罪源
大きな水槽に 七色の染料がばら撒かれ
一滴一滴が深く広く 水を染めていく
一滴の染料を求めて 有象無象が集まる
有象無象を求めて 強者が集まる
強者を求めて
一体どれほど上を目指せば良いのか
一体どれほど下を救えば良いのか
やがて染料は交わり 変色していく
鮮やかな色から どす黒い色へと
輝かしい色は失われ 常闇に覆われる
美しい世界が 汚れた世界に
眩しい世界が 惨めな世界に
世界が歪み 交差する
僕は何を求めれば良いのか
君に何を差し出せるのか
傲慢は悪魔を産む
傲慢は英雄を産む
憤怒は我を忘却する
憤怒は我を構築する
嫉妬は人を死に追いやる
嫉妬は人を強固に結び付ける
怠惰は生きる意味を放棄する
怠惰は生きる希望を身に纏う
強欲は身を滅ぼす
強欲は発展の礎となる
暴食は飢餓をもたらす
暴食は身を強靭とする
色欲は自身を汚す
色欲は愛を育む
一丁の包丁で何をするかは僕次第
一把の縄で何をするかは君次第
七色の染料は輝き出し 変色する
どす黒い色から 鮮やかな虹色に
常闇から 光り輝く虹色に
汚れた世界が 神秘的な世界に
惨めな世界が 幻想的な世界に
僕が孤独だと思っていたのは勘違い
大きな水槽と思っていたのは勘違い
無数の世界の中で 無数の孤独が息をする
正義と悪
常識と非常識
可能と不可能
全ては勘違い
正義という鎖に
常識という洗脳に
可能という絶望に
僕の意志と世界の仕組み
どちらが輝くか
やってみないと分からない
やる前に絶望するなら
常識を打ち破れ
やって後悔するなら
正義を引き千切れ
美徳も罪も僕次第