魔法、使ってみます。
すごくすごくすごーく混乱してたけど、しばらくしてちゃんと冷静になってから考える。
よし、まずは今の状況を整理しよう。
えーっと、まず、今のところ人間は私一人で、人間がいなくなって約200年。だから私は200歳を超えている。でも、私はずっと眠っていて、でも体は中学生のまま、と。今いるこの場所は私の部屋だ。部屋の中は一見何も問題はない。でも扉から廊下に出るともうボロッボロでほぼ外になっている。
何で私の部屋だけ無事なのかリルに聞いても、その時になったら話すから、といわれるか、うまくはぐらかされてしまう。それから魔力が増えたから、妖精が見えるようになった。妖精のお友達、リルはずっと私の傍に居たって話だから、寝てる間も傍に居たのかな? そして魔力があると魔法が使えるらしい。妖精も魔法を使っているんだって。このくらいかな。
まだ信じられないこともあるけど、とりあえず受け止めるけど、現実逃避がしたくなってきた。
リルが魔法を教えてくれるって言ってたから、早速。
「ねえねえリル。魔法教えてー!」
「いいよ~。じゃあまず、魔法の基礎から~。魔法は、火魔法、水魔法、風魔法、土魔法、花魔法が基本で、イメージが明確であるほど、はっきりと効果を発揮するの〜。だから、想像力が豊かなほうが有利なんだよ〜。私は大体の種類の魔法が使えるけど、花の妖精だから花魔法に特化というか、特に上手に使えるから、よく使うかな~」
「ふーん」
妖精は属する属性の魔法に長けているということか。
「よ~し早速やってみよう!」
リルはかわいらしく拳を上げた。
「えっ、ちょ、早くない?」
「でも説明するよりやってみたほうがわかりやすいよ?」
「そっか。じゃあ早速…ってやり方は?」
「イメージすればいいよ~。ん~、最初は花がポンっと咲くイメージでやってみて!」
外に出て、いわれるままにかわいい花が咲くイメージをして魔法を使うと、地面に花がポポンッと咲いた。
「わ~うまいうまい!鈴ちゃんならできると思ってたよ!」
「やった、ありがとう!」
魔法使うの楽しいな。もう私は魔法使い!
「えっとね、さっきは基本の4魔法を教えたけど、他にも雷とか氷とかあるんだよ~。それでね、光属性の魔法は特別で、回復とか援護とかできて、聖属性魔法とかとも呼ばれてるの~」
聖属性魔法かー。かっこいいし憧れるなぁ。
「人それぞれ得意な魔法、不得意な魔法があるからとりあえず、一通りやってみよ~」
「はーい」
一通り基本的な魔法をやってみた。
そうすると、水、風、花、光魔法が得意なことが分かって、不得意な魔法は特になかった。
私、意外と才能あるかも?
「鈴ちゃんはすごいね~。普通、得意な魔法は2つくらいだし、苦手な魔法もあるはずなんだけどな。さらに、光魔法ができるのはすごいことなんだよ。うんうん、流石私が見込んだだけある! やっぱり花魔法得意だったか~」
先ほど聞いたリルの話では、得意な魔法の属性の妖精に気に入られやすいらしい。それから、「妖精の加護っていうのを妖精にもらえば、その属性の魔法がもっと上手に使えるようになって、その妖精の力が借りられるんだよね~。ということで、鈴に、加護を授けま~す!」と言われてリルから加護を授かった。
軽々しく加護って授かっていいのだろうか。
その後、いろんな種類の魔法を教えてもらった。
その中で私が一番気に入っているのは花属性の花畑にする魔法。使うと周りが色鮮やかな花畑になるという素敵な魔法。
お読みいただきありがとうございます。