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紙ひこうき大会、開催しちゃいます。~準備編~


 紙ひこうきなんて小さい子供がやることだという声もあるかもしれない。でも子供がやるのは楽しいからだ。つまり、子供が紙ひこうきを飛ばして楽しそうに遊んでいるということは、大人がやっても大体楽しく遊べる。しかも自分の好きな形に作り替えることができるようになってクオリティが上がるからもっと楽しくなる。はず。

 私は子供だからまだまだ楽しめるけどね。つまり、誰でも楽しめるということ。

 


「ということで今日は、第一回紙ひこうき大会を開きたいと思いま~す!!」


 たくさんの妖精と、たくさんの折り紙を用意して開会宣言。

 ワーッと歓声が上がる。

 まずはみんなに簡単な折り方を教えて、自分で作ったものを飛ばしてもらう。


「おぉ~飛んでる飛んでる! …あ、落ちた」

「あぁ、墜落した…」

「みてみて~私のずっと飛んでるよ!」


 いろんな色の紙ひこうきか飛び交っていて、リビングを広めに造っておいてよかったと思った。みんな楽しそうだ。とりあえず出だしは順調。


「みんな~! 次は、それぞれが好きな形に作ってみて! 遠くまで飛ぶようにとか落ちないようにとか工夫して作り変えてもいいし、かわいくデコってもいいし、どんな形でもオッケー! でも最低限は飛ぶように作ってね! あとでそれぞれの部門の優勝者を決めるよ! 本格的に大会を始めるのは午後からだから、それまで好きに作ってね~! あ、魔法は……飾り以外には使わないように。よーい、スタート!」


 紙ひこうき大会と一言で言っても、いろんな部門を作って、部門ごとに優勝者を決める方式にする。例えば、飛距離部門,滞空時間部門,かわいい部門,カッコいい部門とかね。何しろ人数が多いから…。

 今日はアルテアやロディニアは審査員に回ってもらうことにした。私も参加するけど審査員もやる予定。

 こうしちゃいいられない。私もとってもいい紙ひこうきを作って優勝を目指すんだ!


「ねえリル。リルはどんな紙ひこうきを作るの?」

 

 すぐ近くにいたリルに話しかけてみる。


「私はお花みたいにかわいく、軽やかに飛ぶ紙ひこうき~。それでかわいさ部門に参加するの」

「いいねぇ、でもそんなに優れた紙ひこうきが作れるのかな?」

「そこは、頑張るしかないよね。完成するまで見ないでよ~」

「りょーかーい!」


 かわいいけど軽やかに。かわいいデザインにすると飾りで重くなっちゃうから軽やかに、軽くっていうのは難しいと思うけど、頑張るって言ってたから完成を楽しみにしよう。

 私はどんな紙ひこうきを作ろうか。

 ひとまず遠くまで飛ぶ紙ひこうきを作る? でも他にもたくさんみんなが作っていると思うから優勝できる確率は低いかな。それなら、ユニーク部門とかかな。あっ、そうだ! 鳥の形でつくってみたら面白いかも。

 


 う~んここをこう、もう少し角度をつけてみたらもっといい感じに飛ぶのかな。

 今、形は大体出来上がったけど、今度は飛び方にこだわり始めてしまった。もうここまでやってしまったら諦める気にはなれない。


 ……これでいいかな。長くに亘る改良の結果、空中でくるりと1回転をする鳥型の紙ひこうきが完成した。自信作だから、優勝を狙えるかもしれない。

 

 午後までにはまだ時間があったから会場づくりなどを、余裕があったりもう作り終わったりした妖精たちとやった。

 ちょうど飾り付けが終わった頃、お昼になった。


ここからの5話は、ほぼ閑話のようになっているので、早く本編が読みたい! という方はその次の「紙ひこうきと、再会」から読んでください。

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