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少し遅れたけど、出発します。

明けましておめでとうございます。

2025年もよろしくお願いします。

今年も頑張って連載しますので、読んでもらえると嬉しいです。




 今日は、早めに寝て明日に備える。


 普通に寝たはずだったけど、次の日になって朝起きると、枕元に服が積んであった。それは、前まで持っていた普段着のパーカーやTシャツ、スカートなどようなもの、これ着るかなあと思うくらい立派なドレスや着物で、今着られる夏物から、冬服、春や夏に着るような服もたくさんあった。季節はずれのサンタさんかな?

 でもそんなはずはないから、だとすればラレットだろう。こんな素敵な服をたくさん一夜で作れるのは彼女しかいない。

 私が持っている服が少ないことに気がついたのだろうか。そんなたくさん持って来れるような感じじゃなかったから仕方ないけど、とってもありがたい。

 帰ってきてからになると思うけど、美味しいシフォンケーキを作ってあげよう。


 今日はその中から選んだ、上は着物みたいなデザイン、下はスカートという、星空のような色の服にしてみた。ラレットから、おすすめです! とメモがついていたものだ。

 それ以外の服は、ありったけ魔法で作った空間に詰め込んでおく。昨日のトレンチコートは取りやすいところに入れて、っと。ついでに髪はポニーテールにして準備完了。

 それで準備万端になったから、上機嫌で部屋を出て、手すりの上を滑って階段を降りる。

 そこから見えたのはたくさんの妖精と、ルアラスたち出発する組。


「みんなおはよーう!」

「おはよう」

「やっときた〜。もうギリギリな時間だよ〜」

「うんうん。朝と言えるかも怪しい時間なのー。おはようじゃないかもね」


 リルとアルテアが口を揃えて指摘してくる。唯一ルアラスはちゃんと挨拶を返してくれている。


「あれ? そんな服あったかな〜?」

「よく気づいたね。そう、これはラレット作の新しいワンピース!」


 クルリと回るとスカートがふわっと浮いた。

 リビングにいたラレットを見つけて、ありがとう、と声を出さずに伝えておく。


「かわいいね〜。これからの旅にも気合が入るというものね〜」

「そろそろ行こうよ。早めについたほうがいいからね」

「あ! そうだったね。待たせちゃってたんだった」


 旅? と思ったけど、アルテアの言葉に答えてその疑問は忘れてしまった。


「じゃあみんな、お留守番よろしくねー! いってきまーす」

「….....あ、いってらしゃい!」


 みんななぜか少し黙っていて、1人が声を出すと他の子達もつられて「いってらっしゃい」「気をつけてね」「ちゃんと帰ってきてね」と言ってくれた。呆気に取られてた感じな気がする?

 少し疑問は残ったけど私たちは無事に目的地までの道のりを歩み出した。



 ここからはルアラスの先導で道なき道を歩いていく。この辺は私がいつも動き回っているから、今どこにいるのかわかるけど、多分進んで行くうちに知らないところも増えてくるだろうから注意が必要だ。

 少し歩いてから、ずっと気になっていたことを、すぐ前を歩いていたルアラスに尋ねてみる。


「あのー、さ。さっきから気になってたんだけど目的地までどのくらいあるの?」

「….....このペース歩くと、ざっと3か月くらい」

「休みをふくめるとそれ以上あるよね」

「そういうこと」


 ルアラスはそう言いながらも少し楽しそう?

 今のペースは少し上げれるとして、そんなにたくさんの時間がかかるとは思わなかった。

 でも私が見たこともないくらい遠い山脈の向こう側ってくらいだから、それくらいかかるのは当たり前か。

 大変そうだなあ。でも案外楽しいかもしれない。私はずっと家でのんびり過ごしてて、こういう旅みたいなのって初めてだからね。


「それならどうして明るく言えるのか教えて….....」


 ルアラスは全然大変そうに思っているように見えないし、逆に楽しみに思っているように感じて尋ねると、ルアラスは少し考えた後答えた。

「君たちのことを知れるから、楽しいかなって。もう少し、仲良くなれないかな….....と」


 私は照れくさそうにはにかんだルアラスを見て思ったことがある。

 もしかして......意外と仲良くなれる感じの人だったりする!?

 

「私もそう思う! なんかね、一緒にいる時間が長いと仲良くなれるんだって。──そういえばこのままずっと歩いていくの?」

「ああ、言ってなかったかな。山脈の近くまでは歩いていくんだけど、途中でたしか大きな動物とか魔物とかがたくさんいるところがあるから、」


 こ、この流れは、もしかして。歩いていくけど、途中でなにかを手懐けて、とかありそうじゃない? 今は車も自転車もないわけだし、歩かないとなったらそのくらいしか….....、それが私にできるのかは別として。


「──いい感じのを捕まえて乗っていけたらなって」


 と、私の予想とそう変わらないことを、ルアラスはさわやかな笑顔で平然と言ってのけた。




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