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こちら異世界移民局!~転生・転移チートを許さない世界の物語〜  作者: ひろほ
第七章 セレブの意味とは何でしょう?
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マリさんの目的

「さて、研究畑の話を汲むと、やはり、自己実現強化の能力者は欲しいらしいな」


まだまだ騒がしいタワー付近で、お茶を飲みながら四人で話し合い。

内容はどの移民をお持ち帰りするか、である。

今さらだけど……人聞きの悪すぎる発言だな。


「じゃあ、その一人は確定として、転移の能力者ってどうかしらね? 見た限り、なかなかの強さではあったけど」

「あー、お嬢様、もしかしたら、公安……軍警が持っていきたいって言うかもしれない」

「そうか、忘れてた。軍警って事は、捕虜扱いかしらね。まぁ、計画の胆と言える能力者だから、捜査にも欲しいところでしょうしね」

「そうしたら、あと目ぼしいのは居るか?」

「私とマリさんが共闘した時にはコレといった……アレックスの方はどうでした?」

「うーん、移民局はどんな人材を欲しがっているの?」

「珍しい能力持ちか、便利な能力持ちですかね? 他に何か言ってましたか、係長?」

「概ねその通りだ。アレックスさんがこんな能力があれば便利だな、という敵は居なかったかな?」

「あまり人には言えませんが、私の特性に比べたら、大概のものが便利に感じますからねぇ……。そうだな、電気使いは便利だと思いますよ、充電とかリモコンの電池切れた時とか。アウトドアなら、火とか水とか出せる能力も憧れるなぁ」

「ふむ、属性系か……それなら電気が研究対象としては喜ばれそうだな」


喜ばれそうって、贈り物じゃないんだから。とは誰も突っ込まなかった。

ぶっちゃけ、商品みたいな感覚があるしね。


「そうしたら、アレックス、二人ばかり連れて来て? あ、拘束はしてるのよね?」

「自分なりはしているよ、じゃ、早速連れてこようかな」


忘れ物でも取りに行くかのような軽い足取りでアレックスは歩き始めた。

公安で働いていたのだ、キチンと拘束をしているだろう。


「さて、と。サイジ係長、もしかしたらの話ですが、移民局を辞める可能性が出てきてしまいました」

「えっ!?」


突然のカミングアウトに、私が驚いてしまった。


「元々、公職に就くまでと聞いている。今回の件でもしかしたら、それが早まるというのも十分にあり得る話だろう?」

「はい、こればっかりはお家の都合になりますので、私の意見がどれだけ通るか……」

「いざ戦争となれば、当代、いや、史上最強と呼ばれるマリ・ミストラルが、旗印になるだろうさ」

「その期待に応えられるといいのですけれどね」

「お前なら大丈夫だ」

「……以前からお願いしていた件はどうですか?」

「…………レミリアが居るが、構わないか?」

「むしろ、聞いてほしいですからね」


このタイミングで、何か二人で動いていた事を話す、とは。

きっととんでもない事だ。


「お前が目をつけていた移民のほとんどは、皇族の指図一つで自由に動かせるようにはなっている」

「ほとんど?」

「ああ、一人だけ―――音波使いが研究施設で事故死している……本当に事故と報告を受けている。その一人だけだな」

「そうですか、今度お墓を訪れなくていけませんね」

「あのー……、お話しが今一つ見えませんけれどもー……」

「私が、皇国に入る……まぁ、戻るって言うのが正しいけど、そうなった時に備えて、人材を確保しておいたのよ」

「もちろん強制ではない。そして、下手に公職で出世されたり、奔放な仕事に就かれてしまえば、動かしづらくなる故、俺が斡旋と管理の割り振りをしていたわけだ」

「あの、人材を集めているっていうのは分かりました。けれど、皇国にも優秀な人間は多く居ますし、ミストラル家となれば、その中でも選りすぐりが集まってくると思います。なんで、移民を集めているのですか? というよりも、移民を集めて何をするつもりです?」

「まぁ、そう思うのも当然よね。少し、長くなるかもしれないけど、聞いてくれるかしら?」

「もちろん、喜んで!」

「移民での親衛隊を作るつもりなの。これは、移民の地位向上に繋がるでしょ? そうしたら、真に平等な社会が作られるんじゃないかな? って。今の皇国も、他の国に比べたら、ずっと暮らしやすいとは思うけれど、移民たちが素直に契約に応じなかったり、テロやクーデターを考えたりを見ていると、まだまだ信用を得られていないと感じるの。あ、もちろん、悪人は別よ?」


真に平等――――――私には考えもしない事だ。

けれど、マリさんなら出来そうな気がする。


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