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こちら異世界移民局!~転生・転移チートを許さない世界の物語〜  作者: ひろほ
第七章 セレブの意味とは何でしょう?
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プレゼント

「こういうものって、小さい時に与えられなかったから、今さら興味があるのよね」

「キャラクターものって事ですか?」

「そうそう」


やはり、厳しい家柄だからだろうか。

愛おしそうな表情でぬいぐるみをいじるマリさんが、少女のように見えた。


「ちょっと意外です。マリさんなら贈り物とかで沢山持っていそうでした」

「あー、あるにはあったけど……力加減が下手でね、私……直ぐ壊すから、両親は自然と買い与えなくなってしまったの」


家柄ではなかったのか。


「なるほど、そういう事があったんですね……あの、もしよろしければ、プレゼントさせていただけませんか?」

「え?」

「豪華なホテルにも泊めていただいていますし、それに……祖父の心を救っていただきましたし」

「良いのよ、私がしたくてしたのだから」

「なら私もです。私がマリさんに何か贈り物をしたいんです」

「あら……何だか照れるわ。けど、お願いしようかしら?」

「じゃあ、早速ですが、選んでください!」

「レミちゃんも一緒に選びましょう? ね?」


ワゴンに放り込まれたぬいぐるみを、二人で選ぶ。

どれも同じものなのだが、微妙に表情が違う。下手したら、これ返品案件なんじゃ? と思うものまであった。

それをあーでもない、こーでもないと言いながら比べていく。

結局、私が縫製がしっかりしてあって、生地のスレが少ない点を重視したものに落ち着いた。

まるで赤子を持つように、レジまでしっかりと持ちながら運ぶマリさんが、今度は慈愛に満ちた母親に見える。


「あ、コレって、ホテルまで運んでいただく事って出来ますか?」


レジに居た店員に聞く。


「あー郵送ですかぁ?」

「そうですね、明日に届けてもらえれば助かります」

「ちょっと待ってくださいねぇ?」


三眼双角を備えた店員が、奥に入っていくと、店長と思われる人が面倒くさそうに出てきた。


「えーと、ホテルまで郵送って事ですと、こちらの送り状を…………あれ? あの、ひょっとして、ミストラル様でいらっしゃいますか?」

「あー、はい、そんなもんです」


ウゲ、っと苦虫をかみつぶしたような笑みで答えるマリさん。


「えええええーと、どちらまでお届けすればよろしいでしょうか?」

「送り状なら書きますよ、私が」

「いえいえ、御連れ様の手も煩わさせるわけにはいきません、私が迅速丁寧を以って、運ばさせていただきます!」

「じゃあ、このホテルのフロントに預けてもらえますか? それで良いですか? マリさん」

「それが一番かも」


と、ホテルのルームキーカードを提示する。


「は、はい! かしこまりましたぁ!」


深々と頭を下げる店長。

周りの目もこちらに向かっているので、ササッと会計を済まして店を後にした。


「すみません、魔族って変に階級での上下関係が厳しくって……」

「ちょっと難儀よねぇ……他人事ながら」

「まぁ、それが幸せっていうか、それがルーツの種族も居たりしますので、一概に不幸って訳ではないですけど、また目立っちゃいましたね」

「私ね、思ったんだけど……」

「はい、何でしょうか?」

「ひょっとして、どうしたって目立っちゃうんじゃないのかな? って」


今気付いたんですか? お嬢様?

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