朝ごはん2。
お久しぶりです。生きてました(`・ω・´)
どんなに一流のパン職人でも、焼きたてのパンには勝てない。
という言葉を聞いたことがある。
ならば、一流のパン職人の焼きたてパンはどうか?
それはもう筆舌に尽くしがたい味なわけで。
巧くて旨くて美味くて上手くて甘くて。
パンでパンを食べられるくらいにはうまい。
語彙力の低下を自覚できるほど味覚に意識を取られている。
喉をうるおそうとスープを口元に運べば、その芳醇な香りだけで唾液がジュワッと分泌され、乾きが癒えてしまった。
さて、お味はといえば、塩味は控えめであっさりとしている。
が、旨味の濃さというのだろうか? 野菜の甘みであったり、ハーブ独特の風味、それに肉っぽい味もする。
それら全てが高いレベルで噛み合い、どれもが主張しあわない。
故にあっさりと言うよりも、優しい味という表現がピッタリな気がする。
朝には最適なスープを思わず一息で飲み切ってしまったので、次の料理へ。
やはり、朝食の王様といえば、オムレツであろう。
スプーンですくうと、きめ細かい皮から半熟の卵がこぼれ落ちる。
よくある外側だけに火を入れた、中がドロドロのオムレツではない。まさに半熟なのだ。ステーキでいえばミディアムレアだ。
だなんて、自分でもよく分からない感想を持ちながら、口の中へ。
卵の濃さに、身の毛がよだつほどの衝撃を与えられ、ツルンとしつつも歯ごたえを感じさせる外側と、ふわふわとした中身の食感のギャップ。
これだ! この食感だ! 私が求めていたオムレツの食感はこれだったんだ!
財宝を探し当てた冒険家はきっとこんな感想を持つのだろう。
「幸せ……」
つい感嘆の声が漏れる。
「喜んで頂けて何よりだわ。確かに、いつにも増して美味しいわ。料理人さんも張り切ったようね」
「ひゃりはんひぇもひょーひょひょいみゃふ?」
「ごめんなさい、私、魔族の言語に疎くて……」
おっといけない、つい口にものを入れたまま話してしまったり
「ングっ……マリさんでもそう思います?」
「ええ、これと同じ名前のものを食べるのは容易でしょうけど、同じものは中々無いでしょうね」
「そうなんですね! 堪能致します!!」
マリさんでもそう思うレベルのものを私は頂けたと知って、幸せ度合いが加速する。
アレックスもきっと後悔するだろう。ざまあみろ。
私に気を使ってなのか、マリさんは時折こちらに微笑みを返すだけで、話しかけてこなかった。
堪能しろ、ということなのだろう。
「さて、と……色々聞きたいことがあるでしょうけど、貴女は顔が広く割れてしまった。その事実だけでも身の振り方を考えるには十分でしょう? 私たちが食べ終わるまで考えておいてね?」




