第2話
「…状況を説明してくれ。」
「それはですね…」
真ん中の青年がゆっくりと立ち上がる。
※状況説明中※
「…要するにソコの風神と雷神が喧嘩していてその余波で俺は死んだ、ということか?」
どうやら風神と雷神が殴りあっていたときに、雷神の雷が地上に落ちたらしい。
「その通りです」
自分が変わった(というかボッチな)人間であるとは常々思っていたが、まさか神に殺されてしまうとは…
「それで、あんたは最高神として責任をとるため俺の前にきたということか?」
「その通りです。」
「…それで、俺はこれからどうすればいいんだ?」
前の世界の未練といったら、×月△日に新作ゲームが発売するとか、俺を反面教師にとして育った成績は悪いが社交的な妹が少ししんぱいなくらいのものだ。
「ものすごく冷静ですね。大抵の人は混乱するか、怒り狂うのに…。」
「おいまて」
「え?」
「俺の他にも神達のミスで死んだ奴がいるのか。」
「結構いますよ。そのせいで私の仕事は増えるばかりです。はあ」
神と名乗る青年は深い溜め息をついた。
神とは意外と忙しいモノなのかもしれない。
「では、本題に入ります」
俺は身構える。
「あなたをには異世界に転生してもらいます」
「異世界?」
「魔法があって、貴族がいて、エルフがいてドワーフがいる、あなたがいた世界からしたらとてもファンタジーな世界です。」
「ちなみに、レベルやスキルも存在していてあなたの場合ウィンドウで自分のステータスも見ることが出来ます。」
「ウィンドウは自分にしか見えないので、ウィンドウを操作しているときに情報を盗み見られたりしないので安心してください。」
「そんなゲームみたいな世界誰がつくったんだ。」
今まで空気だった雷神が口を開いた。
「娯楽を司る神、ヲターだよ。」
同じく空気だった風神も口を開く。
「あのデブ何故だか俺達より力が強いんだよ。」
真ん中にいた青年が話にわりこんでくる。
「では、楽しい楽しい異世界生活の始まりです。」
急展開だ。
「ある程度のボーナスをつけておきましたから。」
自分の身体を光が包む。
「ちょっとまっっ」
視界が白に切り替わった。
そうして俺の異世界生活は始まった。