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 内容的にはとても普通の内容でした。

 丁寧な筆跡で綴られていたのは、派閥関係で厄介そうな人たちとはグループをわけたがプリメラさまにとって不利益なことが生じていなかったかの確認が主でしたね!

 あの配慮のおかげもあってプリメラさまは短時間でも楽しんでおられましたとも。


 ああいうのが貴婦人の……招待側の気配りってやつなんだなと私も学ばせていただきました。

 お恥ずかしながら、やはり座学では足りないことってありますからね。

 今後はプリメラさまと共に令嬢として参加する際や、プリメラさまのお茶会開催に向けてより一層勉強していくつもりではあるんですがやっぱり私もいろんなところにアルダールの婚約者として顔を出して実地で覚えていくのが最善でしょうか。


 まあそれはともかくとして。


『以前、ルネが貴女にはわたくしの過去を説明したと聞きました――』


 あれですね、神童と呼ばれ大人顔負けの商談する姿を見せていた幼少期って話ですね。

 その姿を見たユナさんがフィライラ=ディルネさまのことを神格化しちゃって大変って感じになったあれですよ、あれ。


 話を聞いて私は前世の記憶と今世の記憶が融合せずに終わることを〝円満に〟本人の中で済ませたって感じだったんですが……。


(私はあくまで赤ん坊の頃に記憶を取り戻していたから、自我とほぼ同時と思っても問題なかったから馴染みやすかったんだろうなあ)


 今となっては私が転生した意味ってなんだろうな? とは思いますが。

 だってメインキャラじゃないしチートないし美貌もなんも得ませんでしたからね……?

 貴族ではあるものの中堅より下だし、いや家族がいてトラブルはあっても仲が良いってのはいいですけど。そこだけはベリーグッド。


 まあ、転生の意味については今更あれこれ考えても仕方ありません。

 しっかし思い出してみると、フィライラ=ディルネさまの前世ってどう考えても営業系バリキャリって感じだったんでしょうねえ。


 それが可愛らしい幼女姿でばったばったと大人を論破していくとか、ちょっと見てみたかった気もします。

 まあ可愛らしい幼女ってだけならうちのプリメラさまの幼少期に敵う方はいらっしゃらないと思いますけどね!?

 

 あれは天使……紛うことなき天使ですもの……。

 今? 今は大天使です。当たり前じゃないですか。


 っといけません、話が逸れましたね。


 さて、お手紙の続きによりますとフィライラ=ディルネさまはミュリエッタさんもそういう(・・・・)感じできっと別の世界の知識と現実がうまく擦り合わさっていないんじゃないかと思ったので、その旨を王太子殿下に相談したんだそうです。

 その上で、今後はニコラスさんと一緒にミュリエッタさんの担当になるんだそうです。

 

 今のところウィナー家については相変わらず寄親がおらず、今のところ上層部が持ち回りで時々様子を見ているというようなことをチラッと……ほんの少しですけどね、チラッと耳に致しました。

 おそらく担当になると言っても、フィライラ=ディルネさまのお名前が表に出ることは一切ないのでしょう。


(気に入ったとかそういう意味じゃなさそうだものね……)


 まあ、あの状況でまさかの『おもしれー女』枠でミュリエッタさんのことを気に入るなんてことはないでしょう。

 むしろあれかも。

 警戒対象として悪目立ちしたから、かも。


 まあ要約すると『そういうことで動向は掴めそうだから、次のお茶会は最後まで参加してもらえたら嬉しい』ってことのようです。

 その際は私も令嬢として参加してねってさ!


「ライアン、プリメラさまはそろそろお戻りになる頃かしら?」


「いえ。本日国王陛下とお過ごしですが、予定時間になってもまだ……」


「……そう。私はプリメラさまのお茶を準備してきますので、ライアンはこの書類を持って王女騎士団の詰め所に行ってくれるかしら。何も言わず渡しても彼女たちはわかってくれるから」


「承知致しました」


「ではお願いね。ああ、返事は急がないと言付けもお願い」


「はい」


 まったく陛下ったら。

 プリメラさまを溺愛するのは相変わらずで今日は絶対に予定時間を過ぎるだろうと最初から想定してスケジュールを組んでいるので問題ありませんが……。


(戻ってきたらプリメラさまも呆れながら嬉しそうに笑うんだろうなってわかってるからいいけどね!)


 楽しい父娘の語らいの後は、美味しいお茶でお迎えしなくちゃいけませんよね!

 久々に私が! 魔法で! あれこれ作っちゃうぞー!!

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