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黄色の怪鳥と帯刀の化け猫

作者: どくまむし

                 

俺は残業をしていた

その日は終電を逃しタクシーを拾おうと一人で夜道を繁華街に向かって歩いていた 

あたりはもう暗く電信柱の街灯の光だけを頼りに歩いている

夜中ということもあり近くの民家からは音はなく自分の靴の音だけがこだまする

ふと・・・電信柱の根元を見てみると花束が置かれている 周りもよく見てみると事故多発注意との看板も置かれている。これまでの道は細く一本道だったというのに・・・だ。

こんな路地をスピードを出して交通事故をしたのだろうかとも思ったがどうにもおかしい

不安は不安を呼び遂には現実となる。


歩けど歩けど一向に繁華街につかない


そう思ったのは路地に入って十分以上歩いてからの事であった どうにもおかしい、方向はあってる筈だ、直線にしか進んでないから間違うはずはない、そんなことが頭の中で堂々巡りする 

しかし現実が悪夢になるのにそうは時間を要さなかった


電信柱の根元に花束がある 事故多発注意の看板がある


直後、全身を寒気が襲った。「ありえない」そう頭が理解すると同時に「これは夢ではない」とも理解する

こんな場所に長居したくはない。俺は全力で走り抜けた 

しかし、いくら走り続けようと希望とは裏腹に花束と看板は何度でも俺の横を通り過ぎる

いくら進んでもきりがない、もう恥を忍んで塀を超え民家に入ろうとしたその時である


きゅーっと甲高い声が鳴った 後ろを振り返るとそこには1mはある巨大な黄色い鳥がいた。

普通なら可愛らしいと愛でるところなのかもしれないが場合が場合である。そしてその鳥を異常たらしめる最も奇異な部分はクチバシであった これまた黄色いクチバシから赤い液体が滴っている。あれは血液ではないだろうか、だとすると・・・この花束は・・・


思うが早いか鳥はこちらに猛烈なダッシュを仕掛けてきた。瞬間、俺も全力疾走する。

自分はここまで走れたのだろうかと自画自賛する余裕もなく俺と鳥は走り続ける

鳥は以外にも遅く俺との差は広がる いつしか鳥の鳴き声が聞こえなくなった頃だろうか正面から一筋の光が差し込んだ

良かった・・・これで元の場所に帰れる。俺は安堵して光刺す場所へとゆっくり近づく。そして俺は愕然とした


そこには二足歩行でニヤニヤ笑っている化け猫がいた。光はただ単に化け猫が持っている刃物に街灯の光が反射しただけだったのだった。

化け猫は刃物を振り回してこっちに近づいてくる。逃げなければとは分かっているが肉体的にも精神的にも限界が来ていた俺は足を棒にするしかなかった。いつの間にか黄色い鳥を追いついてすぐ後ろで鳴き声がする。万事休すだが打つ手なし 俺は死を覚悟して目をつぶった。


「そこまでだ」聞いたことのある声、寺生まれで霊感の強いYさんだ

化け物によって今にも死にそうな俺の前に来ると、先ほどの花束を取り出した いやよく見ると中にライフルが入っている

「ウォークライは頼んだぜ・・・」

Yさんはそう呟くと化け物の頭に狙いを定めて

「李ぃーーーーー!!」と叫んだ

するとYさんの化け物は爆発して跡形もなく消し飛んだ

「ウィークバレット様様だな」そう呟いて片手でタバコに火をつけるYさん。

寺生まれってスゲェ・・・その時初めてそう思った。

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