やっぱりスライムは怖いのです。
スマホからの投稿
重力を体に感じ、浮遊感を得る。
車両はスムーズに飛行を開始した。
窓から下を覗き込むと、街の違った顔をが姿を現す。
雑多な街並みも上から見るとなかなかの景色だ。
「あら、あんなところに公園なんてあったのね」
「!?」
私の肩のすぐ上に先輩ーーーいえ、マリさんの顔がある。
近い! 近過ぎますよ!
「あ、あああ、あれ、あれは、スライムテロの平和祈念国立?公園でっす!」
興奮と戦いながら、私はガイドを始める。
「スライムテロの?」
「は、はい、スライムテロです」
よし、少し落ち着いてきた。
「魔界でもスライムって強いの?」
「むしろ、大気中にも液体中にもマナが多く含まれてますので、こちらの方が質がわるいかと……」
「どんなことがあったのかしら?」
「とある知能の高い個体が、分裂に分裂を重ね、ある程度の軍勢、そして奪った兵器を揃えて蜂起しました」
「あら〜……ゾッとするわね」
「はい、銃弾などの物理攻撃は無効でしたから、射線に味方が居ようとも発砲出来るのは、手を焼いたそうです。結局、魔王様が出張って、広範囲魔法で薙ぎ払って事をおさめました。その時のスライムは一万とも二万とも言われています」
「一騎当千なんてものじゃないわね」
「万夫不当、と呼ぶにふさわしいですね」
「で、なんで蜂起したのかしら?」
「何でも、不当な扱いを受けて云々かんぬん……と教科書には載ってましたね」
「皇国でも同じようなことあったし、知能が高くなると似たようなことやるのかもしれないわね……」
「おっしゃる通りです」
スライムは本当に恐ろしい。
先日、ヤスモトさんとも話したが、あれはまだ序の口。
真に恐ろしいのはその隠密性だ。
柔らかい体は何処にだって侵入し、口さえ塞いでしまえば魔力行使以外は逃れる術がない。
詠唱を必要とする下級の魔法使いならひとたまりもないはずだ。
更には、液体との親和性から体に液体燃料を仕込んだり、毒物を仕込んだりと殺害のバリエーションが多い。
「んー、スライム対策強化の打診した方が良いかもしれないわねぇ……」
「あ、もしかして、今回ってただのバカンスじゃないんです??」
「ーーー残念だけど……その通りよ……はぁ」
マリさんのもう一つの顔が現れるのか。
お気に召しましたら、ブックマーク登録、ポイント評価お願い致します。




