少女は、魔力を使いこなしたい。②
はあ、この子、この先絶対危ない目に合う気がするな。
確証はないが結構高確率で当たる勘である。
そんなことを考えながらベッドに鈴を寝かせるのだった。
***
「ふわぁ…あれ?外が明るい?」
起きると太陽が上にある。
私が眠った時は夕方になりかけてて、少ししか寝てない気がするのに。時間が逆行?それはないか。寝ぼけて思考が変な方向に進んでいる気がする。
「すずちゃんおはよう。よく寝たね。あのまま丸一日寝てたんだよ」
ちゃんと時間は進んでました。一日って意外と早いんだね。
「まだ眠いな〜」
グゥ〜
私のおなかが鳴ってしまった。
「おなかすいた~」
「昨日の夕方から何も食べてないからね」
「ご飯食べたら昨日の続きだー!今日は寝ないように頑張るね!」
「うん、そうして〜」
今日のお昼ご飯は、ハンバーグだ。料理ができるようになってきて、ハンバーグまで作れるようになったのだ!前は少し手伝うくらいしかやったことがなかったからできなかったけど…
美味しい料理を食べた私は、昨日の練習を再開する。アルテアやリルに散々無理しないように言われた。だから、大丈夫! 今日は無理しないから! 休憩しながらやるから! と伝えておいた。
しばらく、手から魔力を出す練習をしていると、だんだん慣れてきて最初の方より楽になってきた。
そうなったときアルテアのお墨付きをもらった。
「じゃあ次は、魔力を抑えて気配を消してみまーす」
「はーい」
さっきと違って魔力を抑えるには、たくさん練習が必要なんだそうで、常に誰でも、生き物は少しは必ず魔力を持っていて、周りに微量の魔力のオーラのようなものを纏っているらしい。魔力を抑えるには、その周りのオーラを消す必要があるそうだ。
こちらはやはり習得には苦戦したが、3,4日くらいでできるようになった。
「それでは、気配の察し方を伝授しま~す」
「はーい。楽しみにしてました~」
私はぱあっと顔を輝かせる。とうとう本命だ。
「気配を察知するには、その対象が纏っている魔力を感じとることが必要なのよ」
ふむ。仕組みは分かったけど方法がわからん。
「えーっと、どうやって感じるの?」
「こればっかりは本当に人それぞれでね……。魔力に色がついて見えたり、特有の音とかがするっていう人がいたり」
「!」
「中には香りとかがするっていう人がいるくらいだから、本当に自分に合った感じ方を見つけることしかできないんだよね。まあ、難しいけど頑張ってみて!」
「頑張ってみます!」
そう良い返事はしたものの、どうしたらよいか。
「とりあえず周囲のみんなに聞いて回ってみることにしてみよう」
早速行動開始だ。




