春の訪れ
学食委員の都合で昨日の昼休みを全部潰された俺は一向に会ってくれないゴリラに
怒りを爆発させていた。
その怒りに付き合っていたのは時藤友子である。
何でかと言うと、俺が昼寝をしていた所を時藤が邪魔をしたからという至ってシンプルな
理由だけ。
「それにしてもゴリラは……!………?………!!」
さっきからずっとこんな調子。
笑顔で相づちをうてる時藤に尊敬するよ。
「で、何でお前はココに居るの?」
「いまさらですか、遅いですね」
「はい、すいません」
「私もここでよく昼寝しに来るからですよ」
「へぇ〜、じゃあここは昼寝スポット?」
みたいだな。
そして時はあっと言う間にすぎ、三月……。
順調に仕事や大学選びも終わり、あとは卒業のみ。
それを面白く思わない人が居る。
時藤だ。
さも憂鬱そうに窓際に座って溜息をついている。
そりゃ気持ちも分かんないでもないけど。
俺だってダチどもと別れんのは結構キツイいいだぜ。
女子ってよく分からない動物だな。
「はぁ〜」
「なーに『はぁ〜』なんて婆くさい溜息ついてんだか」
「だって〜もうすぐ皆卒業じゃん、なんか……寂しくて」
「そんなものかねぇ〜」
「だって皆次のステップへ進んで行くのに、私だけここに置き去りなんだもの……」
「…………………」
「置いてけぼりは嫌だよ……」
つうーっと滑らかな頬に涙が伝った。
涙はあとからあとから溢れてきて白衣の上に滴った。
「ねぇ、置いてかないでよ。あたしも大学行きたいよ…」
「……………………………」
「っく…ひっく……う…」
「…くなよ」
「え……?」
「泣くなよ、一緒に行こうぜ。大学」
「え?」
「行こうって言ってるだろ」
一番自信のある笑顔で言ってみた。
「だね」
えーとようやく終わりました。変な終わり方ですけど、ご了承ください。
ホントはもっともっとも〜と長いけどばっさり切りました。
変なのは承知の上ですのでクレームはちょっと……。