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夏生詩集3

一語一語

作者: 夏生

一語一語があたりに散らばって

なかなか言葉になってくれません

いつも痛みかなしみ、喜び笑って

過ぎてゆく瞬間を見送るのさえ

忘れてしまって

まとまりません


散らばった一語を手にとってみれば

ただの道具であって部品であって

さあ、どうしましょうとなって


釘一本から家をイメージするように

一語から言葉をイメージできなければと

唸りながら考えていました

考えれば考えるほど、言葉は遠くなって

一語は一語のまま、はて、何でしょう?と

小首を傾げています


一語を白紙の上にのせ

指でそっと配置しながら、この迷いを

戸惑いを、焦りを綴っています


動かなければ何も変わらない

考えて唸っても傍目からみれば

眉間に皺寄せた疲れきったおばさんです

動き出せば

生き生きと見えるはずです、おそらく


眉間に皺寄せた疲れきったおばさんが

何やら必死に綴っている姿は

ちょっとこわいかもしれませんね






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