第12章 次の朝
大変遅くなって申し訳ありません。
なるだけ、早くを心掛けさせていただきます。
評価・感想・ブックマークいただけると本当に嬉しいです。また、評価、いいね、ブックマークしていただいた方、本当にありがとうございます。皆様のおかげで頑張れています。本当にありがとうございます。
チュン、チュンと鳥のさえずりで目が覚める。
「ふぁ~あ」
俺は、ベットから起き上がり、背伸びをしながら大きくあくびをした。
ちゃんとした寝床で寝たのは一週間ぶりぐらいだろうか。そのせいか、とてもぐっすり眠れたようだ。
いい朝だ、窓から暖かい太陽の光が差し込み、とても幻想的だ。
思いのほか体が軽い、どうやら疲れもかなりとれたようだ。
こんな素晴らしい朝を久しぶりに迎えたのだ、心もすっきりしているはずだった。
隣に寝ているこいつさえいなければ...
「はぁ.......」
俺は、横を見た瞬間、現実に戻され、下を向き手のひらで顔を覆い、悩んだ。
どうして、こうなったのか...思い出してみる。
だが、その前に、こいつと男と女の関係にはなっていない。そこだけは安心してほしい。
時は、俺がツィアの主人になることが確定してしまった時から遡る...
あのような感動のフィナーレ張りの会話を終えた後、ところから始まる。
少し時間が経ち、一息つき、落ち着いたころ、ツィアの父親が話しかけてきた。
「これで君はツィアの主人になったわけだが、これから、君はどうする予定なんだ。」
そう話しかけられたが、俺は、気づかず下を向き「どうしよう...どうしよう...」とブツブツつぶやいていた。
俺は、正式にツィアの主人になってしまったことから、今後について悩み、先のことなど考えられる状況ではなかった。
「どうしたんだね、しっかりしたまえ!!」
と身体を揺らされ、俺は話しかけられていることに気づき、とっさに
「はい?」
と聞き返した。すると。
「君はどうする予定なんだ。と聞いたのだが、大丈夫かい?どこか体調でも悪いのかい?」
俺は、(半分お前らのせいだけどな)と思いながらも、
「だ、大丈夫です。ちょっと疲れていただけです。」
とひきつった笑顔でごまかした。
「で。今後についてですよね?」
と言い俺は、この後のことについて考え出した。
よくよく考えてみれば、何を目的にここに来たかわからない。多分、ツィアを両親のもとに帰すのが目的だったが、結果として、両親に帰すどころか一生離れられなくなってしまった。
まぁ、それは置いといても、転生してきてから今まで、サバイバルのような状況から生き残ることが目的だったため、とにかく人里目指して歩いていただけだったため、現状目的は達成されたようだものだ。
俺は、その場でうーむと考え込むと、転生する前のことを思い出した。
そして、転生してきて、今になって大事なことを思い出した。そういえば、俺は、この世界の治安維持のために送られたものだった。
(まぁ、そんなことも考えられる余裕もなかったため仕方ないよね。)と自分を眺めつつも今後自分がやるべきことが決まった。
「そうですね、私は、旅をしながら、その場所の政治について調べています。なので、この国の内情を見て回りたいですかね。」
と答えた。ツィアの父親は、
「なにゆえに政治を?」
と聞いてきたが、女神様のためです。とも答えられるわけもなく、
「ちょっといろいろありまして。」
とごまかした。ツィアの父親は、その回答で何かを察してくれたのか、それ以上は詳しく聞いてこなかった。そして、ふぅーむと考えた後、
「この国の政治に関することなら、村長であるわしが多分、この村で一番詳しいだろう。今から話してもいいが、長旅で君も疲れておるだろう。第一に、わしも疲れた。ツィアも他の兄弟と積もる話もあるだろうし、うちに一泊していきなさい。そして、改めて明日、話そうじゃないか。」
と俺に言った。個人的には、身体的にも、精神的にもきつかったため願ったり叶ったりだった。俺は、
「ありがとうございます。」
とツィアの父親に向かって一礼した。
門番は、ツィアの父親に、「でしたら、私はこれで」といい一礼した。
それに、ツィアの父親は「ご苦労だった。」とねぎらいの言葉をかけた。
そして、帰り際、俺に向かって、
「こんなきれいな嬢ちゃんと旅できるなんて、兄ちゃん幸せ者だな?奴隷と言えどちゃんと守ってやるんだぞ?あと、荷台はちゃんと預っといてやるからな。ちゃんと、取りに来いよ?」
と俺に向かって茶化すように声をかけた。どっちが守られる側なんだかと思いつつも、
「ありがとうございます。」
と軽く一礼した。
そして、門番は俺たちに手を振りながら帰っていった。
その後、門番を見送ったあと、ツィアの父親が
「ついてきたまえ。」
と言い、家に向かって歩き始めた。
俺とツィアはその後ろをついていくように、ツィアの家に向かって歩き始めた。
「入りたまえ。」
と言われ俺は、家の中に入った。
立派な家というよりもほぼ屋敷に近い。木製の大きな家の中には、高そうな家具が並んでいた。このようなお粗末なたとえしかできない辺り、俺の身の丈に合わないほど気品ある家だということが分かる。
すると、
「おねえちゃん?」
と二階の方から声が聞こえてきた。
つづけてダダダダという足音が近づいてくる。
その足音ともに、ツィアと同じドワーフ族の男女の子供、5人がツィアに抱き着いた。
「おねえちゃん....おねえちゃん!」
と泣きながらツィアに泣きついていた。
きっと、ツィアが前に話していた、兄弟たちだろう。隣にいた、俺にも気が付かないぐらい、再開を喜んでいたようだった。
俺は、邪魔にならないようそっとしておこうとしていると、ツィア父親から、
「疲れているだろう。風呂に入ってきなさい。案内するよ。」
と言われた。俺は、(この世界にも風呂があるのか!)とうっきうっきになりながら、ツィアをおいて、風呂場に案内してもらった。
その後、ツィアの父親に風呂の場所を教えてもらい、礼をいってさっそく使わせてもらうことにした。
さすが村長の家だ、脱衣場広い、また、タオルのような布も置いてあった。至れり尽くせりじゃないかとおもいつつ、脱衣をし、風呂場の戸を開けた。
「うぉ、すげぇ!!」
綺麗な室内温泉の様だった。まさかの外はガラス張りで、温泉用の室内 庭園のようなものが見えた。まるで、高級旅館の様だった。さすがに、シャワーのような機械的な設備はないが、思っていた以上の技術に驚いた。武器作成が得意なドワーフ族というよりも、こういった鉄、岩製品、全般が得意なのか?とも考え始めた。
だが、今、深く考えても仕方がないので、風呂に入ることにすることにした。俺は、体を軽く洗い、湯船に入った。」
「ふぅ~~~」
おれは、唸り声をあげて湯船につかった。
気持ちがいい、とても気持ちがいい。こんなに全身が暖められたのはいつぶりだろうか、疲れていくのが全身から出て行くような感覚だった。
俺が、久しぶりの湯船に一息ついていると、
「ご主人様~湯加減どうですかぁ~?」
というツィアの声が聞こえてきた。俺は、
「とても気持ちがいいね、久しぶりなのもあって。」
と気を抜いた声で答えた。すると、
「そうですか、それならよかったです。」
とツィアが答えた。その返答とともに、ばさっばさっと布のような音が聞こえてき最初は、タオルの準備でもしているのかなと思っていたが、タオルなどは、ツィアの父親に入る前に渡してもらっている。と考え始めた矢先に俺は青ざめた。
まさか、風呂に入ってこようとしているのでは?
と思い、俺はあわてて湯船から出て、風呂の戸に近づき、戸が開けられないよう抑えつけた。
その瞬間、ビンゴ、ガタっと戸を開けようとする音が鳴った。
「ちょ、あかないじゃないですか。」
とツィアが困惑する言葉を発した。
「いや、なんで開けようとしてるの?」
「開けなかったら、お風呂に入れないじゃないですか!」
「俺、入ってるのに入ってこられても困るんだけれど!?」
といい俺は必死で戸が開かないように抑えつける。すごいパワーだが、戸が壊れるせいだろうか、力をセーブしてくれているおかげでどうにか抑えられている。
「奴隷なんですから、ご主人のお背中、お流ししないといけないんですぅ!」
と声とともに、力を少し強める。だが俺も、負けないよう必死で抑えつける。親御さんの前で、娘と一緒に入るなんてどんな羞恥プレイだ。そんな、ことをすれば俺はこの村を歩けなくなると思い、必死に踏ん張った。俺は、
「親御さんの前で、そんなことしたら、不審がられるかもしれないぞ?そんなことになったら、一緒に旅なんてできないかもな?」
とツィアに言う。すると、急に戸を開こうとする力が弱まった。その瞬間、俺は転びそうになる。そして、少しの間、沈黙が続いたあと、
「分かりました。今回は、我慢します。私とご主人様のためですもんね。」
と不服そうな声が聞こえてきた。俺は、「あぁ、」と答えると、ツィアはしぶしぶ出て行ってくれたようだ。
俺は、そのあとまた汗をかいたためもう一度湯船につかってから、風呂を上がった。
その後、ツィアの父親に、ご飯をごちそうしてもらったが、ツィアがむっとしていたせいか、ご飯の味がしなかった。多分、ステーキなどがあったと思う。
そして、豪華な一人部屋を用意してもらい寝た。
そして、現在に至る。正直、風呂以降は、あんまり覚えていない。正直、ツィアとのとの綱引きでめちゃくちゃ疲れていたんだと思う。
ただ、しっかりと覚えているのは、俺は、寝るときは一人だったはず。だが、どうして、今横に、こいつが寝ているのだろう。
俺は、ツィアの主人としての生活が正式にスタートしてしまったのだと、嫌でも実感させられたのだった。
※ちなみに、こんなタイトルですが、作者はな〇う系が嫌いなわけではないです。
そういう主人公の設定です。