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こちら異世界移民局!~転生・転移チートを許さない世界の物語〜  作者: ひろほ
第七章 セレブの意味とは何でしょう?
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傾向と対策

まだまだ騒がしいタワーから離れ、ホテルへと戻ってきた。

流石に疲れており、しばらくは何もしたくなかった為、昼食も室内で頂く事にした。

こんな状況で、外食も難しいだろうし。

しかし、マリさんとランチだというのに、惨敗したショックが抜けきらない。


「まぁ、そんなに気を落とす事はないけどね、レミリアの油断を突いただけだし。真っ当にやったらレミリアの方が強いと思うよ」


テーブルに三人で座りながら、お茶を嗜みつつ歓談する。

疲れた体に、高級なお茶が美酒のように体に染みる。

グデーっと過ごすことに決めたとはいえ、色々と後片付けをしながらではあるが、充分にリラックスしていた。


「逆に真っ当っていうのが分からなくなってきました」

「多分、レミちゃんに少しアドバイスしたら、アレックスは勝てなくなっちゃうんじゃないかな?」

「え、そんな事あります? 瞬殺されたんですよ?」

「そうでしょ? アレックス」

「うん、まぁ……負けないけど勝てないかなぁ……」

「ほら、本人もそう言ってるし」

「にわかには信じられませんね」


達人たちにしか分からない私の評価があるのだろうか。


「流石にこれは、周りに被害が出るかもしれないから、今すぐ実践は出来ないけど、レミちゃん、アンタッチャブルを上手く使えばいいのよ」

「あ!」

「戦ってた時、自分に障壁張っていたでしょう? それを常に意識して対峙しなさいね?」

「は、はい!」

「レミリアのアンタッチャブルは相性が悪すぎるよ。ただ、展開するのが遅いなぁ、っていつも気になっていたんだよねぇ」


確かに、最初っから障壁を作っていれば、不意打ちにも対応出来るだろう。


「自分でも、何で今までそうやって戦おうとしなかったのか、不思議です」

「余裕だったって事でしょうね。無理をしないとも言い換えられるけど」

「平和ボケって言ってもいいんじゃないかなー、やられてからじゃないとエンジン掛からないけど、やられる準備できてないというか」

「あー、なーんか、攻撃するのに躊躇いがあるんですよねー……」

「それが普通よ。例え、殴っても罪にならないにしても、喜んで殴る人は少ないでしょうね。人を傷つけるっていうのは、ストレスを感じる事だから」

「ストレス……確かにストレスに近いです」


よっぽど感情が昂らない限り、気持ち良く攻撃が出来ない自分を思い出す。


「ストレスを感じて当たり前なのだから、大事にしてね。何よりも自分を守る事を最優先って事を言いたいの」

「はい、甘えていた、舐めていた、って事ですよねぇ……」

「そ、守備的になるならとことん守備的になりなさい」


カッコ悪いとか、サラッと躱すのがカッコいいとかやっている場合ではない。

恥や外聞をかなぐり捨てて、全力で身を守る。

いや、もっと考えを発展させて、いつでも返り討ち出来るように備えるべきだ。


「さ、レミリアの方針も決まったところだし、テーブルをそろそろ片付けようじゃないか。料理が間もなくみたいだ」

「よく分かりますね、何か連絡でも?」

「ただエレベーターの音が聞こえただけだよ」


部屋の中、それも防音がしっかりと効いているだろうスイートルームなのに、エレベーターの音が聞こえるなんて、ちょっと頭がおかしいレベルではないだろうか。

そうそう、お片付けだった。

テーブルの上が散らかっているだけならまだしも、銃、接収した剣やら何やらの物騒な物が、分解、洗浄、メンテナンスの為に広がっているのは、ボーイさんがさぞかし驚く事だろう。

アレックスは使ったスナイパーライフルの点検を既に終えているし、マリさんは急ピッチで直ぐさま終わらせる。ズルい。

残るは私だけだが、剣を(なかご)まで分解しなければ良かったと後悔するのだった。


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