少し、相談にのってみる。①
たくさん来てくれた妖精たちは、私に好意を持ってくれている子が多くて、一回話してみるとすぐに仲良くなれた。
今では常に何人かが私の傍に居る程だ。でも聞き分けがいいし、基本的に私の嫌がることはしないので、妖精と一緒に楽しく生活を送っている。
だが、そんな中でいつも私と一定の距離を置いて、全然話してくれないし、近づいてくることもない子が1人いた。
それは、サリアだ。
一番最初に話したから仲良くなっていてもおかしくないのだけれど、話す機会が全然ないし、一向に仲良くなれる気配がしない。
何とかしたいなぁ。
そう思っていた時、私に絶好のチャンスが訪れた。
私は少し一人でゆっくりしたくて、森を一人で散歩していた。
そうすると、石の上に、一人で座って考え事をしている様子のサリアがいた。
「……..どうしたら…」
そう呟いているのが聞こえた。
悩みがあるなら相談に乗ろうと思い、思い切って話しかけてみることにした。
「サリア、どうしたの?」
そう聞くと、よほど思い悩んでいたのか、意外とあっさり話してくれた。
「あのですね。私は内気な性格で人見知りをする性格だと自分で分かっているんです。そのために、いつもエルラさんに頼ってしまっていることも。私は今まで任せると楽だったから、ずっとそうしていました。でも、このままじゃ、頼りっきりじゃ駄目だと思ったのです」
そういってから、サリアは俯いてしまった。
「いえ、そうは分かっています。なのですが、一番肝心な、やり方が見つけられないんです。そのことで今、とても悩んでいたんです」
そう言って、サリアは、はぁ、とため息をついた。
ふむ。気持ちを吐き出すと、思っていることを整理できるのか。
「一人でできないことは、一人でやろうとしないで、他の人に頼ればいいんだよ。それで、一緒に解決していけばいいよ」
サリアは、少しだけ顔を上げた。
「そう、なのでしょうか。私なんかがが頼ってもいいのかと思ってしまうんです。迷惑ではないのでしょうか」
あー必要以上に遠慮して委縮しちゃうタイプの子だね。
私の学校の友達に居たな~。こういう子にはみんな迷惑だと思っていないことを伝えて、頼ってもいいことを教えるといいのだと思う。私の言葉がとどくのかはわからないけど。
「それなら、私にどんどん何でも相談して! 全然迷惑だと思わないし、些細なことでもいいよ。話してくれるだけでもうれしいからさ。ね?」
そういうと、サリアは少し微笑んだ。控え目だけど、可愛らしい笑顔だった。
私の前で見せた、初めての笑顔だった。
「ありがとうございます。なんだかすずさんには簡単に悩みを言えそうな気がします」
「なんでも聞いてほしいことがあったら言ってね」
「….....えっと、では私の悩みを一緒に解決して欲しいです......」
「もちろん!」
お読みいただきありがとうございました。
私はサリアのようなキャラが何となく好きです。
面白いと思って頂けたら評価などよろしくお願いします。




