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第38話 過ち 破

お待たせしました。

予定が狂ってしまったため、1日空けての投稿となりました。

次話投稿は明日以降になります。


 自分は本当に、つくづく愚かで思慮浅い人間だと思う。

 自らの愚かさを恥じながら、俺は閃光にも負けないくらいの気持ちで、村の中を駆け抜ける。


 ヌルの話で最初に気づくべきだったのだ。

 師匠が、この村に異人の侵入を許すわけがない。

 だがこうして侵入者が存在するとなれば、師匠の身に何が起きたのだと、気づかなければならなかった。


 村を守る堅牢な防護壁が見えてくると、俺は駆ける速度を緩めずに壁へ向かって走る。

 狙いを定めるために左手を翳し、前方の壁を見据える。


 〔分解〕と唱え、壁の一部が蒼白い粒子となり消える。その粒子に飛び込み村の外へ抜けると同時に壁を〔再構築〕し元に戻す。

 そのまま走る向きを方向転換し、先程レアンの前で〔解析〕した時にあった師匠の反応を感じた場所まで、さらに脚に力を込めて駆ける。


 数秒の後に反応の近くまで移動すると、夜の寒さからくる、白い吐息が見えた。


 「師匠っ!!」


 急いで師匠の元へと駆け寄り、傷口に〔再構築〕したリデンスカの花の蜜を塗り、一口飲ませる

 すると師匠の傷口はみるみると再生し、額に浮かんでいた汗も引いていく。


 「ありがとう……助かった…」


 師匠は俺の肩に手を置き立ちあがろうとする。しかし力が入らないのかよろけて転びそうになる。

 そこを俺が支えると、次は自力で立ち上がった師匠は、俺を見ながら言った。


 「あの馬鹿者……ヴェリアスが、数十人を引き連れて、この村に襲撃を行っている…私も村に戻る。

 お前も村のために戦ってくれ」


 もう二度と聞くことはないだろう名前が師匠の口から出て、俺はどうしようもない怒りを感じた。

 腑から怒りが現れ、今にも喉元から放たれんばかりの勢いを必死に堪え、師匠の言葉に耳を傾けた。


 「気を付けろ、アルナレイト。奴は何か特別な力を得ている。私ですら反応もままならない何かを奴は得た。

 魔物より厄介な相手だと肝に銘じておけ…ぐふっ」


 師匠にもう一口花の蜜を飲ませると、今度は完全回復したのか、軽やかに刀をしまうと、村の入り口まで向かう。

 俺はその道中、先程と同じ手順で壁に穴を開けて直し村に入ると、今度は師匠の全力の疾走に着いていく。

 師匠の走りの速さには驚かされる。

 推力による加速を行ってはいないものの、年齢差など感じさせないほどの速度で、気を抜けば置いていかれる。


 実際には数分なのだろうが、何時間にも感じた疾走の中、家にたどり着くとそこにレアンの姿はなかった。


 「何処だ!レアン!」

 

 呼びかけてみるが反応はない。

 一体どこへ行ったのかと周りを見渡す。しかし人影はなくすでにここにはいない。

 

 「…なんだこれ」


 暗い夜に人影を探そうと思っていたのも相まって気づかなかったのだが、地面が深く抉れている。

 一目見た感じだと、俺の膝までは軽く入りそうな深さ。

 さっきまではこんな傷は無かった。怪しいと感じた俺は、すぐさま抉れた部分を〔解析〕した。

 〔解析〕の権能は、俺の脳内に情報を開示した。


 〔解析:微かな魔力と固有源素波の反応を確認〕


 聞きなれない単語が出て来たが、魔力の反応があったこと、そして、深く抉れた地面という二つの情報が、俺に何が起きたのかを教えてくれた。


 きっと、ヴェリアスやその仲間が、レアンと戦闘した。

 考えたくはないことだが、レアンはヴェリアスに敗北し、この場から連れ去られた…といったところか。


 またしても噴火しそうな怒りを堪え、新たに知った単語"源素"というものを〔解析〕する。


 〔解析:源素。

 世界を構築する要素そのもの。

 魂より発露するエネルギーでもあり、スキルなどが発する源素波は、所有者の魂の持つ固有の波長を有する〕


 明かされた情報を読み理解し、一つの気づきを得た。


 もしかすれば、固有の源素波を調べれば、そのスキルを使用したのが誰かわかるのかもしれない。

 俺はその気づきのままに理外権能を行使した。


 すると、この場所には、二つのスキルによる固有源素波が存在しているという情報が俺の中に示された。

 俺はその固有源素波の持ち主を調べる。


 〔解析:この場に存在する固有源素波と同じ源素波を持つ存在。

 人物名レアン、ヴェリアスの源素波を確認〕


 その情報を認識した瞬間、俺は先ほどの考察が奇妙なほど正確にあっていることに驚く。

 しかしその推理は、レアンがここで敗北したという事実を確固たるものとしてしまった。


 俺はレアンの後を追うべく、視界に先ほど〔解析〕した源素波を表示し、その道を辿ることに。

 光のもやが線になったように集まったそれは、村の中心地点である広場へと延びていた。


 またしても俺は広場の状況を知るために〔解析〕を行った。

 頻繁な権能行使にも慣れてきたのか、あまり疲労を感じることは無く次の情報が提示される。


 〔広場に存在する生命体数は五十六。

 その内三十六の生命体は〔記憶〕の権能により保管されていた村人の魔力反応をは異なる〕


 やはりか。

 俺が権能行使の際に示した条件は、広場に存在する人間と、その人間の魔力反応を〔記憶〕の権能と照らし合わせて、広場に何人の襲撃者がいるのか炙りだすためだ。


 まさかこうもあっさり人数を炙りだせるとは思いもしなかったが、さすがは理外権能ということで納得しておく。


 納得はしたものの安心できる状況ではない。

 一刻も早く村人たちの元へ向かわなければ。

 あそこには、レアンやイリュエル。マグナスにアセンシアといった、俺の関わったことのある人物が多く居る。


 何を企んでいるのか知らないが、お前の思い通りにはさせないぞ……ヴェリアス。

 

 ◆◆◆


 村の広場に向かう途中、ヌルから連絡が入ったため応答すると、その内容は村の人々の内九割の保護が完了したとの報告だった。

 彼女は被害拡大を避けるために家からは動かないと言い、何かあればレヴィエルと頼れと言い残して通話を切った。

 ほっとした気持ちになりかけた。しかし今は救わなければならない人がいる以上、絶対に気を抜いてはいけない。

 

 俺はレアンが敗北したと悟った時、最初にありえないと感じた。

 なぜなら今のレアンは、俺程度では防戦一方だった魔物を正面から切り伏せるだけの力がある。

 そんな彼女に勝利を収めるというのは簡単なことではない。

 そして、師匠の奇妙な発言。

 考えたくはなかったが、ヴェリアスの置かれた環境や、先ほどヴェリアスの固有源素波が存在したことからも、アイツにもスキルが獲得できたということなのだろう。

 女性ということもあって、比較的低威力(現代人の俺から見れば異常過ぎる破壊力)であるレアンの斬撃とは違い、恵まれた体格をしたヴェリアスがスキルをもっているとあれば、彼女が苦戦を強いられるのは仕方ない。

 それでも、レアンの持つ攻撃手段の多彩さと威力の高さを掻い潜り、勝利することなど今の俺にはできない芸当だ。

 それを行ったのがあのヴェリアスだというのも信じがたいが、なにより、レアンに勝てない俺にヴェリアスを圧倒することなどできるのだろうか?いいや、戦っても敵わない。

 けれど、こちらには師匠がいる。最悪の場合、イリュエルに戦ってもらうことはできる。

 

 しかし、これは、ヴェリアスの性格を読み切れず、ここまで大事に発展させた俺にも責任はある。

 今回の件、俺が責任を取る。

 そしてヴェリアスにはもう二度と、日の目を浴びることもないような目に会わせる。


 煮えたぎった怒りを抑えながら、俺は広場へとたどり着いた。

 姿を晒さず存在を気取られぬよう、物陰から様子を伺うことにする。


 物陰から見えた光景は、俺に如何ともしがたい憤怒を引き起こす物だった。


 広場の入り口を警備するように立っている、この村の人間ではない者たち。皆頬が痩せこけて死人の様な体たらくだが、眼に宿る殺意は本物だった。

 広場の中心にいるのは、縄できつく縛られた村人たち。松明に照らされて、腕に食い込んだ縄の痛みに顔を歪めていた。そして、その村人たちを覆うように配置されている、標準的な体格の男たち。

 

 ………広場の奥、壇上にある結婚式における新郎新婦の座る高砂。

 本来なら存在するはずのテーブルがある場所には––––––––––––––––––。


 ––––––––––––––––––両腕を縄で縛られ、設置された屋根の柱から吊り下げされていたのは。

 他の村人たちのほかに、ナタリア、イリュエル……そして、レアン。


 その光景を理解した途端、抑えていた感情が爆発した。怒りが、情けなさが、不甲斐なさに、何より、未熟さに。

  

 「「ヴェリアスッ!!」」

 

 夜空に響き渡るほどの轟き共に、これから対峙する者の名前を叫んだ。

 こいつだけは、許さない……!


 「「おぅおぅ!おっせぇ登場だなぁ!?皆殺しにしちまうところだったぜ!」」


 意気揚々と返事を返すヴェリアスの声が鼓膜を撫でるだけで怒りは何倍にも膨れ上がり、今自分がどんな顔をしているのかすら想像もつかない。


 「「その人達を放せ!お前にとっても生まれ育った同郷の者じゃないのかよ!」」


 怒りのままに叫びながら、俺は刀を〔再構築〕して手元に手繰り寄せると、そのまま全力疾走でヴェリアスの元へと向かう。

 だが、警備を行っているものに道を閉ざされ、仕方なく脇を通り抜ける。

 

 あと五十m、と言ったところで、ヴェリアスとその隣にいる、同じくらいの背丈の男が動いた。


 「それ以上進むなら、この壇上にいる奴らを一人ずつ殺す」


 そんな言葉で、俺が止まるとでも思っているのか。

 俺を見下す男の宣言を無視して進もうと一歩を踏み出そうとする。

 

 しかし、男の言葉に、俺の身体が、理性がそれを拒絶した。

 これ以上、悲しませるな。自分の掛けた迷惑で、どれだけの人々が嘆き苦しむことになるのか考えろと。

 まるで、体と心が別になったかのようだった。

 自らの意志では全く動かせない身体にどうしようもない悔しさが蓄積され、思わず歯ぎしりしてしまう。

 

 「「この卑怯者があッ!!」」


 以前までは手も足も出なかった男に、こうして言葉一つで操れているという現状に満たされたのか、ヴェリアスは満足そうに嗤った。


 「「あーっはっはっはっはッ!いい気味じゃねぇかアルナレイトォ!」」

 「「くそ野郎ッ!この外道が!」」


 一歩たりとも動けない。

 きっと、これは無意識的に体が拒絶しているからだろう。代償を払い、アイツに罰を与えるという行為を。

 しかし、この場で俺がやらなければいったい誰がやるというのだ。


 ともかく、この状況をどうにか脱しなければならない。

 俺がそう考えたとき、ヴェリアスはまたも不快な声で叫んだ。


 「てめぇら!その銀髪の男を囲め!」


 ヴェリアス。お前はどこまで行っても本当に汚いやつだ。

 俺に直接危害を加えるのではなく、いつも他人を介した仕打ちしかしてこない。

 自分が手を汚すのが嫌なのだろうが、勘違いするな。命令した者はすでに、手が汚れている。


 周囲を囲む男たちは、それぞれがところどころ錆びた槍や曲刀やナイフ、直剣を持っている。

 刃の掛けた部分も多く武器としては頼りないが、俺一人を殺すのには十分だ。


 「離れろ、斬るぞ」

 

 自分の物とは思えないほど地獄の底から響いたような声でそう発する。

 丹田から湧く怒りをすべて、有らん限りの害意、すなわち殺意へと変換して。


 気圧されたのか近づくことをやめた、と思った瞬間、脚部に猛烈な痛み。


 「うぐっ!?」


 足には錆びた槍が突き刺さっており、誰かが背後から投げたようだった。

 背後に気を配ることすら怒りでままならななかったと、またしても未熟さに気づいた俺は、本当に愚かで仕方ないと思ったが、今はそんなことどうでもいい。

 痛みで鈍った殺意の膜で押し返していたならず者たちが、徐々にこちらへ距離を詰めつつある。

 刀に手をかけるも、それを見逃さなかったヴェリアスは村人のうち一人、なんとしても守らなければならない相手、ナタリアの首にナイフを掛けた。


 クックックック、と下卑た汚らしい嘲笑。

 もう、罵倒する気持ちにもならなかった。


 「……ヴェリアス、提案だ」

 「なんだぁ?ククク…」


 この状況にまで追い込まれて、もはや俺にできる行為など一つしかなかった。

 

 「お前の要求をすべての呑む。その代わり、そこにいる人たちを解放してくれ」

 「ほう……?」


 俺がすべてを背負って、死ぬことだ。


 「俺を殺してもいい。

 凄惨な拷問の果てに、死体の原型すら止めないほどに甚振ってもいい。

 それを衆目に晒してもいい。屈辱の限りを尽くしてもいい。

 その代わり、誰も殺さず傷つけるな」

 「そんなのだめぇっ!!」


 レアンが俺のしようとしている行為をやめるように言うが、一度レアンを一瞥し、笑みを向ける。


 「なァるほど、自己犠牲ってわけね」


 いつの間にか近づいてきていたヴェリアスを、俺は殺意全てを込めて睨みつける。

 

 「はっ、その目、いいねぇ。

 これから無残に死にゆく者の目としちゃ、これ以上ないお手本だな」

 「……それで、俺の要求を呑んでくれるのか?」

 「ふぅむ」


 いつまでも決めかねる男に向けて、俺は言った。


 「言っておくが、この場でお前を殺すことなどわけない。

 村人たちのことを考える心を忘れれば、お前など容易く殺せることを念頭に置いておけ」

 「なんだその態度は?要求する立場の者じゃないな?」

 「俺とお前は、こんな状況になったとしても対等かどうか怪しいぞ」


 愉悦を現したかのような表情だったヴェリアスは、その顔を怒りに歪めた。


 「てめぇら、やれ」


 その合図とともに、俺の四肢に痛みが走る。

 よろけ膝をつき、地面へと伏してしまうが、どんなにみっともなくとも、これで村人たちは救われる。


 「だめぇっ!アルナっ!!」

 

 俺の名前を叫ぶレアンに混じって、イリュエルやナタリアの声も聞こえてくる。

 ああ、俺は、みんなに心配してもらえるほど信頼されていたのか。


 「ごめんな、みんな」


 俺は声を振りしぼってそういうも、きっと届いてなどいない。


 「おいお前ら、殺すなよ」

 「……どういうことだ」


 立ち上がることもできなくなった俺をしり目に、ヴェリアスは壇上へと戻っていく。


 「何をする気だ……」


 話が違う。ここで俺を殺して、それですべてが終わる。

 もとより死ぬ気などなく、死亡したように見せかけて、油断したところを背後から切り伏せる作戦だったのだが、その策はもう使えそうにない。

 

 「「ジーク!お前欲も俺の顔面を蹴りやがったなぁ!?」」


 再び大声で叫び、拘束されている人たちの中で、ジークを見つける。


 「何をするつもりだ、貴様っ!!」

 

 ヴェリアスは、拘束されている人々、そして俺を見下した。

 満足そうな笑みを浮かべ、何もかもが自分の思い通りになるこの空間が、奴にとって最も幸せな時間を過ごせる唯一の場所なのだろう。


 「これから始まるのは、俺が最高の快楽を得るための舞台演劇さ!」


 ヴェリアスはこらえきれないといった感じで腹を抱えて、残虐な本性を現した。

 その顔は、欲望という悪魔に取りつかれ、すでに人の顔をしていなかった。


 「俺への屈辱は、正当な対価をもって支払わせる。

 まずは、手始めのジークとナタリア、お前たちに明日は来ない……くははははッ!!!」


 俺は何が起こるのか、正確に予測するために舞台上を凝視する。

 舞台上を自由に歩けるヴェリアスともう一人の男。名前も知らない男の方は、おもむろに小さな刃物を取り出した。


 そしてそれを––––––––––––––––––ナタリアの首に掛けた。


 「あっ、やっ、たすけ、じーくぅ」


  痛みに顔を歪ませ、苦痛に大粒の涙を流す。彼女のその様子をみるだけで、堪えようのない怒りが込み上げてくる。


 「その手を離せ………っ」


 堪えようのない怒りが滲みでした声で、俺は男を睨みつける。眩暈がするほどの力みに、気分が悪くなる。

 その害する要素でさせ、行かれてしまいそうになる程、怒りが膨らみ、収まる事を知らない。

 怒りが俺を満たす。腑が胎動するような錯覚に囚われるほどの怒りが、全身に行き渡っていく。

 気付けば、俺は刀に手をかけていた。


 悲鳴を上げるナタリアは恐怖に顔を歪める。死の恐怖に晒され、その恐ろしさのあまり、彼女は失禁してしまう。

 そんな醜態をこの場で晒させた男に、殊更苛立ちが募る。

 漏れ出た怒りが上顎を撫ぜり、獣のような唸り声をあげてしまう。


 その光景に、堪え難い怒りを発露させたジーク。


 「許さん…断じて許さんぞヴェリアスッ!!」


 その口を押え、男はさらにナイフを首へと近づけていく。


 「やめろ、やめろッ!」


 どうやって立ち上がったのかも定かではないけれど、俺は彼女を助けるために、気が付けば全身を治療し、男どもの囲いを抜けていた。


 「彼女から手を放せっ!!!」


 俺は閃光にも負けない思いで疾走し、壇上へと距離を詰める。


 だが。


 「ナタリーッ!!」

 「んぅッ!!んーむぅ!!!」


 それでも。


 首元の添えられた凶刃は体内に押し込まれ。

 そして静止も虚しく引き裂いた。

 身体が何度も痙攣し、抑えられた口からは悲痛な叫びが漏れる。


 しばらくして、彼女は動かなくなった。


 ––––––––––カリファさんの瞳は光を失っていた。


 繋がれた縄が切り落とされ、落下する遺体。

 それは血溜まりの中、何も映さない虚な瞳はただ地面を見つめていた。


 「な、あ、あ、ぁぁぁぁ、ぁ」

 「おねえ、ちゃぁ、やだ、いゃ、うそ、そんな…あ

 あ、あ、ぁぁぁあぁぁぁ––––––––––」


 瞳からは幾束もの涙を流し、悲しみの激情に身を委ねるレアン。

 彼女はレアンにとって、家族同然の存在だったというのに。


 俺がいながら…この殺人鬼達を易々と村に入れてしまった。絶対に帰ってこないものまで奪われて…。


 今まで鍛錬してきたのは、一体何のためだったんだ……。

お読みいただきありがとうございます。


ブックマーク、☆評価は結構ですので、もしお時間に余裕がありましたら、もう一話読んでいただき、作品をお楽しみください。



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