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こちら異世界移民局!~転生・転移チートを許さない世界の物語〜  作者: ひろほ
第四章 まったり恋バナ公務員。
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黄昏ガールズトーク3

「ともかく、レイさんが係長に対して好意を持っていたとは思いませんでした」


ヤスモトさんが半ば呆れたような口ぶり言い放つ。


「あら、なんかトゲがあるわね」

「あ、すみません。私の中で、レイさんってバリバリのキャリアウーマンみたいなイメージがあって、役職が上の係長にも、ズバズバ物を言ってて、凄いなーなんて思っていました」

「むしろ、係長にだけ厳しいって感じです」

「そうですよね、私は上の人にもちゃんとモノを言えるのよ!って感じの人なのかな、と。話を聞いていたら、ただのツンデレってだけだったので、そういうことだったのか、と少し拍子抜けしてしまいました」

「レイもそんな見た目しているわねぇ」


私も先輩から聞くまで、レイさんがそのような感情があるとは全く気付かなかった。

レイさんにはきっと、爽やかな完璧超人のような彼氏が居るのかと思っていた。

仕事で絡めば、業務は的確に処理できてるし、保護局の仕事ではなかった場合、他部署へ案内までしてくれた。

他の局の仕事まで把握していなければ、そんなことは出来ない。

そういったこともあって、先輩と同じく尊敬していた。

あ、もちろん、今でも尊敬していますが。


「あの、ツンデレ? ってなんですか?」

「好意の対象に表向きはツンツン、つまり冷たかったり素っ気なかったりするのですが、その実裏ではデレデレ……えーと、好き好き! 甘えたい! みたいな人のことを言います」

「なるほど、バッチリですね」

「そのデレデレを係長相手に出させないといけないわ」

「んー……本人はなんと言ってるんですか?」

「やっぱり、厳しいことを言ってしまって後悔はしているみたいです。半分は趣味みたいなものですけど」

「趣味!?」


私もその趣味はよく分からないけど、とにかくレイさんはそういうのがいいらしい。


「そーなのよねー、困った顔を見るのが好きみたいで」

「困った声でも良いそうです」

「どうしようも無い気がします」


生気がない目、力の無い声でヤスモトさんはこう答えた。

うん、私もどうしようもない気がしています。


「そこをどうにかしたいの」

「そういえば、ヤスモトさんは恋愛テクニックみたいのはあるのですか?」

「恋愛テクニック、ですか……」

「あ、聞いてみたいわね。転生者のテクニック」


異世界の恋愛事情には私も興味がある。

例えば、科学が発展していない世界なら、連絡はどのように取り合っていたのだろう? とか。

魔法が無い世界なら、どうやって婚姻の祝福や加護、そして契約をするのだとか。

ヤスモトさんの世界は科学よりらしいので、この世界にも似ているのかもしれない。


「ヤスモトさんなら、意中の男性をどう落としますか?」

「んー……私はあまり恋愛経験が豊富というわけではなかったですが、とにかく連絡を取ったり、会う機会を作ったりはしましたね」

「ふむ、それは何とかクリア出来そうね」

「あとは、そうですねー……相手を褒めたりしましたね」

「お、褒め殺し?」

「まぁ、そういうのもありますけど、いつも仕事頑張ってるねー、とか、作ってもらった資料が見やすくて助かる、とか」


いやに具体的に話をするものだ。

それに気づいたので、悪戯っぽく言ってみる。


「ふふ……その口ぶりだと、社内恋愛の経験がありそうですね」

「!? え、いあ、その、えぇーっと、あ、は……はい」


一気に狼狽してしまった。

苦い経験なのか、それとも甘酸っぱい思い出なのかは分からないけど、触れてはいけないのかもしれない。


「すみません、何か急所を打ち抜いたようで」

「ただ、経験者が居たのは心強いわ。よし、褒め殺し作戦を実行させましょう」

「そうですね、レイさんのツンツン防止の練習にもなりそうですし」

「確かに、ツンだけじゃ相手も良くは思いませんからね」

「あとは、さっきレミちゃんが教えた、おしとやか作戦も同時に決行よ」


何か、作戦とか付くと、一気に物騒になるんですが、まぁいいでしょう。


「ありがとうございます!」

「よし、そうと決まれば、レイと食事でもしましょう。ヤスモトさん、今日の夜はいかが?」

「空いてますよ!」

「申し訳ないのだけれど、レイに色々教えてあげてほしいのよ」

「いえ、構いませんよ―――私もこういうの大好きなので!」

「あら、悪い顔。そういう表情、私は好きよ」


私も悪い顔した方がいいのかなぁ……。


「あ、レイも大丈夫だって。お店も抑えたわ」

「流石、仕事が早いですね」

「ありがとう」

「そうとなれば……」

「えぇ、やることは一つですね」

「そうですね、やりますか……」

「定時に! 帰るぞーーー!」

「「おーーーーー!」」


そして私たちは机に無言で向かい始める。

まずは私は今日の麻酔銃使用の報告書、そして、使用量を間違えたことへの始末書に取り掛かる。

先輩に至っては、四人を『レクリエーションの最中』ぶっ飛ばしているので、安全管理ミスしてごめんなさいの始末書。

ヤスモトさんもきっと、コードとかいう子ども相手に何かしらやらかしているので、その報告書と始末書に追われることになるだろう。テロを計画していたというのだから、報告が多くなるだろう。


私は随行という立場ではあったが、『先輩の思うように』報告をあげることは出来る。

で、最後にちょろっと先輩にサインを貰えばいいだけの話だ。

端末をいじる、ペンを走らす、書類をめくる、お茶を飲む、文字通り手は休まることがない。


とっとと終わらせて、ガールズトークをしたいのだ!!

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