教育機関訪問7
転生者候補五人の面談が終わった。
この中に果たして転生者は居るのだろうか?
「さて、どう思う?」
「んー、五人のうち一人だけ必ず居るってわけじゃないですもんね」
「まぁ、判断つかないなら、まとめて連れてっちゃってもいいけどね」
「そうしますか?」
「そうしちゃう?」
「間違っていたら返せばいいですし。それに、あながち悪くない手段だと思うんですよね」
「前半はおいといて、後半について聞こうかしら?」
冗談交じりに言ったが、私はけっこう本気だったりする。
「はい、正直、どれもこれも怪しいようで怪しくない、という感じです。しかも、個性的と言えば個性的なのですが、ここまでキャラがばらけるというのも違和感を覚えます」
「いい線だと思うわ」
「ありがとうございます。ここまで来ると、演じているのではないか、とも思います。ですので、五人全員を確保というのは悪手ではないです」
「演じる意味は?」
「これも、憶測になってしまいますが、捜査のかく乱ではないでしょうか。何かしらの目的があって、移民局に行くわけにはいかない。しかし、実際に私たちが来てしまった、と」
「あら、偶然にも五人全員がそのように動いた、ということなのかしら」
「はい、私は五人が何かしらのつながりを持っていると考えています。そして、目的も同じか近く、もしくはそれと利害が一致しているか……」
「うーん……無くは無いのかもしれないけど、少し強引すぎないかしら?」
「はい、私もそう思いますが、一つに絞り切れないのも事実です」
しっかりと先輩の目を見ながら、私は話の核心を言う。
「これが普通の子どもの中で彼らの一人が居れば、間違いなく判断が付きます。この五人だけの状況だから判断が付かないんです。なので普通に考えれば、どれも怪しいんです」
「…………あー、良かったぁ~……」
「!?」
大きくため息をつき、へなへなと力が抜ける先輩。
こう、力を抜いてくれる仕草って、良いな! なんて思っていると、頭を撫でられる。
「~~~~~~~~~っ」
「レミちゃんも同じような考えで良かったわぁ……。他に何か気になったことはあるかしら?」
「うへへ……うへへへへへ……」
「レミちゃん、顔がだらしないし、よだれも垂れてる」
「うへ、はっ!? すみません!」
「まったくもう……。気になったことはある?」
「そうですねぇ、黒幕の存在、ですかね?」
「あら、レミちゃんも?」
「はい、意思を統一したようなものが感じられます。あの中に首謀者が居るのか、それとも他に居るのか」
「ふふ、さすがね、レミちゃん。というわけで、私が怪しいと思っているのはこの子」
パサッ、っと一枚のファイルがテーブルに置かれる。
開いて中を確認すれば、平々凡々な少年が。
「ね? 普通の子でしょ?」
「はい、不自然すぎるくらいに全てがほぼ50点ですね」
「平均点ではなく、50点だからね、ワザとこれを狙っているとしか思えないわ」
「そしたら、この子から連れてっちゃいます?」
「んーとりあえず、五人を持ってちゃいましょ。校長先生、あの五人をここに集めてください」
「わ、わかりました」
自分の部屋だというのに、隅で話を聞きながらビックリしていた校長が、慌てて部屋から出ていく。この五人を連れて帰り、報告書あげれば、ちょうど定時くらいになるだろう。
そう思うと俄然やる気。
さー、お仕事頑張るぞー!




