそこまで難しい計算も要らないしね」
「という事は、やっぱり問題はスペースだけ、か」
「あの、発射直後に巨大化させる、っていうのはどうでしょうか?」
「もしそうなら、対応が難しくなるわね。計算がどれだけズレるのか、詳しい事は分からないけど、さっきも言った通り、そこまでの精度は必要ないしね」
「それも含めての計算までされたら、本当に一瞬だね。最悪な事に」
とアレックスは言うが、最悪そうに聞こえないのは何故だろうか。
マリさんも真面目な面持ちではあるものの、深刻そうではないし、ひょっとしたら私がおかしいのとさえ思ってきてしまう。
「巨大化って、何か前兆はあったかしら?」
「種類によりますが、重力場の変動、大気中の元素の増減、ここいら辺でしょうかね」
「よし、何とか探知は出来そうね。他はどうかしら?」
「凄い力技ですけど、ロングレンジからっていうのはどうでしょうか?」
「結界も対空兵器も私達もかいくぐって、ということ?」
私達というよりも、マリさんをかいくぐって、が正しいんだけども。
「はい。本来の用途ですしね」
「あっちの国がどのくらいの物を供出したかは分からないけど、そこまで高性能の物かな? 公安の調べだと、旧式の可能性が高い」
「けれどアレックス、いくら兵器が旧式といえど、魔力行使でどうとでもなるわ?」
「となると、今度は遠距離で有用な能力を考えないとだね」
「いえ、その必要はないでしょう」
「え?」
「遠距離なら着弾まで時間がかかるでしょ?」
「まぁ、至近距離よりは流石に……」
「それなら私達で止められるでしょ?」
いや、いくらなんでも音よりもはるかに速いスピードで飛んで来るんですよ?
しかも、加速してくるんですよね、ミサイルって。
それをどうやって撃ち落とせと。
発射、点火の予兆を察して、事前に構えて対策するって話ですよ。
「確かに、遠距離から来るものを落とせないで、至近距離からの不意打ちみたいなミサイルに対応出来る訳はない、か」
「そういうこと」
「じゃあ、お嬢様、最大の問題点はどうしようか?」
「他に何か気になる事が?」
「ええ、お嬢様は対応出来るかもしれないけど、火力が私には足りないよ」
「私はそもそも反射神経が足りません」
「そこは大丈夫! うちの装備品を使ってもらうから!」




