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無名にて終了。  作者: 一課八太朗
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芸能人の子分

しかしその流れで団体芸人Eさんにも挨拶させて頂き、Eさん主催お笑いライブにも出演させて頂ける事になった。





そのライブは団体芸人の方々はもちろん、他の事務所の芸人さんや事務所に所属していないフリーの芸人さんも数多く出演していた。





Eさんも最初の頃は仲良くしてくれていた。





芸能人だけあって別荘に連れて行ってくれたり、海では経験した事のないサーフィンもさせて頂いた。





それが人生初のサーフィンだったので、もちろん全然ダメだったけど……





飯もちょくちょく誘って頂いてEさんの親父さんとも焼き鳥をつまんだり楽しく過ごした。





その時も何を話したらいいのかわからなくてモジモジしてしまった事を今でも覚えている。






そんな最中、応援しているプロ野球チームが試合で負けると飯が食えないというテレビ番組の企画で半年近く拘束されていた芸人さんが、企画終わりで腹をすかせて帰って来た。





Eさんのライブにも出演していた芸人さんなので大量に寿司を注文してEさんは振る舞ってあげた。





ちょうどその日の昼間、ボクは別のバラエティー番組のエキストラをしていたので、夜Eさん宅に駆けつけた。





Eさんは酒を飲まないが、頂き物で酒が大量にあったので酒の種類こそわからないけどヒョウタンの形をした何らかの酒をご馳走になった。





ここから先は自分では覚えてないので、他の芸人さんの虚々実々とした証言を基に話を進めて行く。





いきなりボクは全裸になりマッチ棒を鼻と口を二本挟んでドジョウすくいを踊り出した。





30分踊った後トイレに行ってくると言ったまんま外へ飛び出して閑静な住宅街を奇声を発しながら走って行って電柱に頭から突っ込んで倒れた、との事だった。





その後も意識が戻らなかったので救急車を呼んで大学病院に搬送された。





搬送される際、救警隊に




『名前を呼んであげて下さい!』




とEさん以下3名に言われたけど、誰1人ボクの本名がわからなかったので




『立て!!立つんだ〜!〇〇!』




と芸名で呼びかけた所、





『この緊急時にふざけないで下さい!!』




と救警隊に怒られたそうである。






気がついたら病院のベットに横たわっていた。





局部に管を通されて大人用オムツもしていた。






病院から実家に連絡が行ってウチの両親も来てくれていた。






ウチの両親はボクが死んでしまったと思い、葬式の事まで考えながら半ば諦め半分で病院まで向かってくれた。





しかしお医者さんが下した診断は、








「極度の熟睡です。」








……なんたって30時間近く寝ていたんだから。






ウチの母親はEさんにお詫びの手紙を書いてボクからEさんに手渡した。






そんなウチの親の気持ちとは裏腹に、この事件に関わった芸人さんはEさん主催のライブ等でこの事をネタにしていた。







芸人とは私生活から笑わせなければならないをモットーに身内、内外を問わずして何でもネタにする。






この急性アルコール中毒事件以外にも、Eさんちの引っ越しを他の芸人と手伝った際、





「アイツにジュース買ってこいと頼んで千円渡したら有り金全部使って2リッターのペットボトル5本も買って来やがって紙コップも買って来なかった。」






「ウチの最寄り駅に来いと言ったのに、アイツ東京駅にいやがった。理由を聞いたら実家帰る時東京駅から帰るから『いつものクセで行っちゃいました。』」





「お笑いライブで使うラジコン買って来いと言ったらなかなか帰って来ないので『おまえ今どこにいるんだ?』『ヤナセにいます。』『どこに行ってんだ!!本物買って来いとは行ってないぞ!』」








などなどEさんはボクの事を次々と漫談の

ネタにしてくれて、尽きる事はなかった。























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