姫様は再度自覚するらしいです
こんばんは。
やる気に満ちたので投下しました。
皆様こんにちは。私、アデンブリック帝国第1皇女サルヴァクリム・アイデルハートと申します。
私、運命のお相手を見つけました。誰が何と言おうと運命のお相手です。間違いありません。
麗しいお顔…空気のように透き通った淡い黄金の髪…氷のように儚く美しい瞳…世界の全ての彫刻品も叶わないお身体…はぁ…アステルムーン様…あぁアステルムーン様……
愛して愛してやまない天使様……私を治療された次の日、同じベットの上で寝ていたはずの天使様の姿が消えていました。
お父様に問いただすと、お仕事があると何処かに旅立たれたと聞きました。起こそうとしていたらしく、寝ているのに起こすのもと遠慮されたらしいです。お昼頃まで寝ていた私が悪いです…ぐぎぎ…
私は絶望しました……もう会えないのかと……。
しかしお父様は手紙を預かっているようで、直ぐに受け取り、部屋でしっかりと1字1句見落とさないように、記憶に刻みつけるように読み込みました。
天使様は仕事が終わり次第また帰ってくるとの事で…それ以外は心配しないでとか…私の身体のことも心配して下さって…これは両想いなのでは?間違いありません!
お昼過ぎにお母様がお帰りになられました。
お母様は元気に立っている私を見て抱きしめてくださいました。
少し恥ずかしかったのですが、お母様の涙を見た時、私は愛されているのだなと感じました…貰い泣きしちゃったのは内緒です。
お母様も天使様に会いたがっておりましたが、また会えるとの事でその時を楽しみにしている。だそうです。
その晩は久しぶりにお母様とお父様と共に食事を致しました。お兄様もご一緒したかったのですが、お兄様の長期休暇はもう少し先ですのでそこまでの我慢ですね。
それから何日か過ぎました。
お母様は全ての仕事を後回しにして私との時間を作ってくださっています。お仕事は大丈夫なのでしょうか…?
お父様は出来る限り食事は私と同じ時間に取って、家族の時間を大切にしてくださっています。
大天使様にも会いたいと幾度となく思いましたが、今は愛する家族の時間を大切にしなければあの慈悲深い天使様には怒られてしまいそうです。
家族の愛が心地よいといつも以上に感じていれるのは、心に余裕が出来たからでしょうか。毎日が色付いて仕方がありません。お父様との挨拶も、お母様とのティータイムも、少しはしゃぎすぎてアリマに怒られるのも、全て幸せな時間です。
ここにお兄様と…愛する天使様が居られれば……もっと幸せですね♡私がこんなに幸せを感じても良いのでしょうか。不安になってしまいます。
その不安は少しだけ的中することになるのですが…
何日かたったある日お母様とのティータイム、良い天気なのでお母様と共に中庭で紅茶とお菓子を楽しんでおりました。私のお城の庭は、専属の庭師がしっかりと手入れをしているので、色とりどりの花と綺麗に整えられた低木の緑溢れる私が好きな所のひとつです。
最近はとても調子が良く、走ったり踊ったりと…アリマにはお転婆姫と小言を言われる日が増えました…。
でもお母様は笑って許してくださるのでついつい甘えてしまうんですよね。ふふっ。
その日は外でティータイムと言うこともあって、私は気が緩んでいたのかもしれません。
踊ったり跳ねたりしていた所、石につまづいて転んでしまいました。その時……
私達の死角になる用な位置から3人…黒い服を着た人が飛び出してきました。手には刃物……暗殺者…!?
「お嬢様!!!」
アリマが飛び出しますが……多分間に合いません……天使様にまたお会い出来ずに私の人生は終わってしまうの………?
暗殺者の凶刃が私に迫る……その時
「私の姫様に手ェ出すんじゃねぇ!!!」
大きな音が響きました。
目の前には1人の暗殺者を大きな戦斧で地面に叩き伏せてる天使様…
天使様……天使様!
1度ならず…2度までも……!
黄金の女神様が象られ、太陽を模した用な戦斧と麗しい天使様…
何度…何度私の心をときめかせれば気が済むのでしょうか!
暗殺者は2人とも踵を返して、別々の方向に逃げ出しました。やはりああいう仕事をしていると、こういう判断にも優れるものなのでしょうか。
「おいガイウス!!生死は!?」
「なるべく生かせ!無理なら問わん。思い切りやれ!!」
執務室から顔を出して答えるお父様。
…いつの間にお父様の名前を呼び捨てするまで仲が良くなったのでしょうか?後で問いたださねばなりませんね?
すると天使様は私に振り返って、太陽のような満面の笑みを向けた後、空を飛んで暗殺者を追いかけて行きました。
…アリマとお母様に抱きしめられ…兵士さんが動かなくなった暗殺者の対処をし始め……お父様もこちらに向かってくるらしいです。
もう少し…
もう少しだけでいいです。
あの笑顔は反則じゃありませんか?
余韻が抜けません…………
あぁ天使様……アステルムーンさま……お慕いしております。
読んでくださってありがとうございました。