季節のお手紙
寒中お見舞い申し上げます。
寒く厳しい季節が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
最近の物価高で、私のお財布はダイエットを始めたようで、懐が寒く、
なんだか物悲しいです。
外で走り回っているシロは、時々どこにいるのか分からなくなり、
まるで、貴方が子供のころを思い出すようです。
そろそろ、貴方が其方に移り住んで、3年になりますね、
この寒さのように、貴方が一人寂しく過ごしていないか私は心配でなりません。
早く曾孫を私に見せてください。
千世
寒中お見舞いありがとうございました。
おかげさまで、私は元気です。
しばらく、この冬と共に生きようと考えています。
幸樹
春暖の候、いかがお過ごしでしょうか。
4月といえども、最近はもう暑く暑く、四季はどこへ行ったのかと思うばかりです。
ほんの数か月前までは、寒さに震えていたはずなのに、今はエアコンがなければ生きていけません。
桜が咲き乱れ、のんびりと感傷に浸っていると、案外この生活が暇だと気付き、
なにか、趣味を探す毎日です。
そろそろ彼女はできましたか?
変化の時期ではありますが。あなたのそこだけは中々変わらず、困ったものです。
千世
陽春の候、春らしい陽気も増え、気持ちの上では初夏になりました。
しかし、私の冬は中々終わらず、後輩が先に春を迎える始末。
私の春は中々来ないようです。
幸樹
暑中お見舞い申し上げます。暑すぎる夏はいかがお過ごしでしょうか、
毎年のように、最高気温を更新し、いつか50度が常態化するのではないかと思う反面。
それまでには、寿命でぽっくりしてそうと思うこの頃。シロも家の中でのんびりし始め、
もふもふは暑そうで、犬の床屋で切ってもらい、禿げたお犬様になりました。
貴方はお肉だけ食べ、野菜は中々食べてくれませんでしたが、健康診断などはちゃんとしていますか?
栄養をつけて、筋肉でもつけて、彼女さんを捕まえてきなさい。
千世
暑中お見舞いありがとうございました。
暑さのお陰で、会社への通勤がなくなり、家で仕事することになりました。
しかし、外にすら出なくなり、人と話すことがなくなるものです。
外は暑いのに、なんだか、部屋だけは冬のように寒いです。
野菜は食べています。
幸樹
新秋の候、いかがお過ごしでしょうか。
梅で作ったお酒は、なかなかおいしく、
来年はもうちょい作ったもいいと思い、今から来年が少し楽しみになりました。
シロはもふもふになり、何時まで経ってもかわいいものです。
粗相をすることが増えた気がして、なんだかもう年だと感じるばかりです。
とは言っても、長生きの種なのであと10年は生きそうです。
さて、今年こそは実家に来ますか?あなたのお姉ちゃんは来るそうです。
後、早く彼女を見せなさい。
千世
清秋の候、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
その歳で、20度の梅酒は中々やるものです。
数年にも及んだ、氷河期はそろそろ終わるような匂いがして、
何とか頑張りたいです。
年末、其方に向かいます。
幸樹
立春の候、いかがでしょうか。
あの大騒ぎのせいで、私の寿命は5年は縮まりました。
今思えば、貴方はいつもそうです。急に実家を飛び出たり、
高校を辞めたかと思えば、大学には行ったり。
暖かな風が貴方の心を溶かしますように
千世
向春の候、いかがお過ごしでしょうか。
暖かな風は、心地の良いものですが、お財布の中身もさらってしまうようです。
静寂だった部屋は、まだ2月なのに少し暑く、エアコンをつけても冷えませんでした。
どうか、曾孫が見えるまではお体をご自愛ください。
幸樹
残暑お見舞い申し上げます。
恋はお金がかかるものです。諦めなさい。
手紙をもらい、久しぶりにアルバムを開きました。
あの時は、あんなに可愛かったのに、あんなむさ苦しい男になったのだけは
許していません。
あと、私は曾孫が生まれても長生きします。不躾者め
千世
残暑見舞いありがとうございました。
最近飲んでいる青汁を送ります。くそまずいですが、栄養はあるそうです。
最近は、この時期は仕事が忙しく、どうにも眠い季節が続きます。
暖かな風が猫を連れてきたのは良いのですが、中々受け入れてもらえず、難しいものです。
今年は50℃を超える日があるそうです。
どうかご自愛くださいませ。
幸樹
秋涼の候、いかがお過ごしでしょうか?
あの地獄の鍋も引いてしまうような暑い日はどこへやら、気づけば既に初冬になったような気がします。
シロも外ではしゃぎ、のんびりしています。
今年の梅酒は少し濃度を下げました。意外と美味しいものです。
隣人のおじいちゃんは数日前に私の梅酒を飲みながらぽっくりしました。
なかなか、心中穏やかなものではないものです。
青汁飲みました。あんなもの飲めません、栄養が欲しいなら野菜を食べてください。
仕事を頑張るのは良いことですが、暖かな風を放置すれば、また冷たい風が部屋を通るでしょう。
猫は毛凄いので、掃除と服の隔離をするべきです。
暖かな風で眠れますように
千世
寒中お見舞い申し上げます
返事が遅くなり、申し訳ございません。
流行中のウイルスで仕事を家で出来るようになったはいいのですが、
家に長くいると、暖かな風が少し怖く、尻に敷かれてます。
私よりも力があるのはもうそうゆう物なのかもしれません。
近々、また向かいます。
幸樹
寒中お見舞いありがとうございます。
言うのが遅いです。尻に敷かれるどころか足踏みでもされてしまえ
あまりものの、青汁を持ち帰る用意もしてください。
千世
萌芽の候いかがお過ごしでしょうか
気づけば、もう冬も終わり、なんだか眠い時期がまたやってきました。
桜の木は、最初に植えた日からは考えられないほどに大きくなり、
今ではこの家よりも大きくなりました。
貴方を初めて見た日は、なんだかあの子を思い出し、
迎え入れた日は泣き虫の小僧で、気づけば、あんなむさ苦しい男になり、
変わらぬものなど無いと思うばかりです。
はて、そろそろ曾孫が見えてもおかしくないと思っていますが、まだですか?
千世
春早の候、いかがお過ごしでしょうか
曾孫はまだ早いです。流行り病とは恐ろしいものでまともに動けない日々も続きましたが、
暖かな風が私を繋ぎとめてくれました。最近、野菜ばかりで味の濃いものを食べようかと思えば、
健康診断の結果を出され、うだつが上がらない毎日です。
静寂の頃が懐かしく、しかし、戻りたくないような気もします。
変化は苦手ですが、常世にいるうちは受け入れるしかないのでしょう。
幸樹
残暑お見舞い申し上げます。
今年も40℃は平気で超え、謎のウイルスが流行っていますが、私は元気です。
シロは部屋で寝ています。
以前、曾孫が生まれても死なないと言い張った以上、私は玄孫を見るつもりです。
今年は梅酒を作ろうにも、飲み切れる余寒がせず、なんだか眠くなる日々が続くばかりです。
何が常世ですか、若造がどうこう言うのはちゃんちゃらおかしいです。
暖かな風に惚気るだけ惚気ているといいです。
千世
残暑見舞いありがとうございました。
電話聞きました。来月、また会いに行きます。
暖かな風が部屋に入り、気づけば2年経っていました。
自家製の梅酒をお土産にしようと、飲酒をすれど、あの味にはかなわず、
なかなか、難しいものです。
仕事もひと段落し、のんびりと過ごすことが多くなりました。
流行り病も落ち着いたようで、しばし、また会いに行きます。
尻に敷かれるのも慣れ、最近では、小さな風が待ち遠しい限りです。
幸樹
寒露の候、いかがお過ごしでしょうか。
梅酒は飲めましたか、静寂だけが支配するあの部屋は私は少し苦手です。
暖かな風が部屋を照らし、また暖かな風が部屋に入ってきました。
小さな部屋は少し狭くなり、新天地を探しています。
幸樹
私の家は広いぞ、しかも、タダだ。古臭いが
千世
余寒見舞い申し上げます。
桜の大樹の下を走り回るシロはなんだか、昔を懐かしむように見えました。
暖かな風にこの手紙の束を見られないことが心配です。
幸樹
余寒見舞いありがとうございました。
私が思うに、そろそろこの手紙を書くのは少し厳しいです。
そもそも、同じ家に住んでいるのだから直接言えばいいと思うのは私だけでしょうか。
明日は梅酒が飲みたいです。
千世
終わり




