紙ひこうき大会、開催しちゃいます。~競技編~①
みんな、おにぎりをリビングとかで食べながら、どんな紙ひこうきを作ったのか話していた。その様子を見ると、満足いくものが出来て、自信に満ち溢れている子も、納得いくものが作れなかったのか、自信がなさそうにしている子もいる。
それから、おにぎりは種類豊富で、いろんな具材が入っていて美味しいから好評のようだった。
昼食時間を終え、ついに紙ひこうき大会。自分たちが作った紙ひこうきを見せる時が来た。
「みんなー準備はできたー? 紙ひこうき大会、ここからが本番だよー! 気合入れて頑張ってこうねー!」
私が何か言うたびに歓声が上がる。
叫ぶのも疲れる。マイクがないと不便で仕方がない。
でも、すごい盛り上がりを見せているから、ここで私が止めるわけにはいかない。
「早速始めていくね! 最初は飛び方部門からー! この部門に参加している皆さんは準備してくださーい!」
この部門には私も参加している。何個でも参加したいところがあれば参加できるようになっているのだ。
今、私は紙ひこうきを持ってきて不備がないか、最後のチェックと調節をしている。
横からリルが覗き込んできた。
「すず~! この部門に参加するんだよね。どんなの作ったの?」
「ふっふっふ…。これを見よ! 名付けて、鳥ひこうき!」
ジャーン! と、やってきたリルに私の鳥型紙ひこうき、いや鳥ひこうきを見せる。
「おお~! これはすごい! 本当に自由だね~」
「いいでしょ~。これは飛ばしたときに──」
「ダメ! 言っちゃダメ! 飛ばすときのお楽しみにするから!」
「え~、せっかく自慢したかったのにー」
「私のも楽しみにしててね〜。ふふふ~ 」
と言ってリルは去っていった。
突然来て突然いなくなったリルだった。
「それでは皆さんお待ちかね、最初の競技? の方に入っていきます! 飛び方部門の選手の皆さんで~す!」
そう言ってから、参加した妖精たちの名前を読み上げる。
「──それからずっと司会だと思われていたであろう、私も参加します!」
どよめきが起こる。
そんなにびっくりしないでよ。私がやりたいから企画したんだよ?
別に参加したっていいじゃない。
「5人ずつ飛ばしていく形式にします。では最初の方々どうぞ!」
私の掛け声と同時に、緊張気味に待っていたトップバッターたちが紙ひこうきを飛ばし、その次の紙ひこうきも少し経ってから飛ばしていくように指示をする。
やはりみんな工夫をしていて、一気に上に上がるものや、くねくね動くもの、滑空しているものまである。
でもやっぱり、私が一番かな。
だって私は、午前中ほとんど紙ひこうきの研究をしていたし、その研究の成果を詰め込んで作ったのがこの飛行機だ。負けるわけがない。
そう思っていると。
「ねえ、雨やんでるよ」
「あ、本当だ。晴れてる」
「外でできるんじゃない?」
そんな声が聞こえてきた。
それを聞いて立ち上がって窓から外を見ると、まだ地面が濡れていたり水たまりがあったりするが、空は晴れていたので、できないことは無さそうだ。
せっかくなら外でやろうか。外でやった方が気分も上がる。
「それでは、外が晴れてきたので外で続きを行うことにしまーす!」
私のその声に「わーい!」「やったー!」と、喜ぶ声が聞こえる。
外を見上げると、雨上がりの空には虹がかかっている。
これからの私の優勝を示しているのだろうか。
遅くなってしまい、本当にすみません。
これからも更新が遅くなってしまうかもしれません。




