第75話 決戦
登場人物紹介
アメリ・・・異世界転生者、脳筋野郎2、悪徳商人
サオリ・・・異世界転移者、お調子者
リオ ・・・魔法剣士、脳筋野郎1
セナ ・・・賢者、守銭奴
カイエン・・冒険者ギルド長、悪徳代官
エイハブ・・船長、骸骨野郎、セクハラおやじ
男が大声を上げる前に、縮地で距離を詰めたオレは男の股間を蹴り上げた。手加減を十分にしたつもりだったが、男は派手に吹っ飛び白目をむいて気絶した。小用を足そうとしていた間際だったので股間は派手に濡れていた。
「かわいそうに。玉つぶれたんじゃないの?」
リオが男に同情して言った。
「まあ、おかまになったかもしれないけど死にはせんやろ。それより、こいつ頭巾で顔を隠してるよね。リオ。身ぐるみ剥いでこいつの頭巾付けて服と防具を着て。」
「えええ!絶対に嫌だ!派手におもらししてるじゃん、こいつ。」
「もちろんズボンまではかなくて良いから。背格好がリオが一番近いから頼むよ。」
「わかったよ。その代わりボーナスポイント付けてよ。」
ブツブツ言いながらリオは男の服と装備を着た。オレはリオに作戦を告げると男を木に縛り付け、テントに向かうリオを茂みに隠れて見送った。ひときわ大きなテントが敵の本部らしく見張りが4人ついていた。リオはうまくやったようでその中に無事加わった。
しばらくして、沖から小舟が一艘近づいてきた。カラハドとエイハブの乗った舟である。敵も発見したようで、一斉にざわつき始めた。そして手に手に武器を持って海岸線に向かい始めた。しかしリオの付いたテントには動きはなく人質は確認できてなかった。
カラハドとエイハブが島に上陸するとついにリオのいるテントからボスらしき男と人質の女の子二人が出てきた。
「お嬢さん。無事みたいですね。さあ、オレ達もテントの陰に隠れながら海岸線にむかいましょう。」
オレ達が敵の本部のテントに隠れていると、人質交換の交渉が始まった。
「約束通り金は持って来たぞ。早く娘たちを解放してくれ。」
カラハドが声を張り上げて鞄を投げた。
「おい。調べてみろ。」
ボスが手下に鞄の中身を確認させた。
手下が鞄の中身を確認すると、ボスは人質二人を解放した。カラハドが女の子達に走り寄って目隠しの頭巾を取って顔を確認した。
「な、違う。サリーじゃない。娘のサリーはどこだ。」
「ふん。死ぬお前らに答える義務はないな。」
ボスが剣を抜いてカラハドに切りかかった。しかし、それよりも早くリオの剣がボスの剣をはじいた。
「本当にベタな悪人ね。あんた達。美少女戦隊のリオ様がお仕置きしちゃうぞ。」
リオが頭巾を脱ぎ捨てて見栄をはった。
「いつの間に。おい。ねえちゃん。かっこつけて一人でどうするか知らんけどな。おまえも死ねや。」
リオに周りの男達が一斉に向かって行った。最初に向ってきた男を横なぎに切り払い、次の男を袈裟斬りで切り伏せた。
「つ、強い。おい。カラハドを人質にとれ。」
手下がカラハドに向かうと船の船頭がそれを切り伏せた。
「お前ら。女の子一人相手に大勢で、その上人質まで取ろうだなんて。卑怯すぎるぞ。
カラハドさんはわしが守るから思いっきりやってくださいリオさん。」
船頭のエイハブが剣をかまえて言った。
「ふん。20対1が20対2になっただけじゃないか。一斉にかかれば怖くないぞ。おまえら。」
「「「「「おう!」」」」」
リオとエイハブに一斉に向おうと取り囲みに行った手下が一人切られた。
「これで16対6になったけどね。」
「アメリ。遅い。」
オレとサオリとセナとカムイは盗賊団の後ろに着いた。
ほどなくして黒海賊団を名乗る盗賊団は殲滅した。もちろん、みねうちで殺してはいない。オレはボスを問い詰めた。
「おい。糞ボス。女の子二人はどこにやった?」
「あ、あっしはボスなんかじゃないですよ。ボスと女の子達はお金持ってドロンしちまいましたよ。」
「なんだってー!」
オレは鞄を探したが無かった。
「アメリ。あそこ。」
リオが沖を指して言った。
沖を一艘の船が走っていた。
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