ついに、来てくれました。
ある朝、私が起きると、物陰からリルと同じくらいの羽が生えたかわいい女の子たちが私のことを覗き見していることに気づいた。少し男の子もいる。
私はいつものように過ごす振りをしながらその子たちを見ていた。そうすると、私のことを見ながらも、時々話し合って悩んでいる様子が見えた。
お昼くらいになると、私は盗み見るのを止めてじっくりと観察して、妖精たちもコソコソした様子ではなく、普通に見えやすい場所で話し合いをしていた。余程白熱しているのだろう。私が見ているのにも気づいていない。
リルも妖精に気づいていながらも私が特に何も言わないため、リルもそのことについては何も触れなかった。ロディニアも最初は少し警戒していたが、やがてリルと同じようにした。
そして、長い長い話し合いや言い合いをした結果、最終的には多数決で2人が選ばれたようだった。
選ばれた1人は、ワクワクした感じで堂々と。もう1人は迷いながらおずおずと私のもとに訪れた。
「私は、火の妖精のエルラ!よろしくね!」
エルラが後ろを振り返った。
「この子はサイネリア。水の妖精だよ! サリアって呼んじゃって!」
サイネリアは蚊の鳴くような声で「こ、こんにちは」といった。
ほう。今すごく積極的に話しかけてきたオレンジの髪の水色の瞳、ポニーテールの見るからに陽キャ! って感じのオーラを醸し出している子がエルラで、すごく人見知りで緊張してそうな淡い青い髪にエメラルドグリーンの瞳の、ふんわりボブの子がサイネリア。サリアだね。エルラとは正反対の印象だ。
でもエルラがサリアを引っ張ってる感じがして、なんだか姉妹に見えるな。
「私は鈴! よろしくね!」
顔には出していなかったとは思うけど、内心では、もう頭の中がお祭り騒ぎだった。
だって妖精ちゃん可愛すぎるじゃん! そしてその子たちがかわいく話しかけに来てくれたんだよ! めっちゃ嬉しい!
その後少し話して、私のことを信用してくれたのか、近くで待機していた妖精も呼んでもらって、自己紹介をして仲良くなれた気がした。
リルやロディニアともすぐに仲良くなっていた。みんなかわいすぎる!
それから、他の妖精もどこかから見ていたのか、少しずつ私の前に来てくれるようになった。
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