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腐った魚の目をした俺は冒険者として森へ行ったのさ

翌朝、宿の食堂で朝食をとっていると宿屋のおばちゃんに話しかけられた。


「あんた見ない顔だけど他所から来たのかい?」


「えぇ、旅をしていましてこの町にたどり着いたんですよ。」


「へぇ~そうかい!まぁ王都と比べたら何もないとこだけどゆっくりしていきな!」


そう言っておばちゃんは厨房へと戻っていった。

うん、いい人だわこの宿屋のおばちゃん……


異世界初日はに何やかんやあって疲れたから、こう安らげる空間がありがてぇ。


そうして腹ごしらえを終えた俺は宿を出て、昨日町を見て回って大体の地理を把握したので今日は冒険者として依頼でも受けてみるかと思い、冒険者ギルドへ足を運んだ。


「えっと、確か掲示板はここだったかな?」


ギルド内は昨日と打って変わって人がわんさかいる……ってほどではないが結構な人数がいた。

時間帯とかあるかもだが午前中だからだろう。

俺は壁に張り出されている紙を見ていると面白いものを発見した。


【討伐依頼】アスラマの森 魔物討伐

最近、低級の魔物が数を増やしている。狩人の何人かが、被害にあったので対処して欲しい。

報酬:一体につき銀貨3枚 討伐数に応じて追加報酬あり。

ランク-E-


依頼書の詳細には、アスラマの森はこの町から東に一時間程歩いたところにある森で奥に行けば行くほど魔物が強いらしい。

この依頼書では低級の魔物と書いてあるので森の奥に行く必要はないだろう。


よし決めた!今日はやることないし、この依頼受けよう!

そうと決まれば受付カウンターに行こうか。


掲示板から依頼書を取り、受付カウンターへ向かう。


「すみません、この依頼を受けたいんですけど。」


と、受付嬢に紙を渡す。

昨日とは違うクールそうな受付嬢だ。


「討伐依頼ですね。かしこまりました。余計なことでしたらすみませんが、疲れてませんか大丈夫ですか?目が腐った魚見たいになってますよ?」


あ、何か心配されてる。

元からなんですよこの目付き………はい。


「そういえば、依頼書にランクEとか書いてあったけどランクって言うのは?」


「はい、ご説明させて頂きます。ランクと言うのは……」


と、受付嬢の説明を要約するとこういうことらしい。


E:駆け出し冒険者

D:初心者冒険者

C:一般冒険者

B:ベテラン冒険者

A:一流冒険者

S:国家公認冒険者

SS:伝説級冒険者


「……なので、Eランクから始まってSSランクまであります。トキワタリ様は魔法適正が全属性なので、最初からCランクからとさせていただいております。あの、冒険者登録をする時に詳しくご説明される筈なのですが?」


「え?」


おいおい、昨日の受付嬢さん何も教えてくれなかったけど?


「どうやら、先日はうちの者が職務を怠った見たいですね。申し訳ございません。」


クールそうな受付嬢は深くお辞儀した。


「では、改めてご説明させて頂きます。」


すごく、長く説明されたのでまとめると


【冒険者】

冒険を生業とする人。

冒険とはダンジョンの探求、魔物の討伐から、護衛、未踏破地域の探索、失せ物の捜索、特定資源の採集など多岐にわたるもの。



【冒険者ギルド】

冒険者に対し、「冒険」を斡旋する機関。


【冒険者ランク】

冒険者が冒険者ギルドに所属する際、その冒険者ギルド内における位置づけを階級的に表現する制度。

ランクは、E(駆け出し)~SS(伝説)まであり、基本的には同ランクの依頼達成数の平均でランクの更新がされる。

ただし、例外として最上位のSランク及びSSランクは依頼の達成数だけではなく、国の許可がないとなれない。


一応こんな感じでまとめてみた。


さて、依頼書のランクはEなのでランクCの俺は当然受けられる。


「じゃあ改めて、この依頼を受けます。」


「はい、魔物討伐の依頼ですね。Eランクの依頼ですのでCランクのトキワタリ様は大丈夫かと思いますが冒険には危険がつきものですので油断せずお気をつけくださいませ。」


受付嬢は改めてお辞儀をし、俺は依頼を受けた。


よし、初依頼頑張ろ! 冒険者ギルドを出た俺はアスラマの森へ向かうために東門へ向かった。

ちなみに東門とは俺が入ってきた方向にある門は別の門だ。


「お、あれがアスラマの森か。」


町の東門から歩いて一時間ほどで着いたが、道のりは整備されているので歩くのは苦ではなかった。


アスラマ森とは地球でいうと針葉樹の森みたいな感じだ。


「さてと、依頼にあった繁殖した低級魔物達はどこにいるかな?」


俺は森を歩きながら注意深く辺りを観察していると…………いた。

昨日も見たゴブリンだ。

Eランクの魔物で単体だとそこまで脅威ではないが群れると厄介な魔物だ。

大規模な群れだとランクがBまでも上がると出発する時にクールな受付嬢が渡してくれた冒険者マニュアルに書いてあった。


「よし、とりあえず狩るか。」


と、ゴブリンに見つからないように木々に身を隠しながら移動し、背後から奇襲。


ガツンッ!


「グギャッ!」


ゴブリンの頭部目掛けて掌で殴ったら頭がへこむように潰れて死んだ……


昨日も思ったけどやっぱり弱いよなゴブリン。

まぁ、こいつ1体だけだししょうがないか。


とりあえず、討伐依頼の証明としてゴブリンの耳を切り落としておく。


「しかしなんだ、地球で何回も人生繰り返してたけどこうもファンタジーな世界

だと新鮮でテンション上がるな。」


異世界転移して魔物討伐って、地球じゃ絶対体験できないことだ。

人生繰り返しまくった俺が言うんだから間違いない。


「よし、ゴブリン以外の魔物も見たいからどんどん行くか!」


ゴブリンの耳を回収した俺はアスラマの森を走り回った。


因みに、回収したゴブリンの耳は袋とか何も用意していないのでそこらに生えてた蔦植物を加工して作った紐に通して狩猟てきなアクセサリーてして首にかけた。


言っておくが、これは仕方がないからであって決して俺の趣味ではない。


「ブモオオオッ!」


「お?なんだ?」


森を走っていたら、豚みたいな遠吠えが聞こえてきたのでその方向へ行くとオークがいた。

しかも1体ではなく3体だ。


Eランクの魔物であるゴブリンと違い、オークのランクはCだ。

二足歩行の巨大な豚で割りと筋肉隆々な逞しい体をしている。


森の中層で生息している魔物と冒険者マニュアルには書いてあるがコイツらは下層に出てきてるな。


繁殖して増えた低級魔物でも狩りに出てきたのであろうか。


「グオオオオッ!!」


あっ、オーク達と目があった。


俺に気づいた3体のオークは持っていた棍棒を振り上げながらこちらに向かって走ってくる。


あ、そういえば武器とかなんも持ってきてないわ……てか、俺の見た目まんま田舎から来た村人Aみたいな格好じゃん。

そりゃあ、ゴロツキにも絡まれるよなぁ。


と思いながら、オーク達が振り下ろす棍棒を躱しながら思う。


依頼終わらせて町に帰ったら冒険者らしい装備でも買おうかな。


棍棒を躱しつつ、手刀で1体のオークの首を切り飛ばし、それを見て唖然としてる2体のオークの胸を抜手で貫く。


数ある人生で暗殺拳の使い手だった人生を歩んだ記憶がある俺だからできる技だ。


あ、オークってやっぱり食えたりするのかな?



こうして、ゴブリンやオークそれに動物系の魔物を間引いた俺は町に帰ったのであった。


町の住民は山のようになった魔物死骸を背負った俺にドン引いてたのはご愛嬌ということでw


ギルドに証拠として魔物の死骸の山を届けて、クエストを達成したことを申し出ると、受付は内容を確認して依頼達成のハンコを押してくれた。


後日聞いたのだが、俺が最初にあった受付嬢が魔物の鑑定を嫌々したらしい。

もちろん、クール受付嬢の監視のもと。

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