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こちら異世界移民局!~転生・転移チートを許さない世界の物語〜  作者: ひろほ
第七章 セレブの意味とは何でしょう?
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異世界チートは通じない

アレックスをどっかに行かせ、その十五分後ほどにマリさんはヘルポートに到着した。


「ちょっと困った事になったの」


合流して直ぐに、マリさんはそう言った。

困るという事はとんでもない事なのだろう。


「ちなみに、どんな事でしょうか?」

「転移者よ、それも上級者向けの」

「げ、私達も出動ですか?」

「そうはならないと良いのだけれど……魔界にも移民局みたいなのあるんでしょ?」

「あ、はい。皇国のものよりも、大分喧嘩っぱやいですが」

「この場合はその方が良いかもしれないわね。下手に皇国の反対勢力に取り込まれても困るし」

「そんなにですか? ちなみに、どんな転移者でしょう?」

「過去改変、事実改変の能力持ちよ」

「あらまぁ……」

「ね? ちょっと厄介でしょ?」

「はい……私達が出張らないと良いですけど、本当に」


私は知っている。

嫌だな、やりたくないな、と思っている事ほど、現実になる事を。


「やぁ、君がミストラル家のご令嬢とやらかい?」

「!?」


いつの間にか。

本当にいつの間にか、私達の目の前に男が立っていた。


「あら、私も有名になったものね、国外で話しかけられるなんて」

「この世界で一番の大国で、最も強いと聞いて、興味が沸いたものでね」


長い、、漆黒の髪をかき上げながら彼は言った。

黒いズボンに黒いシャツ、おまけに靴まで黒い。

黒は楽で良いからな、汚れが目立たないし。趣味が合うかもしれない。


「で、何の用? 私は今日オフだから、皇国の移民申請は、皇国に行ってやってくださいな」

「つれないなぁ……折角、色々と手を施したというのにね」

「色々、ね。それはご苦労様」

「だから、決めたんだよ、君に成り代わるって。その前に挨拶をしておこうと思ってね」

「ふーん、私に成り代わる、ね……どんな能力を持っているか知らないけど、何でわざわざそんな事するのか、教えてくれないかしら?」

「ただ単に、君の立場が一番楽に過ごせそうだったっていうだけだよ」

「ま、出来るものならやってみなさい」

「信じていないようだね。僕の能力は過去改変―――君が僕であったと代えさせても……」

「あー、無理ですよ、多分」


とりあえず、聞き取りは終わったとみて、会話に入る。


「無理、だと?」

「ま、やってみたら良いと思うわ? この子の言う通り、無理だと思うから」

「ここに来るまで、色々としてきたって言ってましたけど、私達のような人と鉢合わせていなかったんじゃないですか?」

「…………」


おや、黙ってしまった。


「どう? 出来た?」

「な、何故……?」

「ね? なんでかしらね?」

「えーと、私達、魔力行使に優れる人間……知っているかもしれませんが、俗に言う守護霊と特性魔法を持つ人間には通じないんですよ。何故? と聞かれたのでお答えしますと、事実改変には運命だとかアカシックレコードだとかって言われる因果を操る必要があります。あなたの思い描く事実の運命や事実をそこから引っ張り出す訳ですね。ですが、私達は因果で既に決定づけられた存在なんですよ。と、ここまでいいですか?」

「流石レミちゃん、素晴らしい解説ね」

「ありがとうございます。物や魔力行使が不得手な人間には通じると思いますので、何かを修復したり、リメイクする仕事を斡旋したいと思いますがいかがでしょう?」

「空気よ、無くなれ!」


男が呟く。

なるほど、私達に通じないとみて、私達の周りをどうこうするつもり、か。


「だから、無理と言っているでしょう?」

「え?」

「レミちゃん、解説!」

「はい、私達の因果は確定していて揺るがない。であれば、私達が存在するに必要なものは改変ができません。例えば、私達の体組成に必要なたんぱく質ですが、それを無くす事は出来ません。もしかしたら、一部の人には通じるかもしれませんけどね」

「嘘だろ……」

「これが現実なんですよー、相性が悪かったですね。で、素直に移民として暮らしませんか?」

「レミちゃん、本当に事務的よね」

「感情的になっても仕方ないですし」

「う、うわあああああ!」


叫びながら、殴り掛かってくる男。


「―――アレックス」


マリさんが呟くと、アレックスが男の顎を蹴り上げていた。


「止められたから、必要無いのかと思ったけど、仕事がこなせて何よりだったね」

「とりあえず、魔界の移民局に預けておいて?」

「かしこまりました」


と、気軽に話していたが、その間にもアレックスの連撃が顎を撃ち続けていた。

こりゃ『日』単位で起きてこられないだろうな。

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