表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無名にて終了。  作者: 一課八太朗
PR
2/7

脱出か逃亡か

とりあえず自分の意に反して地方の短大に入学した。






入学したのはいいが、自分の思い描いていたキャンパスライフとはイメージがかなりかけ離れていた。





大学生とは適当に授業に出席して、サークル活動を仲間達と楽しんで、コンパなどをして毎日盛り上がるというような、楽しさを絵に書いたような事が繰り返されるものだと思っていた。





しかし現実的にはかなりのエネルギーを費やし、毎日身を削られる思いで通学した。





そこの短大は系列の私立高校がいくつかあって、みんな高校時代からの知り合いといった雰囲気だった。





だから関係ない高校から来た人間はよそ者の感があったのだ。





ボクはそもそも一人でいるのが苦にならない人間だが、一人でいるのを人に見られるのがキライ。





昼飯もなんとなく強迫観念的に友達と食べなくてはいけない気がしてきてそれはそれで億劫だった。





いっそのこと便所で飯食った方がマシだと思った位だ。





おまけに全然希望と違う分野を勉強しているので苦痛で苦痛で仕方なかった。





そしてよせばいいのに短大入学と同時にファーストフード店なんかでアルバイトまで始めちまった。





そこの社員の中にはパワハラセクハラ当たり前の、クソ変態マネージャーが一人いた。





当然女性には下品な顔して下品な下ネタを連発し、終始前かがみで手取り腰取りニタニタしながら仕事をしていた。





2割仕事で8割セクハラ。





男性にはパワハラで終始キレっぱなしだった。




よくそんなにもシラフでコロコロ態度が変わるもんだと感心する位だった。





肉がほんの少しでも生っぽい焼け具合になろうもんなら、





「てめえが食うなら死のうがO-157になろうが構わねえが、客が食うんだからちゃんと焼けよ!」





この調子で毎日ボヤかれたりキレられたりして散々だった。





もちろんバイトの出入りも激しかった。





おまけにバイトにも社員と同じスキルを求めやがるので、ボクも当然すぐ辞めてやろうと思った。





しかしその店の万年人手不足とストックホルム症候群によく似た感情を覚えてしまい、ダラダラと打ちのめされながらも続けてしまうのであった。






たった時給720円のクソバイトなのに。

たった時給720円のクソバイトなのに。

たった時給720円のクソバイトなのに。

たった時給720円のクソバイトなのに。

たった時給720円のクソバイトなのに。







結局このクソ変態マネージャーはバイト、社員、支店、本店、問わずして嫌われまくり、ノイローゼになって無断欠勤し、挙げ句の果てには失踪していなくなりやがった。





おせーよバカ!!





もっと早く消えやがれ!!このド変態ヤロー!!





その店舗も結局何年後か忘れたが、怨念が祟って潰れた。





当たり前だ!!バカヤロー!!





ザマ〜!!







………とは今だから言えるものの、この頃の自分ときたら牙を削られ、もぎ取られ、噛む力を無くした野良犬が自分の死に場所を探すかのような選択を迫られてる感じだった。




精神的に病みまくっていた。





睡眠薬まで飲むようになった。






さすがに限界に来たボクは地元を離れたくて離れたくて仕方なかった。





昨年までは憧れの東京へ行きたいという感情だったのだが、今度は東京に逃げたいという感情にスイッチされるのであった。





それはアルバイトを辞めると同時に短大も中退を余儀なくされた。





高校時代ボクが必死になってアピールしていた専門学校だったが、全てを察した母親が逆に勧めてきた。





なんで今更?な感が否めなかったが、行かせて貰えるなら行こうという感情も少しはあった。





もう流れに身を任せるしか手段はない。





なるようになれだ。





父親も本音ではなかったが、結局『好きなようにしろ!』という事で行く事になった。





専門学校入学前に何ヵ月か時間があったので、自動車教習所に通わされた。





全く車に興味のなかったボクは落ちまくり、教習生2人分位の学費がかかってしまった。





ここでも大いなる挫折を覚えさせられた。





夢を見ていた高校時代は若さと気迫故のエネルギーで乗りきってきたが、張り巡らされた社会のレールはそんな男子の淡く安易で浅はかな計画を暗礁に乗り上げさせる事など、赤子の手をひねるより容易い事だった。













評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ