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こちら異世界移民局!~転生・転移チートを許さない世界の物語〜  作者: ひろほ
第七章 セレブの意味とは何でしょう?
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タワー攻防戦10

パッ、といった擬音が似合いそうな感じで、ショートカットの女性が現れる。

なるほど、自身の転移はタイムラグや予兆が少ないのか。

と分析しながら、とりあえず、光線銃を撃ち放った。

転移の能力でそれを私に向けて返してくるが、その場に留まらなかったおかげで回避出来た。


「レミちゃん、任せていい?」

「当然です!」


瞬殺出来るだろうけど、あえて私に任せるという事は、何かしらの考えがあっての事だろう。

その意図は分からないけど、期待に応えてみせようじゃないか。

遠距離攻撃が先ほどのように返されては手間だ。

アンタッチャブルか徒手空拳で挑むべきだろう。

飛び込んでの蹴りを放つ―――フリをした。

やはり、攻撃を転移させてのカウンターを狙っていたのか、転移陣が展開されている。

思惑が上手くいかなかったのを察すると、今度は女の方が拳を転移陣に突っ込む。

私の視界には転移陣が見えていないとなると、どうせ背後だろうと決めてかかって、横にステップする。

まあ、今の私の動体視力なら大丈夫だけど。


「今のを避けるか~」


余裕しゃくしゃくといって様子で、転移使いの女は語り掛ける。

その表情はとても楽しげであった。


「まぁ、初めてではありませんので」

「本当にこの世界の人たちって、こういうチートに慣れてて面白くないね」

「チートに慣れるってのも、言葉としてはおかしな話ですけどね。チートが普通なら、それはもはやチートじゃないです」

「違いないね」

「それに、面白くないのは、チート以外に何も持ってないからじゃないですかね?」

「キツイ事言うねぇ……」

「嘘は嫌いなんで」

「つっても、私の能力も、あの規格外のお嬢様以外には通じそうで良かった良かった」

「―――――――――はぁ?」

「反射も出来る、私の攻撃を避けている、これを通じていると言わずに何と言うの?」

「ああ、そういう事ですか。すみません、ちょっと様子見する癖がありまして、私達、その仕事柄……そうそう、その口ぶりですと、やはり異世界からの移民ですか?」

「……今まで手を抜いていたって事?」

「有り体に言えば。で、移民ですか?」

「……ええ」

「えーっと、今さらですが、穏便に移民申請する気はあります?」

「本当に今さらねっ!」


腰元から抜き出した拳銃を展開した転移陣に発砲した。

なるほど、銃を持っていましたか。

何処から出てくるか分からないが、まったく問題は無い。

アンタッチャブルの障壁が、その銃弾を逸らした。

遠距離攻撃は通じない事は、先ほど見せたというのに、学習能力の無い人だ。


「では、こちらの番ですね、どうぞ、避けれるものなら避けてください」

「へ?」


女の体が爆ぜるように吹っ飛ぶ。

何の事はない。

障壁を広げただけである。


「ほら、続けていきますよ」


立て続けに不可視の壁を彼女にぶつけていく。

ピンボールさながらに跳ねる体。

意識を失わないところからするに、なかなかのタフネスだ。


「くっそ……!」


苦し紛れに転移する女。

まあ、そうやって逃げるでしょうな。

でも残念。


「そこは通行止めです」


現れた先にアンタッチャブルを展開し、思いきり閉じる。

私の力も、チート能力って言われるのだろうか? と思いながら、倒れていく女の体を眺めた。


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