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心強い、臣下。(仮)


 サリアの話が無事に終わったのを見届けたので、とりあえず家に戻りながらリルの用事を尋ねる。


「ところでリル。話したい事って?」

「そうだった~。話したかった事はね、すずちゃんにお客さんが来てるの~今は家で待ってもらってるよ~、ってこと」

「ちょ、それを先に言って~!」


 私は大急ぎで家に帰った。


 そこで見つけたのは、お利口に座っている黒い3頭の狼たちと、ロディニアだった。


『主様、お帰りなさいませ』

「みんな、待たせてごめんね」

『いえいえ、お気になさらず』


 ふう、と一息つくとロディニアが口を開く。


 『こちらは少しの間私に仕えていた、主様の臣下にして頂きたいと願い出てきた者たちです。見た目は普通の狼ですが、魔法が使えるため強く、頭が良いものたちですのでお役に立てるかと』


 また増えるんだね、仲間。でも何かあったときとかのために仲間は多い方がいいよね。

 もう仲間にしてしまおう。これからは基本的に敵意とか見られない限り、ウェルカムな姿勢でいこう。


「うん、いいよ。そういえば意思疎通とかはできるの?」


 私が話しても分からなくては意味が無い。


『念話はできないですが、言葉の理解はできますので、命令などは問題ないです。それから狼たちから報告などがある場合は、私を介せば問題ないでしょう』


 狼だから分かるんだっけね。

 

「そうだね。じゃあ改めて、紹介をお願い」

『はい。右に居るのがライカです。身体能力がずば抜けて高く、少し元気が有り余っているきらいがあります。そして左がレンです。いつも冷静で、状況判断などが得意です。真ん中がセラです。この中で一番強くしっかりしていますので、いつも意見が合わない2匹をまとめています。まだまだ伸びしろがありますし、この3匹を臣下にすれば今より楽に暮らせるのではないかと思います』


 確かに、強いし賢いっていうのはとってもいいね。

 う~ん、でも賢いっていうことは自分の意思もあって、もし反逆でも企てられようものなら…

 ……決めた! なんか怖いし、のんびり暮らしたいから申し訳ないけどここは断らせていただこう。

 脅すみたいになっちゃうけどやむをえない。


「では、あなたたちを臣下にします。ですが、きちんと私に仕えることができますか?命令されたことを精一杯遂行する努力ができますか?たとえ命を失うことになろうとも、仕える覚悟がありますか?」


 敢えてゆっくりとした口調で、でも威厳を示すことを意識して、問うてみた。

 このくらいやっておこうではないか。

 

「尚、少しでも反逆の意思があると判断した場合、即刻ここを追放とします」


 少しの沈黙の後、セラが答えた。


『はい。たとえ何があっても、誠心誠意主に仕えさせていただくことをここに誓います。その結果命尽きることになることになろうとも』

『はい。私も誓います』

『私も同じく誓わせていただきます』


 セラの後にライカとレンも続けた。


「よろしくお願いいたしますね。セラ、ライカ、レン」 


 私の呼びかけに、3匹は頭を深く下げて応じた。応じてしまった。

 あー……わー……えー……ほんとに?


 でもでもでも絶対加減間違えたよね? もう完全にミスってるよね? 私はそんなに偉い立場でもないのだから! やり過ぎたって! もう言葉を取り消すことなんてできないんだから! しょうがない。



 お読みいただきありがとうございました。

 面白いと思って頂けたら評価などよろしくお願いします。

 少し問い方が重かったような気もします…

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