表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/53

新しい仲間、迎えます。




「わー!どうしよう!」


 もちろん狼が倒れていることにも驚いたが、私には心配事がもう一つ。

 これ、フラグなのでは? ということである。どこかで見た、怪我をしている動物を主人公が助けるが、その動物が実は特別で、主人公にすごい力があるということがわかる、とかっていうやつである。

 まあ、助けるけど。


「今こそ、治癒(ヒール)を使う時!」

「だね!」


 治癒(ヒール)とは、最近習った、傷を癒すことができる光魔法だ。でもそれは使い手の熟練度と魔力量に大きく効果が左右されるらしい。

 少し自信がないが、今はやってみるしかない!


 手を組んで祈るように唱える。


「ヒール」

 

 私と狼の周りが光り輝く。


 少し経つと狼が立ち上がり、ヴァイオレットの瞳で私をジッと見つめる。

 そうすると頭に声が響く。

 

『瀕死のところをお助けいただきありがとうございました。私は、精霊セイクルドウルフのロディニアと申します。この怪我は自分ではどうしようもなく、諦めかけていたところでございました。そんな傷を癒して頂いた貴方様には一生でも返しきれぬ恩があります故、お仕えすることで少しでもその恩を返すことができればと思います。どうかお仕えさせていただかないでしょうか』


 あーやっぱりそう来たか~。難しい言葉使うね。フラグ回収。うーんどうしよう。ちなみにこれは念話だよね、高等技術って聞いた。

 私がリルを見ると、コソッと教えてくれた。


「セイクルドウルフはね、精霊、妖精の頂点に立つ光の妖精の使いといわれていてね~、とっても強い、孤高の存在なんだよ~。だから人間なんて下の下の下ってくらいの存在だし、普通はこんなところにはいないんだよ。もちろん血を流して倒れていることもね。人間でいうと天使に近い感じかな~」


 ロディニアーー!!!! お前そんなすごいやつだったのかーー!!

 え、それじゃあとってもすごいロディニアが治せなかった傷を治した私って…?

 これ以上考えると大変なことになりそうだからこれはちょっと置いといて。

 

「本当に私に仕えるの?私でいいの?」

『貴方様の魔力に惚れましたので』


 いや惚れたって何!


 う~~~ん。


「ごめんね。今すぐには答えられないから返事はまた明日ここに来るからその時でいい?」

『はい。お待ちしております』


 そう言ってロディニアと別れ、言ったん家に帰る。


***


「え~~!ホントどうしよ~~~~!」


 もうほぼ神じゃん!その神が私の下手に付くってどういうこと!?

 私がウンウン唸っているとリルが、


「もう仲間にしちゃえばいいんじゃな~い?」


 と言った。

 確かにもう考えるだけ無駄なのかもしれない。

 うん。もう、そうしよう。面倒くさくなってきた。



 次の日、ロディニアに仲間に迎え入れる旨を伝えると、尻尾をブンブン振って大喜びしていた。


 お読みいただきありがとうございました。

 面白いと思って頂けたら評価などよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ