表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/100

その3

鞘音、アイスないのー?あっつい」

「あーうん。持ってくるよ」

俺のベッドで寝転んで足をぱたぱたさせる。漫画を読んでるのは向日葵……でなく、見知らぬJKだ。

なんでこんなことになったんだろうか?




向日葵と別れて帰宅した俺はすぐに、向日葵からのメッセージで家族は無事と気づく。


うちの家族は仕事で海外にいるので基本的に僕が一人暮らししている。


だから、向日葵がたまに朝飯を作りに来たり昼の弁当を作りに来てくれる。


水を飲んで落ち着くとさっきまでのことを思い出す。

冷静に考えないとな。つまりこの世界には魔物が溢れる世界になったのか?

もうちょっと情報を得ないと。スマホを開き確認すると各地でダンジョンが現れたという。なんだそりゃ?こんな時に政府はなにしてんだ?


学校のグループLINEを見ると色々スキルを得ただの。二組のあいつは死んだなの書かれている……死んだ?


今更ながらに自覚する。そうか。もしかしたらさっきので俺は死んでいたのかもしれない。

助けるのを遅れれば向日葵がどうなっていたか分からない。


気持ちを落ち着かせるために何度も深呼吸する。

そうだ。これからどうなるか分からないけど強くならないといけないんだ。

退屈な日常。刺激的なことが起きればいいなとか思うことがあったけど。

かといってこんなことがおきていい訳ではない。


強くならないと。強く。得たスキルが『ガチャ』ってのがなんでだよと思うけどなにかいいアイテムが出せるかも知れない。




なので。集中してみると目の前にガチャの機械が目の前に現れた!?


「おお!?え?スキルってガチャの台を召還する的な?」

まじまじと眺める。確かにガチャだ。駄菓子屋にあるような昔ながらのタイプだ。恐る恐る手を伸ばして回して見ると……動かない。ああ、お金いるのか?


でも、そこにいれるのは硬貨ではないみたいだ。

なんか丸い……さっきの石ころか?

硬貨を投入するとこが大きな丸になってるな。

石ころを入れてハンドルを回して見ると馴染みのあるガチャっと言う音と共にカプセルが出てきた。


それは真っ赤で中は見えないようだ。なんか、わくわくしてきたけど、ちょっと疲れた?回すたびになにか、力みたいなのを消費してしまうのか?


まあいい。男のロマンを開けてみるか。固いカプセルを開けてみるともわんと煙と共に出て来たのは………JKだった。うん。一旦目を閉じたもののJKがいる。


大きく背伸びしてるな。うん。

長いサラサラの黒髪。背は僕と同じくらい。ティーン雑誌のモデルと言われても納得出来そうだ。なにより可愛い。

目の前にスカート丈の短いスラリとした足があるので慌てて目を反らす。



「……なに見てるの?えっち」

からかうように言ってくる。

「え、あ、ごめん?え?ガチャから出て来た、今?」

「うん、そうだよ、鞘音?」

屈んでこちらを覗き込んでくる。リア充は近いな。

向日葵で慣れてると思ったが別の女子はまた別だ。

離れようとすると服の袖をつままれる。動かない?どうしてだ。


「ふふ。照れちゃって、可愛い」

「え、いや、あの。君、誰?」

外の戦闘よりも混乱してるんだけど!?


「私はあなたの妄想から生まれたの。ほら、鞘音、彼女欲しがってたでしょ?」

「ま、まあ、そりゃあね」

健全な十代の男子なら当然のことだ。


「そう言うシチュエーションの動画も見てるの知ってるよ?」

「ぶっ!?」

首をかしげつつなに普通に聞いてるんだ。は、話しを反らそう。


「も、妄想の具現化ってなに?」

「鞘音が欲しいものを願いながら回すと出てくるの♪」

「な、なんでも?」

「そ、なんでも。あ、でも何度も使わないとスキルは強くならないから、沢山回してね?」

耳元で囁かないで。ともかくゲームみたいだな。何度も思うけど。


「き、君も俺の妄想ってことなんだよな?」

「そそ。ほら、わたしみたいな素敵な美少女と付き合いたかったんでしょー?」

にって笑うと子供みたいに無邪気で可愛いな。


「まあ、そうなんだけどさ」

「そして私は、初回サービスの激レアアイテムだからねー?」

とてもそうは思えない。色々と気を遣いそうなんだが。


「鞘音の望むままに好きなことしていいよ?」

上目遣いのその発言は危険なので話しを変える。


「そ、それにしても名前はなんて名前なんだ?」

「むー。話し反らした。爆誕したばっかだからまだないかなー?鞘音が決めてよ」

立ち上がるJKをまじまじと眺めるが、すぐに立ち上がる。色々とね。見えちゃうから。


「イメージ的に明るい名前がいいか」

「あ、鞘音の音って漢字入れてよ!」

「え?まあ、いいけど」

考えながら部屋を見回す。軒下に吊るされた風鈴がチリンと綺麗な音色を鳴らす。


「……鈴音でどうだ?」

「うん。いい名前だね。よろしくー。私を頑張って養ってね♪」

ね♪じゃねーよ。パパ活じゃないんだから。ちゃんと家事を分担してもらうって。なんでこんなことを受け入れてるんだ?


ともかく、自分の体力みたいなのを消費するみたいだから注意しないとな。



つづく


鈴音―鞘音の妄想で誕生した好みのタイプのJKで制服チートの持ち主。その強さは未知数。

レアリティ???



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ