魔法、発明します。
私は、少し気になったことがあったのでリルに聞く。
「ねえ、魔法はイメージできれば大体何でもできるって言ってたじゃん?それなら今は無い、新しい魔法も作れたりするの?」
リルはうーんと考えながら答える。
「そうだね~。できないわけじゃないけど完璧にイメージしないと駄目だから難しいんじゃないかな~」
「そうなんだ…」
やっぱり無理かなぁ。現実にもないし。そう諦めかけていた時、
「でもやってみる価値はあると思うよ~」
と、リルが言った。私は顔をぱあっと輝かせる。
「よしっ、やってみよう!」
やってみないことには分かることも分からないからね!」
では初めに、空間魔法!
目を閉じて目の前に四次元の不思議な空間ができるイメージを…
フワン
不思議な音がしたので瞼を開くと、そこにはイメージした通りの、色々な色が入り混じった不思議な空間が浮かび上がっていた。
「やった!成功!」
リルが不思議そうに尋ねた。
「ねえ鈴、これなあに?」
ふふんと胸を張って私は答える。
「これはね、名付けて空間魔法!ここに、いろんなものを入れられて、自分で持たなくてもいつでもここに入れたものを取り出せるんだよ~。多分ね」
最後はボソッと言った。
早速試してみることにする。
まずはそこらへんに落ちている石をそこに入れ、少し移動したところでもう一回空間を開き、石を取り出す。うん、どこも壊れたりしてない。成功だね。
この魔法をポケットにかけて、某青ダヌキのポケットみたいにしてみたいと思う。
次はみんなの憧れ、転移魔法だ!
人間、誰しもが1度は「瞬間移動をしてみたい!」と思ったことがあるのではないだろうか。
私は、そんな人類の長年の夢を叶えた最初の人間となるのだ!
と張り切って、高速でさっき使った石を転移先に送るイメージをする。転移先は部屋の机だ。
机の上をジッと見ていると、石の姿が浮かび上がり、コトッと机の上に落ちた。成功らしい。
「リル、今度はね、転移魔法ってやつだよ!」
「へ~え」
その後も実験を続け、様々な場所に飛ばしながら改良を重ねて、私やリルも安全に転移できるようになって、空間魔法と転移魔法が使えるようになった。
ここで、少し疲れたのと、もうお昼でおなかがすいたのでお昼ご飯を食べたくなる。
だが、大きな問題に気付いた。
食べ物がないのだ。部屋に少しあったお菓子も食べてしまった。
「どうしよう~!このままじゃおなかがすいて死んじゃう!」
そう頭を抱えていると、後ろから声が。
「食べる物ならあるよ~?」
私はバッと振り向く。地面にはたくさんの野菜や果物が生えており、横に、ニコニコしたリルがいた。
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