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プログラミング・ア・マジック  作者: 砂井裏鍵
こんにちわのための先生にこんにちわ
3/3

Line.3 状況解読開始

お互い手振り身振りでなんとか意思疎通を図って、とりあえず今の俺の状況を整理した。

まず、向こうは俺がなぜここにいるのか解らない……らしい。相手にとっても予想外のことで、詳しく説明を聞こうとしても細かい話は通じない。

その後更に制服着の数人と、いかにも学者っぽい人と共に初老の女性がやってきた。やはり話の通じる人がいないが、有無を言わさず勢いで最初の部屋に連れ戻される俺は「それ」を目にした。


『****、***!』


ニョンの声と一緒に視界が一瞬白に染まったと思ったら、俺が入ってた空っぽの檻に中に獣っぽいなにかが出現(・・)した。えっなにこれ、質量保存の法則どうなってんの?というかこの獣なんぞ?狼っぽいけど、毛並みがダックスフントみたいだぞ?


『********、**********。*******。』


ごめんなさいわからない。わからないが、アレだな。目の前に起きたことが手品ってレベルじゃないし、俺は変な所に迷い込んだな。大丈夫大丈夫、俺はゲームもやるしラノベも読むクチだ。つまりこれは魔法だ、檻の中に狼っぽいなにかが発生する魔法だったんだ。じゃなんでこんなのを俺に見せてるんだ?

よーしよし考えよう、考えなければ生き残れないのが人間ってものだからな。わざわざ俺にこれを見せるのは理由があるはずだ。秘匿されるべき神秘だったら話も通じない見知らぬ人に見せるわけないから、これは見てもいいもののはずだ。いや待て、それは俺が見てもいい理由であって、見なければならない理由でもなければ見せられた理由でもない。

見せることとはつまり、伝えることだ。ニョン……てかここにいる全員の意志は俺にこれを見せて、何かを伝えようとしているはず。この場面で伝えることはそうだな、彼らが何者か、何が起きてるのか、俺を……というかこれからどうするか、だな?つまりこの魔法は俺と関係がある。檻も俺を閉じ込めた奴と同じだからな。

いいね、わかってきたよ。俺はいきなり檻の中に放り込まれた。獣はいきなり檻の中に出現した。つまり獣の視点で見れば、やつはいきなり檻の中に放り込まれたことになる。俺と同じだな。おお、なるほ――


「はぁ!?つまり俺もこのように現れたってこと!!!??」


思わず大声を上げてしまった。視界の隅にニョンがびくっとしてる。


『*。***********、**********。』

「いや待て待ておかしい、俺がいきなり現れるのはおかしい、だって俺は普通に仕事しててだな」

『******、**********……』

「なに言ってんのかわかんねぇよこのババァ!!!!」


あ、初老の女性が眉を顰めた。言葉は通じなくても、ニュアンスは通じるって本当らしいっすね。あと制服の方々、身構えるのは怖いからやめて?さっきから腰のあたりにぶら下げてる拳銃に見える何かを抜かないで?


『**、*****。』

「あ、ごめん、ごめんなさい、やめて強制連行しないで、せめてどこ行くのか教えてって教えてもらってもわからないのか、やめてぇぇぇ………」


ああ、俺は一体どうなってしまうのだろうか……

流石にそろそろ言語の壁さんの本気タイムが終わります。

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