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気になる、文通の内容。②



  ふぅ。やっと書き終わった。自分が書いてみて大変さがよーく分かった。もうこんなものは作らない。よくこんなもの書けたよね、ルアラス、ごめんよ。

 さーて送りましょう。またもう一枚手紙をつけて。


***


 手紙がきた。僕の要望にきちんと応えてくれたようで、全部きっちり書かれている。少し字が乱れているところをみると、頑張ったんだろうな、と少し微笑ましい気持ちになった。

 先に、一緒に入っていた手紙を読んでみる。


 “ほら、ルアラスの言う通りちゃんと書いたんだからね! でも全然読まなくていいから! あの紙を頑張って書いたらすごくすごく疲れたからもうこんなに大変なものはもう作らないと決めたよ。書かせてごめんね。でも書いてくれてありがとう! あと、いつ頃また来れるか分かる? 色々話したいことがあるの。文通も楽しいけど(これが文通といえるのかわからないけど)書くのが大変だから直接話したいな。またね!”


 という、飾らない言葉で率直に書かれた手紙だった。

 それからもう一枚の方は、中身がぎっしり詰まった自己紹介用紙だ。好きな色は白で、好きな食べ物はさくらんぼ。嫌いな食べ物はピーマンとナス、ゴーヤとセロリ、という風に、小さい子供かと思うような嫌いなものが書かれていた。見せたくなかったのはこれのことか。


 そして趣味は、歌うことと冒険。冒険が趣味、ってことはいろんなところに行っているんだろうか。

 好きなこと、楽しいこと。嫌いなことは、やりたくないこと。それは誰でも大抵が同じことを言うだろうと、届かないとわかっていても呟いて指摘してしまう。

 好きな花は、ポーチュラカなのだそうで、花言葉は「いつも元気」。色鮮やかな花だ。

 自分を動物に例えると、鳥。

 そこまで読んだところで、なんだか疲れを感じてきたのでいったん読むのを止める。書くにも読むにも疲れるというのはまったく困ったものである。

 送られてきた手紙を読んで様々なことを考えていたからだろうか。あの少女と妖精たちがいる、陽気な笑顔に溢れた家に行きたくなってきた。少し滞在しただけだというのに、愛着が湧いてしまったようだ。

 だが、そこへ行くには、もう少しかかるかもしれない。

 


***


 ルアラスから手紙が送られてきた。

 手紙には、また来れるのはもう少し先と書いてあった。

 それから……好き嫌いが子どもっぽいとか、遠回しに書かれていた気がする。なんとなく悔しい気持ちになった。だから書きたくなかったんだよ。

 いつか仕返しをしてやりたい。また来た時にでも最近仕入れた、実は怪奇現象とか霊とかにめっぽう弱いっていう情報をいつか暴露してやる!


 それから何度か手紙のやり取りをしていたりすると1か月が経過して、梅雨になった。


 雨が降りしきるある日の午前中。降り続く雨の音を聞きながら、部屋で窓の外を眺めてぼーっとする。

 雨の日って憂鬱になるのよね。だから梅雨ってあまり好きじゃない。

 学校にもますます行きたくない気持ちが積もっていくし。

 動きたくなくなる。

 部屋の中でできる遊びといえば……紙ひこうきだ!

 そうだ! 紙ひこうきで遊ぼう。

 小さい頃にたくさんやっていたから折り方も飛ばすコツも知っている。





そういうところですよ、鈴さん。

思考回路も何となく……。

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