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こちら異世界移民局!~転生・転移チートを許さない世界の物語〜  作者: ひろほ
第一章 明るく楽しい職場です。
1/127

ようこそ異世界へ!

―――目を開ける。

見覚えのない天井。照明がまぶしい。

あれ? 俺は一体どうしたんだっけ? ここはどこだ?

だって俺、車に――――――


「なーんて思っているところ申し訳ありません」


と私はベッドに寝ている青年に声をかける。

青年はこちらに向きながらビックリした表情を浮かべる。


「いかがです? お名前は覚えてます? それとも何一つ思い出せませんか? まぁとにかく現状だけ簡潔に申し上げますね。あなたは転生なさいました」


こちらも仕事なので、パパっと終わらせたい。


「あ……はい。え、えーと、覚えています。全部」


呆気にとられながらもちゃんと答えてくれる。

良し、意識の混濁や言語や人格の障害は今のところ無し。


「分かりました。では、あなたのお名前は?」

「田中宗助です」

「タナカソウスケ……っと。えーと、このタイプの名前は……ああ、日本というところからですね。ちなみにココに来る前に、神様みたいなのに会ったりしました? 女性でも男性でも妖精っぽいやつでもいいので」


書類にタナカソウスケと名前を書き込みながら、次の質問を飛ばす。


「あ、女神に会いました。えーと名前がレナスですね」


机の上の女神図鑑を手繰り寄せ、レ行を探し始める。

ずっしりと重いので、開くだけでも億劫になる代物だ。


「ちょっと待ってくださいねー。女神……レ、レーレー、レナ、レナス……あ、有った!」


【レナス】

主に日本での活動を行う女神。不運に巻き込まれた英雄タイプの人間を転生させる傾向がある。


英雄……ねぇ? 青年の風貌からはそうは見えないんだよなぁ。


「生前、何かしら特技や実績などはありますか?」

「特技……。サッカー……って言っても分からないよなぁ、どう伝えたら」

「あ、分かりますよ。ボール蹴りですよね」

「え?」


目を真ん丸に剥いて驚いている。はいはい、ビックリですよね。


「で、それで何か凄いことしました?」


呆気に取られているが、仕事なんで。あなたのペースに合わせてられません。


「あ、あの、その優勝しました。あと、MVPに」

「えむぶいぴー?」


聞きなれない単語は即座に潰すに限る。

それが後々に影響するかもしれないからだ。


「あ、これは分からないんですね」


この言い方にちょっとカチンと来る。が、仕事だ、抑えろ。


「はい、どういったものですか?」

「何て言ったらいいですかね。一番良い選手ってことですね」

「ふむふむ、優勝の立役者、と。なら日本では人気だったことでしょうね」


英雄扱いの理由が分かった。


「あ、申し遅れました」


そういえば、自己紹介をしていなかった。


「ワタクシ、レミリア・エイプリルと申します―――ようこそ異世界へ!」


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