第2話 噂
「おっきろ〜!!朝だーー!!ごふっ」
「ったく朝からるっせーんだよ!体育会系!」
「だからって急に足を上げるなよ!は、鼻血が・・・」
「自業自得だバーカ」
赤の学園は寮制である。
4人で1つの部屋を使い、どの部屋にも1人は真面目な奴がいて、そいつが
部屋の全員を起こすシステムになっている。
考えた校長もなかなか良いじゃないか。
起き抜けの気だるい空気の中、食堂にぞろぞろと人が集まる。
なんかアリみたいだな。
そんな男だらけの人いきれの中で、赤いチェックのバンダナが忙しなく動いてる。
あー、んー、確か時藤友子だったかな。
それより腹減った、メシメシ。
「よう!今日もひでぇ寝癖だなぁ」
「ハッ、お前に言われたくないね天パ」
「天パじゃねえ!自然パーマだ!」
「どっちも同じだ!!」
バチバチと火花を散らした睨み合いが始まろうとしたとき、
「あの〜、はよしてもらわないと困るんですけど」
「何だってぇ!!?」
「だってホラ」
振り返ると暗い殺気を放ち、目をギラギラさせた同級生(柔道部の80キロ以上の猛者)
がいた。
「・・・どーもすんませーん」
コソコソと逃げ帰る。
「・・・食いもんの恨みは相当でけぇな」
「こぇ〜」
「ってか今あいつバリバリ関西弁だったよな」
「まさしく大阪人だったな」
その噂はあっという間に広まった。
1時間目の終わりには生徒全員が知っていた。
う〜ん、なかなかの情報伝達網。
褒めて進ぜよう。
あれから1週間
早いもんだな、もうすぐG・Wだ。
時藤友子に関する情報は大洪水だった。
例えば純一が持ってきたヤツ。 おおまかに書くと、アイツの兄がビル・ゲイツの
第5秘書だとか。・・・嘘っぽいけどな。
あとは宏史が持ってきたヤツは、アイツの親父がアル中のバカでお袋が知的障害者だから
兄貴の送ってきた金を片っ端から使いまくるからアイツは学校に行かず、働いてるんだと。
こっちのほうが本当っぽい。
で、アイツが3年C組の明に告ったという噂が流れたが、明が
「されてない」
と、言ったのでチャラになった。
「アイツ誰が好きなんだろうなー」
「以外とお前だったりして」
「真面目な女はタイプじゃない」
「だよなー、オレも」
「オレも」
「オレも」
「うわいっぱい来た」
「でも」
「こんだけ男がいるから」
「1人ぐらいは」
「好みのタイプが」
「いるかもな」
一同
「ゲーーーー!!!」
「まっさか」
「オレじゃ」
「ねぇよな」
皆冷や汗ダラダラ。
「明はもうねぇよな」
「多分な」
「代わってくれ〜」
「やだね」
ドイツもコイツも考えてることは同じ。
って、オレもそうだけどな




