現場仕事3
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「ここいらへんだな。新米、現場で留意すべき点は?」
「はい。まずは周辺の状況です。市街地なら住民の誘導が住んでいるか、また、山間部であれば見落としやすい地形、とくに洞窟などの目の届かない箇所が無いかを確認すべきです。あと、新米じゃありません」
これは少し自信がある。
「50点」
50点!?
80点くらいの手応えはあったのに!
あとはなんだ!? えーとえーと……。
「くっ……あとは高低差です。意外と人の意識は上下に気を配れません」
「60点」
「刻みますね……。うー…あとは……」
「5…4…」
「あー待って下さい! えーと……あ、危険区域かどうか!」
「やっと出てきたか。75点」
「え? まだあります?! えーとえーと」
「3…2…」
「カウント継続なんですか!? あーあー……」
普通こーゆーのはリセットされるだろー!
酸欠の魚みたいにパクパク口を動かすが、一向に音が出てこない。
「1…0! 及第点だな。他にあげるとすれば、立ち入り禁止区域か否か、危険区域が出たなら、少し考えれば出ただろう」
「あっ!」
確かに……場所と危険を意識するなら、そういったところもある意味危険なのだから。
「聖域や神域、私有地、保護区……立ち入り禁止の場所は意外と多い。あとは高低差を気にするのなら、同時に空中出現にも気を配ってしかるべきだな」
「空中出現……」
「立ち入り禁止ならまずは許可を申請。空中出現を考えるなら、保護マットなどの用品を展開、そして、用地も確保しなくてはならないな。そうなると、車両や航空機の拠点も視野に入れなくてはならない。まぁ、ここら辺は芋づる式に出てくるだろうな」
「なるほど」
「まだまだ新米だな。三年になるか」
「返す言葉もございません。だいたいそのくらいになりますね」
「時期は未定だが、新人が入ってくる。その時までに復習しておいてくれ。何も背伸びをする必要は無いが」
「新人!? そしたら私も新米扱いは無くなりますかね?」
新人が入ってきたら、私も先輩みたいに憧れの対象になれるだろうか?
とりあえず、まずは新米扱いをやめてもらうことが目下の目標だけど。
「それは無いだろうな」
「えっ?」
「あとは、最後に一つ。迅速な行動、だ」
「えー……」
自分から話しかけて、口頭試問をしてそれか!?
本人はバックを片手にさっさと降りてしまうし!
ああもう! とにかく後を追わないと!