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第4話 過去

オレの名前は西崎和広。兄弟は兄が1人居る。

元の名は平松和広。両親が離婚してオレは母に、兄は父に引き取られた。


兄の名は平松和真。


オレは昔から兄貴より優しいと言われて来た。

そりゃそうだろう、兄貴はヤバイ奴らと組んで強盗を働いて今は刑務所の中だ。

だから彼女にもそう言われて有頂天になっていた。


「優しいんだね」


彼女にかかった水を払ったときに言われた言葉だ。

あの時は中学生でまだまだガキだったオレは簡単にその言葉を信じた。

あの日は2人とも花の水やり当番だったので遅れ、教室には誰も居なかった。

花に水をやっていると、


「私ね、ずっと和広の事が好きだったの。でね、でも他にも和広を好きな子はいたの。

でも、どうしても伝えたい事があるの」


分かってはいたが


「何?」


と聞いた。


「私とお付き合いしてくれませんか?」


ほんのからかいのつもりで答えた。


「あぁ、いいぜ」







それからは彼女の方がオレを必要としているみたいだった。

オレは身長178cmのかなりデカい方で、彼女は155cmしかなかった。

だからキスする時にはオレがかなりかがんで、彼女が背伸びしなければならなかった。

唇を重ねる。

背中に手を回す。

ほんのお遊びがいつしか好きと言う気持ちに摩り替わる。

いつしか『かけがえのない人』になる。

キスを重ねるたびその想いが強くなる。

あの日やっと部活が終わってオレは帰ろうとしてふと、前を歩く人が目に留まった。

彼女と吹部の部長の中谷だった。

彼らは手を繋いで歩き、時折キスしていた。

駆け出してあいつらの仲を引き裂きたいような気持ちになったが、今出て行くとマズいのでやめた。








後日、放課後に呼び出して問い詰めると、


「そうよ」


と、あっさり答えた。


「別れよう」


「えぇ」


そうしてオレらは別れた。

その時のショックは今も忘れられない。

女は常に隠し刀を持っている。

相手の首筋に突き立てれる牙もある。

キスでさえ武器になる。

























彼女の名は時藤茜

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