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第79話 古城のダンジョン

登場人物紹介


アメリ 脳筋 チーム美少女戦隊所属


リオ 脳筋 チーム美少女戦隊所属


サオリ 脳筋 チーム美少女戦隊所属



セナ 唯一のまとも チーム美少女戦隊所属


グレイ サークルアイの冒険者 チーム暁所属


 


 翌早朝、オレ達はサークルアイのダンジョンに来ていた。サークルアイのダンジョンは巨大な古城であった。その古城は断崖絶壁の上に建てられ、いかにも難攻不落であるかのような雰囲気を醸し出していた。朽ちた外壁にはつたや茨がはびこり、人の手がかけられてない事を語っていた。断崖絶壁に守られているために正面の入り口からしか入る事はかなわない構造になっていた。


「なるほどね。いかにもって雰囲気のダンジョンじゃないの。」


 サオリが古城を見上げながら言った。


「ああ。これはゾンビの巣だね。」


 オレも城を見上げながら言った。


「ゾンビって何?」


 オレ達の会話を聞いていたリオが質問した。


「ゾンビって言うのはオレとサオリのいた世界のメジャーな魔物で、死体がよみがえった物で、元々死んでいるから不死身でやっかいな魔物よ。」


「不死身だったら最強じゃん。どうやって倒すの?」


「それは頭を潰したり、燃やしたりして行動不能にするしかないわね。」


「じゃあ今回の魔物もそうやればいいんじゃないの?」


「うん。基本は火ね。火でじゃんじゃん燃やしていこう。あと、今日は対戦相手もいるから無駄な魔法は撃たないように。」


 オレ達は昨晩冒険者ギルドで仕入れた情報の再確認をするとともに、作戦を話し合った。オレ達のミーティングが終わった頃にグレイ達冒険者4人と冒険者ギルド長のダイコがやってきた。


「おう。逃げださずにちゃんと来ているじゃないかお嬢さん達。偉いよ。おじさん。褒めてあげるよ。」


 グレイがさっそく挑発してきた。


「そっちこそ遅いんで、怖気づいて逃げ出したんじゃないかと思いましたわよ。」


 こちらもリオが挑発し返す。


「まあまあ、これから同じ冒険者ギルドで一緒に戦っていく仲間じゃないか。仲良くしてくれよ。」


 ダイコがにらみ合うオレ達の間に入り治めようとした。


「勝負たって、決闘するわけじゃないんだから、そうにらみ合わずにさ。そうだ、仲良くなるために、簡単な自己紹介してくれよ。そっちの美少女戦隊のみなさんからお願いするぜ。」


 ダイコがリオの方を指して言った。


「わたし?わたしは美少女戦隊ナンバーワンの美少女剣士のリオ様よ。よろしくね。」


 リオが相変わらずのしょってる自己紹介をした。


「わたしは美少女戦隊の会計係のセナと言います。よろしくお願いします。」


「わたしは美少女戦隊の運送係のサオリと申します。よろしくお願いします。」


「わたしは美少女戦隊の雑用係のアメリと申します。よろしくお願いします。」


 セナに合わせてオレ達はサラリーマン風の自己紹介をした。


「おい。おい。お前さん達は商人のキャラバンかよ。」


 リオに続いて、オレ達がした自己紹介に、グレイがつっこんだ。


「オレはチーム暁のリーダーでグレイってもんだ。よろしくな。」


「あー。わしはハキム。」


 グレイに続いて魔法使い風の男がぶっきらぼうに言った。


「オレはガイアだ。よろしく。」


 続いて剣士風の男が挨拶した。


「わたし、アーリンよろしくね。」


 最後にオレ達と年齢も変わらないような魔法使い風の少女が挨拶した。


 オレは順番に4人を鑑定していた。レベルは30前後で、B級冒険者ならそんなものだろうと思ったが、最後の少女に少しひっかかった。


「アメリ。どう?」


 リオが小声で聞いてきた。


「うん。見た目通り、魔法使い3人に剣士一人ってとこね。レベルも30前後でたいしたことはないわ。ただ、ちょっと・・・」


「おい。おい。そこ。何内緒話をしてるんだ。」


 オレとリオの会話はグレイにさえぎられた。まあ、気にするほどじゃないか。


 ダイコがダンジョンの入り口で説明する。


「あー。じゃあ、簡単にルール説明しようか。まず戦闘はいっぺんに戦うと訳がわからんようになるから、パーティごとに順番に戦う事にしよう。その間戦ってないパーティは後ろで見学な。もちろん見学のパーティは手助け無用で、助けを求めた時点でそのパーティの負けね。あと、ポーションなどのアイテム類は使用禁止で、どっちのパーティがダンジョンのより奥まで行けるか競うって事だ。何か質問はあるか?」


「あの、各階層のボス戦はどうするんですか?」


「おい。今日一日でボスまで倒すつもりらしいぜ。」


「ボスどころか、初戦で逃げ出すと思うけどな。」


 オレの質問にグレイとハキムがちゃちを入れた。


「さすがにボス戦は消耗が大きすぎるので、当たるか当たらないで不公平があり過ぎるから、共闘って事でどうだい?」


「ええ。いいわよ。」


「ああ。問題ない。」


 オレが答えるとグレイも答えた。


 ダイコが門番の兵士に命じて吊り橋を下ろさせた。ダンジョンに橋がかけられるとオレ達は渡った。オレ達が渡り終えると橋が再び跳ね上げられた。渡った先に城の扉があり、門番の兵士が開けた。どうやら、ここがダンジョンの入り口らしかった。ダイコを先頭にダンジョンの中に入った。


「ここからダンジョンが始まるけど、まずはA級冒険者の美少女戦隊のみなさんの実力を見せてもらおうか。なお、やばいと思ったらすぐに言ってくれよ。後ろには暁のメンバーも控えてるからな。無理しなくていいぞ。ただし、勝負は負けになるけどな。」


 ダイコがにやにやして説明した。


「なんか。いやな感じね。」


「ああ。奴らぐるだろうな。」


 リオにオレは答えた。


「わたし達がギブアップするのを高見の見物ってところね。」


 サオリも後ろを振り返りながら言った。


「あっ。さっそく出たよ。」


 セナが魔物を見つけて言った。


「なんだ。スライムじゃん。」


 リオが剣を抜いて走り出した。


「あっ。リオ。だめ。」


 オレの声は走り出したリオに届かなかった。




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読んでくださってありがとうございます。

「逆異世界転移~転移してきたのは社会に害なす魔物ばかりだった」も書いてますので読んでください。

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