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第95話 加速地点

 レギオンの街の外で、俺、アンバーは哨戒任務に当たっていた。


 見渡す限りは草原で、遠くの方には龍が住むとされる山脈が見える。

 此処からは霞んで見える。龍の姿など一度も見たことない。


 きっと、近くにでも行かないと見えないんだろう。

 今いる場所からは見えないもの。そういうものなのだろう。


 であれば、俺が見ている景色と、アルナレイトが見ている景色はまるっきり違うのかもしれないな。


 なぜそんな益体もないことを考えたのかというと、その理由は、俺とアルナレイトが剣を握り始めた時期は、そんなに変わらないからだ。

 俺もアルナレイトも刀を握り始めて半年程度しかたっていない。

 でもどうだ。

 今あいつは、生まれてから今に至るまでほとんど刀を握っていたレアンと肩を並べるほどの実力を身に着けている。


 俺は師匠との稽古が終われば、その足で自主練に向かう。

 それを欠かした日など一度だってなかった。


 だというのに、アルナレイトに追い付ける気がしない。


 レアンが主導してくれた共鳴スキルの影響で、今のレアンほどまでとはいかないが、魔力操作による戦闘手法をいくつか使えるようになった。

 だが、それでもアルナレイトは遠くに立ったままだ。

 魔力操作による動作強化で、威力も速度も重さも俺の方がすでに上回っている。これは俺の驕りなんかじゃない。事実だ。

 この前手合わせした時、全く敵わなかった。

 どれだけ魔力操作で威力を上げても、速度を、重さを上げてもアルナレイトには当たらないのだ。


 とめどない連撃の打ち込みをすべて、流れるような動きで裁かれる。

 いったい何が、あいつの剣術にあるんだ。


 (威力は、速度は、重さは通じない。であればなんだ?)


 どれだけ考えても分からない。剣の強さを決めるのは、それらの要素じゃないのか。

 もしそれ以外の要素があるのだとしても、俺にはわからない。

 俺にできることは、それらを高めることだけなのだから。


 俺に見えているものと、アルナレイトに見えているモノはきっと違うのだろう。


 「………っと、いけない。

 哨戒任務なんだ。他のことに気を向けていてはダメだ」


 緩んでいた魔力操作を引き締めなおす。

 

 「えーっと、ここはこうして………と」


 イメージを固め直し、一つ一つを結わえなおすように魔力を纏い直す。

 ようやくすべての魔力が纏われたとき、俺は遠くに奇妙なものを見た。

 

 目に魔力操作で魔力を集め、その働き一つ一つを丁寧に強化していき、遠くにあるものを見た。


 「………なんだあれ………!?」


 それは、きっと魔物だ。

 一度だけ見たことがある。レギオ村を襲っていた、前足が鎌になっていた魔物。

 だがそれだけじゃない。鎌と化した前足が四本と、地面を走る脚が同じく四本。


 見たことのない魔物だった。


 「………くっ!」


 街には結界が張られているとはいえ、破られれば大きな被害が出る。

 俺は街に接近する前に倒すことを決め、全身の魔力を駆動させ、地面が捲り上がるほどの脚力を以て地面と平行に跳躍する。


 「きゃあああっ!!!!」

 「あれは………誰か追われてるのか!?」


 2mはありそうな魔物に追いかけられているのは、女性。

 これと言った特徴はないものの、かなり容姿の整った女性だった。


 「これは助っきゃねえな!」


 助けたらお礼してくれるかも………なんて下卑た考えは一旦遠くのところに置いといて。


 気を引き締め、刀を引き抜き魔力を纏って突進する。


 「お姉さん、俺が引き付ける!」 

 「あ、ありがとうございます!」


 俺は女性とすれ違いざまにそう告げると、もう一度地面を蹴り加速する。


 四本の鎌。その威力は受ければ即死。運が悪ければ即死は免れ、激痛を味わうことになる。

 だが、俺の意識の中には、レアンが共鳴で残してくれた感覚が眠っている。

 それと同時にレアンの感覚が共鳴されたことで、魔物の核の位置をなんとなく認識できるのだ。


 彼女は何度もこの手の魔物と戦い退け、あまつさえ倒して見せた。

 その動きが、俺に共鳴されているのだ。


 魔物が上腕部の鎌を大きく振り上げる予備動作。

 それと同時に、残った二本の鎌を小さく折り畳む。

 目を凝らせばわかる。魔物が上段に構えた鎌はフェイク。折り畳んだ鎌は僅かに込めた力みを隠しきれずに震えていた。

 

 (ここだな………!)


 同じように俺も、下段に刀を構える。

 刀身には青い魔力の輝きと、もう一つの力が煌めきとなって反射する。

 俺はもう一度地面に着地し、踏み込もうとする。


 その隙を、魔物の鎌は逃さない。


 「「ヴォロラァッ!!」」 


 攻撃は最大の隙。俺はアルナレイトにそう教わった。

 俺もその隙を、逃さない。


 凄まじい勢いで放たれたのは鎌。大型の槍が二本迫ってくる光景は、吐きそうなほどの重圧を覚えずにはいられない。

 俺の足は地面に触れ、それと同時に輝きがさらに強さを増す。

 拡張戦技(エクステンド・アーツ)の発動。その合図だ。


 俺の刀は踏み込みと同時に不自然なまで速度で加速し、二本の大槍と化した魔物の両腕を潜り抜ける。

 二本の腕を避け、高らかに掲げられた死の刃は最早、懐に紛れ込んだ俺には当たらない。


 「せいや”ああっ!!」


 半濁音交じる裂帛の気合と共に刀を横薙ぎに一閃。

 魔纏戦技(エンチャント・アーツ)拡張戦技(エクステンド・アーツ)を同時に使用することでその威力を大幅に向上させた。


 魔物の外骨格をまるで腐肉のように切り裂くアンバーの一撃。


 空中に一条を描く一閃は、しかし、アンバーに手ごたえを感じさせなかった。


 (クソっ!外したか!)


 アンバー達はレアンの感覚が共鳴されたことで、魔物の核の位置をなんとなく認識できるのだ。

 しかしその感覚は与えられたものにすぎず、攻撃を外してしまうこともある。


 だが、アンバーはレグシズに認められ、刀を持つことを許可された。

 こんなことで、策が尽きたわけではない。


 拡張戦技(エクステンド・アーツ)のデメリットは、スキルを使用した後は体が技後硬直(ポストモーション)で動かなくなってしまうのだが、それには条件がある。

 それは、技の使用後、武器を持っていることだ。加えて、武器を手放したとて体の動きが停止するのを避けられるわけではなく、僅かにそれが遅れる程度。

 剣士として武器を手放すことは命を捨てるようなものだが、ことアンバーにおいてはその限りではなかったのだ。


 アンバーは刹那の間。全身に纏った魔力に意識を張り巡らせる。

 アンバーの魔力操作による魔纏闘法(エンチャントアシスト)は、レアンが使うものとは少し異なる。

 レアンは魔力操作で肉体全体を一つとして強化するのだが、アンバーは、それをさらに細分化する。

 肉体を構成する筋繊維、骨。それらにまで意識を巡らせ、一つ一つを強化するのだ。

 そして、強化したそれらを、打撃を放つ拳や足に向かって順番に動かし、加速させ、凄まじい運動エネルギーを発生させる。


 無論それは、肉体に多大な負荷をかける行為に他ならない。僅かにでも魔力操作を誤れば大けがに繋がる行為だからだ。

 

 「………っつう!!」


 魔力操作の精度がそこまで高くないアンバーの体は案の定悲鳴を上げていたが、拡張戦技(エクステンド・アーツ)の硬直によって体が固定されていくため、ある程度のダメージはスキルを利用して防ぐ。


 拡張戦技(エクステンド・アーツ)を用いた強力な一撃に加え、さらなる魔力操作によって凄まじい格闘攻撃を行う。それがアンバーの編み出した技であった。


 「う………おおおおッ!!」


 拳は斬撃の命中したところへ突き刺さり、そのまま核を握りこむ。

 拳の一撃は風を吹きすさび、魔物ごと三mほど吹っ飛ばした。


 斬打二連(スラッシュインパクト)。それがアンバーの技の名前だった。


 核を引きちぎられた魔物はそのまま魔力へと帰り、空気へ解けていったのだった。


 ………


 ……


 …


 未知の魔物を倒したアンバーは、その報告のために一度街へ戻ることにした。

 保護した女性の名前は、ミナエル。ミナエル・デミニスというらしい。

 レギオンの街が出来たとき、山菜取りに出かけていて、山奥で道に迷ってしまい、2日かけて何とか帰ってきたものの、いつの間にか村から人が消えていたらしい。


 「その……ありがとうございます。

 わたし、あんな魔物見たの初めてで、すごく怖くて………」


 ミナエルと同じでアンバーもまた、あのような魔物など見たことがなかった。

 

 (まるでいろんな魔物がくっついたみたいな魔物みたいだった。

 突然変異、という可能性もありそうだ…)


 何とか自身の技で倒すことができたからよかったものの、もし自分が死んでいたら、今自分の隣を歩くミナエルは生きていなかっただろう。


 (………そうか、そうだったのか)


 アンバーは思い至る。

 アルナレイトの強さは、確かに威力や速度、重さによるものではない。

 彼の強さは、覚悟によるものだと。


 (あの時俺は、ミナエルを死なせないために恐怖を我慢して戦った。

 きっと魔物に恐怖したままでは、まともな戦いすらできなかっただろう。

 じゃないと、俺はきっと魔物にあんな至近距離まで接近したりしない。怖くてできない。

 でもそれを、あの時は踏み倒した。きっとこれが、強さ。

 挫けず前へ進むこと。これが強さなのだろう)


 アルナレイトだって、俺の攻撃が当たれば痛いはず。怖いはず。

 それを押し殺して、間合いを詰めて戦ったのだ。長大な射程を持つ剣技ばかりを体得している俺相手では、それが正解だ。

 アルナレイトの成長が早いのも、きっと覚悟によるものなのだろう。


 (………でも、きっとまだまだなんだろうな。あいつの強さで見える景色が、俺にはまだ見えない。

 いつか同じところまで、上り詰めてやるぜ!)


 と、心意気を新たにしたアンバーの腕に、なにか柔らかいものが触れる。


 「ん?」


 ミナエルは涙ぐんだ瞳をアンバーに向け、その腕を抱き寄せていた。


 「あの、剣士さま。よろしければお名前をお聞かせくださいませんか………?」

 「ふぁ、あ、アンバー、だ」


 (え、なんで腕、てか柔らか………最高)


 さらに腕を胸の方に寄せるミナエルは、ぐい、と顔をアンバーに寄せる。


 「アンバーさま、わたし、本当に怖かったのです………でも、あなた様が助けてくださったおかげで、私はこうして命を得ました………。

 どうか、恩返しをさせてください!」

 「あ、ああ、うん、じゃあ、しばらくこのままで」

 「………?その程度でよろしいのですか?」

 「うん、うん。このままでいい。このままがいい」


 それから数分歩き、街に到着すると。


 「ふわぁ………!こんな大きな街があったのですね!」

 「な、すごいよな。一応この街の領主はレアン、っていうんだけど、俺の友達だから。

 ミナエルさえよければ紹介するよ。たぶんこの街で過ごすことになるんだろうし」

 「私なんかが………こんな立派な街に……!」


 ミナエルが目を輝かせていると、アンバーに向き直る。

 

 「できれば……その、わたしは、アンバーさまに近い場所に住まわせていただきたいのですが……」

 「………こほん、まあ大丈夫じゃないかな。まあとりあえず、レアンのところに行こうぜ」

 「はい!参りましょう!」


 ◆◆◆

 

 街の領主となってからは、私の日々は大忙しだった。

 エスティエットくんに礼儀作法や一般常識を習い、おじいちゃんとの稽古、アルナとの実戦稽古。

 それに加え、街で起きていることの対処に務めていた。


 街でお店を開く人たちの間で、もう物々交換では価値が見合わない、という声が上がってきている。

 アルナが言うには、この街には貨幣制度がないことが原因だというらしい。そのあたりはアルナ達がどうにかしてくれるとのことなので、皆には今問題解決中と伝えておいた。

 あれから食べ物のお店だけではなく、様々な道具を取りそろえたお店や、宿を経営したいという方たちが集まってお店を経営し始めたりと、いまはお店を構えるのが街に越してきた人たちの流行となっているようだった。

 それにより街の経済が発展し、少しずつではあるがその規模も拡大してきた。

 元傭兵の人も、アザールシップ内の物品を使って珍品を取りそろえる嗜好店を始めたり、街は少し混沌としている。


 「………ふぅ、これで34店目かぁ」


 店舗経営の許可証が徐々に重なっていく。

 アルナ達が決めた決まりに従って許可証が発行され、それに私の名前で署名する。

 今日で34店舗目。このままだとあっと言う間に大通りはお店で埋め尽くされそう。

 

 少し気疲れしたので、横にある休憩室で休もうとしたとき。


 「レアン、忙しいところ悪い。すこしいいか?」

 「アンバー?いいよ、入って」

 

 部屋に入ってきたのは、現在街の防衛部門に任命されたアンバーと、見たことのない女性。


 「えーっと、そちらの方は?」

  

 もしかして、アンバーの彼女………?

 と思っていると、どうやら違ったらしい。


 「わたしはミナエルと申します。街の領主さま。

 この街に合併された村の者なのですが………移民の際、ちょうど山菜取りに出かけていて………」


 そのまま事情を聴くと、まさかそんなことが、と思ったけれど、山で迷っていたのなら確かにうなずける話だったので、アルナに話を通して、この街の住民にしてもらった。


 「うん、わかった。ここまでお疲れ様。

 ミナエルさん、この街はまだ空き家が多いから、どこでも好きなところに住んで構わないよ。

 アンバー。街のことについて教えてあげて欲しい。頼めるかな?」

 「おうよ、まかせときな」

 「それとミナエルさん、アンバーには気を付けてね」

 「なぜですか?」

 「ミナエルさんを見る目がいやらしかったから」

 「ふぇっ!?」

 「お、おいレアン!」

 「だってじじつだしー」


 ちょっと疲れていたし、意地悪しちゃったのはしかたないよね。うん。

 しかもじじつだし。うん。

 男の人は自覚ないだろうけど、そういう視線は気づいてるからね。うん。

 アルナからは一切しないのは、ちょっと不思議というかおもしろくないけど。


 「それじゃ、わたしはちょっと休むね。おふたりとも仲良くねー」

 「お疲れだったのか、悪い」

 「ううん、気にしないで。それじゃ」


 二人を見送ってから、私は隣の部屋に移って眠ることにしたのだった。

 

 ◆◆◆


 窓もない無機質な部屋の中、呼吸音だけがこだまする。


 「はぁっ、はぁっ………んく、はぁ………っ」

 「ふぅーっ、よし、このあたりか」


 二人は俺を見上げて、険しい顔で言う。


 「すごいな………なんで二人がかりで仕掛けても一切攻撃が当たらないんだ」

 「ほんっと、いみわかんないわ………はぁっ」


 俺はフェリフィスとヴェリアスに戦闘術を叩き込んでいた。

 無論容赦などしない。理外権能で治せるのだから問題はない。


 「で、一体何をさせようっての………?」

 「だな、久々のメシにありつけたのは幸いだったが、俺たちは何をすればいい、アルナレイト」


 こいつら二人には、イオラとともにニーアの偵察に向かってもらう。

 無論イオラには使い捨てていい人材だと告げている。


 「ああ。危険な場所へ調査に赴いてもらう。

 わかっているとは思うが、命の保証なんてするわけがないからな。

 レアンが許しただけだ。俺はあそこでお前らが死ねばいいとすら思っていることを忘れるな」

 「………ああ。わかっている」

 「………ええ」


 レアンはこの二人、大罪人を許した。その慈愛は他人に向けられるべきだろうが、それでもレアンがそうしたいと言ったのなら、俺はそれに従うまでの事。

 

 「最低限の技術は叩き込んだ。

 あとは装備を支給する。それで終わりだ」

 

 最後まで俺は表情を変えずに殺したまま、部屋を後にした。

 危なかった。これ以上一緒の部屋にいれば殺してしまうところだった。


 ………自分が自分ではない。そんな感覚に襲われる。


 それも最近からじゃない。ずっと前、ずっと前からだ。

 まだぼやけて聞こえないが、波だけは魂の鼓膜が捉えている。


 意味はまだ伝わらないが、響くものがある。俺自身を飲み込もうとするものがある。


 それが何か、まだわからない。

 それが何か、知る時が来たら。


 俺は変わってしまうのだろうか。


 だとしても構わない。俺の目的に即しているのならば。


 何があっても、俺は、ヌルの目的を果たす。

 この世界にはまだまだ知らないことばかりで、敵わない敵ばかりだろう。

 だが、それでも俺は、目的を果たす。


 ………なぜ、こうなのだろう。

 単純な疑問。あの時、俺はヌルの人となりなど何一つ知らなかったのに、あの時はなぜ、そう思った?

 突き動かされた。衝動があった。それ以上もそれ以下もない。

 理由が、俺の中にはない。


 目的はある。忘れたわけじゃない。

 理外の力で、俺は世界を導く。この世界の拡張を止める。

 おそらく、俺の腕を奪ったあの男は、世界の根幹に近しい力を持っていたのだろう。

 でなければ、俺の腕が理外権能で戻せないわけがない。


 俺は、ヌルの目的に協力すれば、やがて俺の目的達成に近づくと思っているから協力している。

 無論、ヌルの目的を果たすことも、今の俺の原動力となっている。


 あの男とヌルの関係を聞くことができれば、俺はさらに、一歩目的に近づける。

 けれど、もしヌルが、俺の敵対者なら、俺は彼女を殺せるのだろうか。


 ヴェリアス、フェリフィスに向ける殺意を、ヌルに向けられるか?

 きっと、俺には………。


 ………もしヌルが、俺の敵であったなら。


 ◆◆◆


 かつて、滅びに向かうだけだった只人種(ヒューマン)の生き残りたちは、魔物のによってその滅びに向かう速度すら加速し続けていた。


 だが、今となってはその真反対の方向へと徐々に進みつつある。


 平和を脅かす魔物は姿を消し、散り散りだった只人種(ヒューマン)の村は一つにまとまり、外敵から身を守れるだけの街を作り上げた。

 

 ありえざる転換地点。大きな反転は反動を呼び、それは衝撃波となって身を滅ぼす。

 その”波”は、少しずつ、だが確実に迫っている。内からも。


 これから彼らは、さらなる危機に晒されることとなる。

 逸れた運命の刃に、命を落とすこともあるだろう。

 

 しかし、加速し始めたそれはもう止まらない。

 いくつもの犠牲を払い、心すら壊しても、進むことしかできない。


 それこそが、彼が自ら選んだ道なのだから。 

村発展編、終了です。

次話からは新章がスタートします。

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