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こちら異世界移民局!~転生・転移チートを許さない世界の物語〜  作者: ひろほ
第二章 意外とガテン系。
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現場仕事4

転移にしても転生にしても、こちらの世界に渡ってくる際には前兆がある。

まずは空間に歪みが生じる。

これは、この世界においてテレポートを行う事でも同じことだけど。

その空間からの歪みから、漏れ出る魔力や量子などの因子を解析することで判別をしている。らしい。


あとは漏れ出る因子の量や質で、規模を予測する。

先輩が呼ばれるようなものは、それは大規模なもの。

今回は私を帯同させるくらいだから、簡単なものだと思われる。

最後に、空間の歪みの激しさで、大まかな時間も予想できる。


さて、さっそうと現場に降り立った係長は、と……。

空中を見つめて、突っ立っている。


「係長、どうしました?」

「あそこ、魔力の奔流が分かるか?」


係長の視線の先を見ると、陽炎のように空気が揺らめいているように思える。


「陽炎、じゃないですよね?」

「端末もあれの方から魔力を検知している」

「空中出現の恐れがありそうですね。あの奔流の真下をチェックしてきます。場合によってはクッションマットも持っていきます」

「そうだな、頼む。俺はセッティングを行っておく」


基本的に準備するものは5種類。

翻訳機、撮影・録音の機材、検査機、有事の際の装備、そして、エネルギーフィールド発生器だ。

まず、翻訳機だが、あまり使えない場合があったりする。

対応していない言語が多すぎることが原因だけど。

撮影は記録のため。

検査機は毒ガスや瘴気、エナジードレインなどなどを恐れての事で、使わないにこしたことはない。

装備は攻撃のみならず、防御や治療、回復手段もその装備に含まれる。

そして何かしらのアクシデントに備えて、出現ポイントを中心に、エネルギーフィールド12本の柱を立てる。

これはバリケードの役割。逃げ出してしまうとヤバイ場合もあるし。


「じゃあ、反対側は私がやります!」

「時間に余裕もあるし、大丈夫そうだな」


手にクッション、6本の発生器を持ち、ダダダっと走っていく。


「座標を表示。係長の進行方向もチェックをしていって」

『了解。マップにポイントの座標を表示します。係長の位置もマップに表示します』


えーと、まずは落下地点にクッションを準備して、その間に周囲に柱を立てて、と。

いや、その前に本当に空中出現かっていうのも確認しなきゃ。

空中の歪みから地面へ向かって、何かしらの因子の流れが確認できれば、もしかしたらフワッと降り立つのかもしれないし。

あとは、地面にも魔法陣のような受け口が出来上がるかもしれない。

とにかく、確認を怠ってはならない。


『ポイントに到着』

「よし、下に魔法の兆候はないね。あとは因子の流れを……。うーん、私には感じられないなぁ、アンタッチャブルは何か検知した?」

『特にありません』

「なら、そのまま展開させてっと」


私の顔ほどの大きさの円盤を置くと、すぐさまプシューっと膨らんでいく。

超高層階から飛び降りても無傷で済むらしい。


「あとは柱を立てるだけだね。係長はどんな感じで立てたんだろ? 柱の位置をお願い」

『柱の位置と、サイジ係長のルートを同時に表示します』

「げ、もう既に6本目ですか。速いなぁ……。とにかく同じ距離感になるように立てないとね、ナビゲート開始!」

『ナビを開始します』


ほぼ全力疾走で第一目標まで向かう。

魔物の血を引く私が、スーツで身体機能を上昇させ、さらには魔法でスピードも上げている。

その速度は下手な車両よりもずっと速い。

とはいえ、係長の範囲はそれでも広大に感じてしまう。

現場仕事って、こーゆー作業が嫌なんだよなぁ……。

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