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第83話 宴会

 


 サオリのワープでオレ達は冒険者ギルドに戻った。正確には冒険者ギルドの近くの人目に付かない所にワープして、歩いて冒険者ギルドに行ったんだけど。ちなみにダンジョンはオレ達の勝負のために貸し切りになっていたらしく、他の冒険者には合わなかった。よって大爆発の被害者もいなかった。


 時刻にして5時少し前だったので冒険者ギルドの中は帰還した冒険者でにぎわっていた。オレ達が建物に入るとざわついていた館内がしーんと静まる。冒険者達の目がオレ達を追う。


「なんか嫌な感じね。」


 先頭を歩くリオが言った。


「ああ。完全にアウエーだもんな。」


「アウエー?」


 オレが返すとリオが聞き返した。


「敵地って事よ。まあ、気にせず、報奨金を受け取りに行こうよ。」


 オレは開いている受付に行って、受付嬢に話しかける。


「あのー。報奨金を受け取りに来たんですけど。あ。美少女戦隊です。」


「美少女戦隊のみなさん。お待ちしておりました。今、ギルド長を呼んできますね。」


 受付の女の子はそういうと奥に引っ込んで行った。


 しばらくして、ギルド長のダイコが現れた。


「やあ。待ってたぞ。見事な戦いだった。さすがA級冒険者ってところか。みんなA級冒険者の美少女戦隊のみなさんのご帰還だぞ!」


 ダイコは最初の言葉をオレ達に後の言葉をギルド中の冒険者達に大声で言った。


「彼女らは見事な戦いで我らの暁を破って見せた。拍手―。」


 さらに続けた。しかし、拍手はパチリパチリとしか叩かれなかった。


「よって報奨金の金貨10枚をここに与える。」


 報奨金の受け取りが表彰式みたいになって恥ずかしかったがオレは代表で受け取った。報奨金の入った袋を確かめると金貨5枚だけ受け取り、残りはダイコに返した。


「なんだ、この金は?」


 当然、ダイコは聞いてきた。


「このお金でここにいるみなさんにお酒をふるまってもらえないでしょうか?お近づきの印ってわけで。」


「おい。いいのか?みんな聞いての通りだ。今夜は飲もうぜ!」


 ダイコが最初の言葉をオレ達に言って、後の言葉を冒険者みんなに言った。


「やったー!」「よ。太っ腹―。」


 少しの沈黙の後、一斉に歓声があがった。


「よし。まずはエールだ。全員に配るから取りに来やがれ。」


 ダイコはカウンターに入ると自ら酒を配り始めた。


「アメリ。いいの?」


 渋い顔をしているセナを見てリオがオレに聞いてきた。


「いいのよ。元々あてにしていなかった金だし、よそ者が初日から大金をかっさらって行ったらみんなどう思うと思うよ。そんな金はみなさんに還元するのが一番よ。そうでしょ?セナさん。」


 オレは最初の言葉をリオに言って、後の言葉をセナに言った。


「ま、まあね。」


 セナが渋々言った。


「そんな事より、今日は飲んで食べて騒ぐよ。でも、ただ騒ぐんじゃなくて情報取集も忘れないでね。」


 オレはみんなにそういうと暁のメンバーがいるテーブルに向った。


「暁のみなさん。こんばんは。」


「お。アメリさん。こんばんは。」


 オレが挨拶するとグレイが返してくれた。


「どうしたの?みんなして渋い顔して。」


「当たり前だろ。せっかくB級まで上り詰めてあともう少しでA級ってところだったのに、今日からC級からやり直しだぜ。腐るってもんよ。」


 グレイが恨めし気に睨んできた。


「あー。そうだったね。忘れてた。でも、勝負の結果だから仕方ないよ。あんた達の実力ならすぐにB級に返咲けるよ。」


「あー。慰めはいらないぜ。ちくしょう。今夜はやけ酒だぜ。おい。アーリン。酒もらってこい。」


 女魔導士のアーリンが立ち上がった。


「オレも手伝うよ。」


 オレは立ち上がってアーリンの後を追った。


「アーリンさん。話があるの。後で会ってもらえる?」


 オレは後ろからアーリンに話しかけた。


「え?いいわよ。」


 振り向いてアーリンが答えた。




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